ながらみ書房は1985年開業、二千点以上の歌集歌書を出版してきた出版社です

 


NEWS

▼第18回前川佐美雄賞・ながらみ書房出版賞決定!!

第18回前川佐美雄賞 

藤島秀憲 歌集『ミステリー』(短歌研究社刊)

第28回ながらみ書房出版賞

田中 薫 歌集『土星蝕』(ながらみ書房刊)

 

おめでとうございます!

▼「短歌往来」のキンドル版の販売を開始しました!

「短歌往来」2020年1月号

https://www.amazon.co.jp/%E7%9F%AD%E6%AD%8C%E5%BE%80%E6%9D%A52020%E5%B9%B41%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%BF%E6%9B%B8%E6%88%BF-ebook/dp/B0859BKFHS/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E7%9F%AD%E6%AD%8C%E5%BE%80%E6%9D%A5&qid=1583389270&sr=8-1

 

 

▼黒岩剛仁歌集『野球小僧』が第24回若山牧水賞を受賞しました!

『野球小僧』のご注文は、メール、電話、FAXなどで承っております。

2500円(税別)です。

▼『定本 竹山広全歌集』について

このたび、在庫整理の一環で、残部につきまして定本『竹山広全歌集』を廉価でお分けすることになりました。不朽の名歌集『とこしへの川』を含む全歌集を4000円(税込み・送料込み)でお分けいたします。お申し込みは先着順といたしますので、品切れの場合は悪しからずご承知おきください。(Amazonでの販売は定価となります。)

ご注文は、メール、お電話、FAX等で承ります。お送先の郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号をお知らせください。

郵便局の払込票を同封し、カンガルー便にて発送いたします。

▼高山邦男歌集『インソムニア』が文庫化となりました

高山邦男さんがNHK「目撃!にっぽん」で特集されました。以下でも視聴することが可能です。
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2018084748SC000/?capid=nte001

 

 

文庫版1200円(税別)となります。

弊社へ直接お電話、メールいただくか、直販に対応している書店様からお取り寄せください。

 

▼おすすめ歌集・歌書紹介

高山邦男歌集『インソムニア』大好評につき、文庫化いたしました。

 

『御供平佶歌集全四冊』平成30年度埼玉県歌人会賞!!年譜付き。

 

松村正直著『樺太を訪れた歌人たち』小黒世茂著『記紀に游ぶ』好評です!



書籍のご注文や在庫確認は以下にて承っております。

手数料弊社負担の郵便払込票を同封して本を送らせていただきます。

mail:info@nagaramishobou.co.jp
tel:03-3234-2926
fax:03-3234-3227

新刊歌集歌書

定価:850円(税込)

定期購読のおすすめ

1年間10,200円

半年間  5,100円

<目次>

◎巻頭作品21首

『佐新書簡』/佐佐木幸綱

 

◎特別作品33首

ソーシャルディスタンス/菊池裕

春雷/松本典子

 

▼一ページエッセイ

◎遠い人、近い人ー吉田とは何者だ/島田修三

◎ニューウェーブ歌人メモワールーニューウェーブの始動/加藤治郎

◎うたの小窓からー前登志夫合評/田中教子

 

【特集】前川佐美雄 没後30年

・前川佐美雄ミニアルバム/前川佐重郎提供

▼評論・エッセイ

白鬼とことだまー『大和』を中心に/日高堯子

前川佐美雄から斎藤史へ/楠田立身

鬼の継承/萩岡良博

信綱から佐美雄へ/谷岡亜紀

「鬼のよはひ」を共に生きた歌人/江田浩司

毒の行方ー佐美雄から塚本邦雄/魚村晋太郎

 

・佐美雄の100首/前川斎子 選

 

▼佐美雄の一首

水原紫苑、長岡千尋、桑原正紀、横山未来子、睦月都、松谷東一郎、後藤恵市

 

▼佐美雄との出会い

山下百合子、芦田敏子、仲つとむ、真後和子、中井龍彦、吉岡治

 

◎作品7首

峠の吹雪/雁部貞夫

言霊を狩る/秋元千惠子

石/時田則雄

ゆく春の愁い/菅原恵子

夏のよそほひ/林田恒浩

サッカリンとぬりえ/内野光子

老躯励まして/金子正男

この世の春は/中西洋子

火鉢/下村光男

 

◎作品13首

カモシカ/光本恵子

緑のたぬき/大松達知

アフターコロナバイブレーション/笹公人

浮かれ女のごと/磯田ひさ子

城山盛夏草木抄/岩崎聰之介

薔薇水晶/兵頭なぎさ

赤レンガの道/丸山順司

鳥の巣/由田欣一

クメールの婚/青戸紫枝

もちつこ/浦河奈々

拝啓、フィリップ・K・ディック様/斉藤真伸

 

◎新・自然を詠む・撮る・描く

死の力/黒羽泉

 

◎作品8首

四十雀/土田和子

新型コロナウイルスと私/岩井鑛治郎

幼なのやうに/小林暁子

青葉きらめく/熊田邦子

あたらしき街/阿部真太郎

惜春賦/飛鳥游美

あまびゑ/経塚朋子

テレワーク/山下和代

紀元比国四十五年/野本研一

声/井上美津子

 

▼連載

◎結社の顔ー地中海/久我田鶴子

◎<歌・小説・日本語>

山上憶良あれこれ/勝又浩

◎世界を読み、歌を詠む

サン・ジェルマンのそばで/坂井修一

◎再訪八木重吉

自己表現の彼方へ/三枝浩樹

◎玉城徹を読む

きよきものの追求/恩田英明

◎浪々残夢録

短歌におけるエロティシズム/持田綱一郎

◎時言・茫漠山日誌より

彼方への記憶/福島泰樹

◎<名画と名歌>

天下の二枚目ケーリー・グラントとアラン・ドロン/丹波真人

◎今月の視点

緊急事態と日常/高山邦男

 

◎今月の新人/桝田法子

 

▼新刊歌集歌書評

秋葉四郎著『茂吉からの手紙』/結城千賀子

千々和久歌集『生きてはみたが』/池田はるみ

藤原龍一郎歌集『202X』/黒岩剛仁

田中綾著『非国民文学論』/三井修

 

▼作品月評

5月号より/田中拓也

▼評論月評/石川幸雄

▼全国往来情報

▼編集後記

 

 



藤井千秋歌集『あの日の空』

版型:四六判上製カバー装

頁数:170頁

定価:2,400円(税抜)

ISBN978-4-86629-185-7

 

第一歌集!

 

 

藤井さんはじつに健やかな観察眼の持ち主である。

繊細で柔らかな感受性に目を見張る。

言い過ぎになることなく一首全体をきりりと

まとめ上げることは、とても難しい。

それをごく自然体でこなす力量に感服した。

 

栗木京子「序文」より

 

「回天」の歴史を聞きし少年は海に向かひて仁王立ちせり

  おほ

たんぽぽの絮毛崩れて漂へり大ミキサー車過ぎゆきし時

 

雛すぎて雛仕舞はれし床の間の桃の花びら夜を散りぬるを

 

かかる日のいつか終らむ二人なれ豌豆の苗に支柱たてをり

 

おもかげを偲べば或る日師に代り千手観音佇ちたまふなり

 

 

 

 

 


中平武子歌集『しらべは空に』

版型:四六判上製カバー装

頁数:234頁

定価:2,500円(税別)

ISBN 978-4-86629-180-2

 

第二歌集!

 

中平さんの浪漫的な想像力は、

橅の木に向かえば橅の内なる音とつながり、

日に輝く菜の花の中ではひとひらの菜の花となるというように、

身体変幻のしらべを強く響かせる。

ーーーーーーーーーーーーーーー日高堯子跋より

 

 

ぶなの木のうちなる音を聞かんとし橅は吾とひとつになりぬ

 

菜の花のひとひら一片日を受けて輝く朝はわれも菜の花

 

皆おなじ答を言ふと詰る声 死にたき人は深夜の電話に

 

人との距離保つに雀に似てゐるや ためらひがちに友の手をとる

 

ここに座しともに桜を仰ぎたる時もどしをり夕暮の園

 

 


高旨清美歌集『雀のミサ曲』

版型:四六判上製カバー装

頁数:188頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-4-86629-187-1

 

現代女性歌人叢書24

 

毅然として物憂い表情。

たとえば都市の路地を彷徨う

ゆきずりの猫。

暗くて寂しい眼差しの奥に何があるのだろうか。

 

歌は祈りのかたちを孕みながら、

ゆっくりと静かに天井へと膨らんでいく。

 

 

銀色のキャップを冠せていつぽんの色鉛筆を使ひきりたり

 

帰る家あるのかと問ふゆきずりの猫の左右の瞳濁れば

 

空を見ることのふえをり空を見て旅のこころの湧くにあらねど

 

早世の家系に生れて秋の日を浴めり窓辺に身のゆるぶまで

 

春の芽吹き秋の落葉 忘れられてゆくはもつともさびしかること

 


「短歌往来」2020年7月号

850円(税込)

 

定期購読のおすすめ

1年間 10,200円

半年間   5,100円

 

<目次>

◎巻頭作品21首

『佐新書簡』/佐佐木幸綱

 

◎特別作品33首

ソーシャルディスタンス/菊池裕

春雷/松本典子

 

▼一ページエッセイ

◎遠い人、近い人ー吉田とは何者だ/島田修三

◎ニューウェーブ歌人メモワールーニューウェーブの始動/加藤治郎

◎うたの小窓からー前登志夫合評/田中教子

 

【特集】前川佐美雄 没後30年

・前川佐美雄ミニアルバム/前川佐重郎提供

▼評論・エッセイ

白鬼とことだまー『大和』を中心に/日高堯子

前川佐美雄から斎藤史へ/楠田立身

鬼の継承/萩岡良博

信綱から佐美雄へ/谷岡亜紀

「鬼のよはひ」を共に生きた歌人/江田浩司

毒の行方ー佐美雄から塚本邦雄/魚村晋太郎

 

・佐美雄の100首/前川斎子 選

 

▼佐美雄の一首

水原紫苑、長岡千尋、桑原正紀、横山未来子、睦月都、松谷東一郎、後藤恵市

 

▼佐美雄との出会い

山下百合子、芦田敏子、仲つとむ、真後和子、中井龍彦、吉岡治

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◎作品7首

峠の吹雪/雁部貞夫

言霊を狩る/秋元千惠子

石/時田則雄

ゆく春の愁い/菅原恵子

夏のよそほひ/林田恒浩

サッカリンとぬりえ/内野光子

老躯励まして/金子正男

この世の春は/中西洋子

火鉢/下村光男

 

◎作品13首

カモシカ/光本恵子

緑のたぬき/大松達知

アフターコロナバイブレーション/笹公人

浮かれ女のごと/磯田ひさ子

城山盛夏草木抄/岩崎聰之介

薔薇水晶/兵頭なぎさ

赤レンガの道/丸山順司

鳥の巣/由田欣一

クメールの婚/青戸紫枝

もちつこ/浦河奈々

拝啓、フィリップ・K・ディック様/斉藤真伸

 

◎新・自然を詠む・撮る・描く

死の力/黒羽泉

 

◎作品8首

四十雀/土田和子

新型コロナウイルスと私/岩井鑛治郎

幼なのやうに/小林暁子

青葉きらめく/熊田邦子

あたらしき街/阿部真太郎

惜春賦/飛鳥游美

あまびゑ/経塚朋子

テレワーク/山下和代

紀元比国四十五年/野本研一

声/井上美津子

 

▼連載

◎結社の顔ー地中海/久我田鶴子

◎<歌・小説・日本語>

山上憶良あれこれ/勝又浩

◎世界を読み、歌を詠む

サン・ジェルマンのそばで/坂井修一

◎再訪八木重吉

自己表現の彼方へ/三枝浩樹

◎玉城徹を読む

きよきものの追求/恩田英明

◎浪々残夢録

短歌におけるエロティシズム/持田綱一郎

◎時言・茫漠山日誌より

彼方への記憶/福島泰樹

◎<名画と名歌>

天下の二枚目ケーリー・グラントとアラン・ドロン/丹波真人

 

◎今月の視点

緊急事態と日常/高山邦男

 

◎今月の新人/桝田法子

 

▼新刊歌集歌書評

秋葉四郎著『茂吉からの手紙』/結城千賀子

千々和久歌集『生きてはみたが』/池田はるみ

藤原龍一郎歌集『202X』/黒岩剛仁

田中綾著『非国民文学論』/三井修

 

▼作品月評

5月号より/田中拓也

▼評論月評/石川幸雄

▼全国往来情報

▼編集後記

 


「短歌往来」2020年6月号

表紙作品/「李」松本秀一

本文カット/浅川 洋

 

定価:850円(税込)

A5版並製

 

<目次>

◎巻頭作品21首

かぎろひの春/内藤 明

 

◎特別作品33首

フリーランス/春日いづみ

彼方への記憶/恒成美代子

 

◎一ページエッセイ

遠い人、近い人ー篠沢夫人のこと/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワールー『マイ・ロンサー』刊行へ/加藤治郎

うたの小窓からー前登志夫合評/田中教子

 

◎評論21世紀の視座

創世神話「塚本邦雄」/江畑 實

 

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〔特集〕

第18回前川佐美雄賞 発表

第28回ながらみ書房出版賞 発表

 

受賞のことば/藤島秀憲

受賞のことば/田中 薫

 

●前川佐美雄賞受賞作

『ミステリー』50首抄/藤島秀憲

 

●ながらみ書房出版賞受賞作

『土星蝕』25首抄/田中 薫

 

<選考を終えて>

佐佐木幸綱、三枝昻之、佐々木幹郎、加藤治郎、俵万智

 

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◎作品7首

ウイルスの乱/大塚寅彦

二〇二〇年春/宮原望子

二〇二〇年四月/水野昌雄

日日是好日/中根三枝子

青春回顧/藤田和平

薄墨桜/筒井紅舟

コロナ/大山敏夫

生きてゆく力/衛藤弘代

濃厚接触者/中根 誠

 

◎作品13首

磯自慢/柴田典昭

社会的距離/中川佐和子

冬麗の空/橋本 忠

ましろき女人/鈴木英子

辺野古再訪/渡辺幸一

オンライン授業/永田 紅

空飛ぶ夢/冨尾捷二

仙果/山科真白

最後の仕事/三平忠宏

合図/筒井幸子

 

◎作品8首

野に咲く花/江副壬曳子

少年のころ/小木 宏

地球馬印/松井純代

春の石蕗/蔵田道子

八手の葉/村田光江

オリーブの葉冠/村山 伀

こんなに生きていいですか/三井豊和

白き小人/岡田令子

呪うように/倉石理恵

 

◎シリーズ 歌人回想録ー柏崎驍二

小歴/田宮朋子

柏崎驍二のうた50首抄/田宮朋子

睦ちゃん/仲 宗角

 

◎新・自然を詠む・撮る・描く

多摩川界隈/美濃和哥

 

◎連載

◇結社の顔ー日月/日月編集部

◇<歌・小説・日本語>-山上憶良のあれこれ/勝又 浩

◇世界を読み、歌を詠むーナショナリズムと大学/坂井修一

◇再訪八木重吉ー自己表現の彼方へ/三枝浩樹

◇玉城徹を読むー草むらの祝祭空間/恩田英明

◇浪々残夢録ー斎藤史『魚歌」と二・二六事件の新資料発見/持田綱一郎

◇時言・茫漠山日誌よりー死後のレンズ/福島泰樹

◇<名画と名歌>ースクリーンのヒーロー 高倉健と小林旭/丹波真人

 

◎今月の視点ー表現の確立/三本松幸紀

 

◎今月の新人ー鳩とWi-Fi/丸山朱梨

 

◎新刊歌集歌書評

谷川健一著『わが沖縄』/渡 英子

熊田邦子歌集『予祝の雪』/日高堯子

丸山順司歌集『チィと鳴きなち』/酒井佐忠

山下和代歌集『風の坂道』/久保美洋子

 

◎作品月評ー四月号より/田中拓也

◎評論月評/石川幸雄

◎全国‘往来‘情報

◎編集後記

 

 

 


松谷東一郎歌集『平成カプリッチオ』

版型:A5判上製カバー装

頁数:206頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-4-86629-184-0

 

 

第四歌集!

 

本音を歌える歌人は案外と少ない。

人間が面白くなければ歌も面白くない。

そんな作者ならではのフモールがキラリと光る。

心のうちなる自分を見事に抜き取り、正直に表現しきった。

かつて、この世に生きて、歌を詠んだ人間がいたことを証明する

圧巻の世界!

 

 

 

全身の水入れ替えて夏木立だんだん影を透明にする

 

高倉健逝きて日本男子のいなくなり体躯のなかの海鳴りやまず

 

湯豆腐はすこし崩れて生きてゐる人も生真面目すぎないのがいい

 

こつこつとわたしを呼びぬ葬儀の日柩のなかの亡骸われが

 

黒髪の白くなるまで妻のこゑ聞きたく思ふわが髪なくも

 

 


仲西正子歌集『まほら浦添』

判型:四六判上製カバー装

頁数:220頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-4-86629-179-6

師・桃原邑子の志を継ぐというよりもっと自然に

沖縄での暮らしに根ざした詠わずにはいられないものが

仲西さんに沖縄や家族をうたわせている。

それは、意外なほどのスケールで、

世界や歴史を俯瞰させる力をもっている。

そのことを私は尊いと思う。

 

帯文ー久我田鶴子

 

 

 

 

                  たま

樹によれば樹、地に臥せば地の命なり 弾はずれて来て我を生みし母

 

ブラジルへ渡れず父はこの島で甘蔗の穂花の煌めきを見て

 

戦さ世に生まれし命も記名され平和の礎かなしき記録

              しーしうがん

十五夜におびき出されし男等が獅子御願の円陣をくむ

                      

産土を踏みし小さき黄の靴を手のひらに置き光に出だす

 

 


許田 肇歌集『福木の双葉』

版型:四六判上製カバー装

頁数:170頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-86629-176-5

 

沖縄在住の97歳、第一歌集!

 

戦争の嘆きをくぐって、

悲しみとユーモアを、

なつかしげに歌いあげた

97年の生涯を、

私も歌いあげたくなった。

 

帯文:<芥川賞受賞者>大城立裕

 

 

 

大正に昭和平成と永らへて令和に祝ふカジマヤーかな

                    ナンミンサイ

そのかみの那覇つ子だれも楽しみき心躍らす波上祭よ

 

読み止しの本に栞の見当たらず取り敢へず挟む福木の双葉

 

年ごとに八重岳娘らと訪ねては緋寒桜の九十九折りゆく

 

急ぎ行く焦る心よ杖突きて歩度ままならずポストへの坂

 


「短歌往来」2020年5月号

定価 850円(税込)

 

<目次>

▼巻頭作品

鄭州幻想/島崎榮一

 

▼特別作品

三月/河野美砂子

船歌/川野里子

 

◎一ページエッセイ

・遠い人、近い人ー辣韭と金魚/島田修三

・ニューウェーブ歌人メモワールー「かばん」と中山明/加藤治郎

・うたの小窓からー前登志夫合評/田中教子

 

▼評論21世紀の視座

意地の悪い歌、竹山広における/大辻隆弘

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【特集】令和の春のうた

◎作品10首+愛誦歌+エッセイ

白タンポポ/竹安隆代

令和のなづな/金子貞雄

雀の帷子/久我田鶴子

大試験/棚木恒寿

近江早春/遠山利子

「三分の一湧水」/古屋清

置かれた場所で/大崎瀬都

残り火/後藤由紀恵

みやざきの春/長嶺元久

絆創膏/小島なお

黒芽ふきあぐ/森川多佳子

昔ながらの/依田仁美

はるのあめ/富田睦子

蕾ふくらむ/浅田隆博

陽光は砂/生沼義朗

春花/廣庭由利子

家書家伝/竹下洋一

灯下を帰る/屋良健一郎

春の石段に腰かけて/吉田淳美

懈怠/近田順子

甲東海林まで/小林幹也

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

▼作品7首

鈴が鳴る/藤岡武雄

声を掬う/山村泰彦

飛魚出汁/森山晴美

山鳩/仲宗角

あふれる/中津昌子

鬼遣らひ/古屋正作

六連星/平林静代

木肌の熱き/外塚喬

生・病・老の九十年/佐藤和夫

吊橋/斎藤佐知子

春の疾風/小泉桄代

 

▼作品8首

足どり/梶原房恵

越しの寒しぐれ/佐野善雄

砂浜に立つ/大岩洋子

春未だ寒し/伊藤美耶

撫でる/釣美根子

父の時代/さいかち真

四時/鷺沼あかね

ゴーンさん/清水篤

少女よ生きておれば/高橋愁

棋譜を見て/椎木英輔

風/鈴木隆夫

アセンション/金澤憲仁

 

▼新・自然を詠む・撮る・描く

林試の森/間 ルリ

 

▼結社の顔

白路/野地安伯

 

▼連載

◎<歌・小説・日本語>

山上憶良あれこれ/勝又浩

◎世界を読み、歌を詠む

戦争責任(下)/坂井修一

◎再訪八木重吉

自己表現の彼方へ①/三枝浩樹

◎玉城徹を読む

変容する自然/恩田英明

◎浪々残夢録

長塚節の生家訪問/持田綱一郎

◎時言・茫漠山日誌より

死者が裁く/福島泰樹

◎<名画と名歌>

林芙美子の世界/丹波真人

 

▼今月の視点

鮮やかなオノマトペー飛翔ー/大西久美子

 

▼今月の新人

其方の空/木ノ下葉子

 

▼新刊歌集歌書評

佐佐木幸綱歌集『テオが来た日』/黒瀬珂瀾

谷川健一著『小さきものへ』/渡英子

横山岩男著『作歌初心』/鶴岡美代子

雁部貞夫自選歌集『わがヒマラヤ』/加藤英彦

飯沼鮎子歌集『土のいろ草のいろ』/尾崎まゆみ

藤島秀憲歌集『ミステリー』/山田航

佐藤千代子歌集『あれから』/沖ななも

三平忠宏歌集『館山』/田村広志

楠誓英歌集『禽目圖』/大森静佳

筒井幸子歌集『ならやまの月』/一ノ関忠人

 

▼作品月評

三月号より/田中拓也

▼評論月評/石川幸雄

▼全国往来情報

▼編集後記

 

 

 

 

 


秋葉四郎著『茂吉からの手紙』

判型:四六判並製カバー装

頁数:208頁

定価:2,400円(税別)

ISBN978-4-86629-173-4

 

手紙は私信である。本来は世に出るものではない。

だが、直情であり、赤裸々であるがゆえに作歌の本質が覗く。

心のありよう、文学に対峙する真の姿勢が

巨大な火焔となって、メラメラと創造の虚空へ立ち昇る。

茂吉の厖大な手紙の量がそれだ。

斎藤茂吉記念館館長が熱く紐解く、茂吉という歌人の素顔。

 

<八人への手紙>

永井ふさ子への作歌助言

青年・哀草果への直言

才媛・杉浦翠子への場合

助力者・山口茂吉への親書

熱き血の歌人・原阿佐緒への便り

若き編集者・門人・佐藤佐太郎への書簡

最後の女流門人・河野多麻への手紙

次男宗吉・北杜夫への父の書状

 

 


後藤恵市歌集『冬の満月』

判型:四六判上製カバー装

頁数:262頁

定価:2,600円(税別)

ISBN978-4-86629-175-8

 

寒満月の皓々と照る舗道を、

酒臭い初老の男がコートの襟を立て歩いていく。

口ごもりつつ吐き続ける言葉が聖なる韻律を呼び寄せる。

悲哀あり、風刺あり、諧謔あり、そしていくばくかの艶もある。

この表現者の孤独に予祝の盃をかかげるのは果たして誰なのか。

 

第三歌集。

 

 

電車にてをみなごと指触れ合へばその温もりをポッケにしまふ

 

ゆめのなかでかげふんじやつた目覚むれば己の影は絶えて踏まれず

 

夕焼けを小脇にかかへ持ち帰り豆腐に和へて酒のあてとす

 

片恋の砂かむやうに滲み出でとほき思ひの八重桜さく

 

青天を核融合の星ひとつ白く滾りて地上を照らす

 

 


「短歌往来」2020年4月号

850円(税込)

 

半年間 5100円(税込)

1年間 10200円(税込)

 

▼目次▼

 

〇巻頭作品 21首

閑夢/梅内美華子

 

〇特別作品33首

からんどりえ/渡 英子

鬼の去る夜/岩内敏行

 

〇一ページエッセイ

遠い人、近い人ー帰らぬ父親/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワールー詩歌のレイアウト/加藤治郎

うたの小窓からー前登志夫合評/田中教子

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【特集】天変地異を詠む

 

◇特集評論

天地の間/真中朋久

災害の影響を受けた和歌/梶間和歌

 

◇作品十首+エッセイ

ひとも街もこゑも/松本典子

また春が来る/生田亜々子

忘れ また刻む/小林優子

やなぎの橋/熊谷龍子

人災の危機/運天政德

熊本地震/大友清子

西日本豪雨/小寺三喜子

歳月のこと/クリシュナ智子

濃くなるばかり/三原由起子

災害 百浦添/許田邦子

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〇作品7首

泡/蒔田さくら子

もろもろの恩/秋葉四郎

雲のうた/桜井登世子

冬/甲村秀雄

太ももの翼/東 直子

雨/小笠原和幸

目を閉ぢながら/佐藤恵子

夜の断唱/西勝洋一

桃の枝/秋山佐和子

春日回想/柳 宣宏

大山寺/日向海砂

妻のDNA/米山髙仁

遠世のひと/豊岡裕一郎

 

〇新・自然を詠む・撮る・描く

伊根湾の音/高田ほのか

 

〇作品13首

新年/狩野一男

悪の現場さへうつくしく/阪森郁代

アジアでいちばん綺麗なモスク/畑 彩子

ソフトせんべい/天野 匠

一歳上る/小潟水脈

天井を向く/中島裕介

楽園の彼方へ/長谷川と茂古

桜花揺曳/小山常光

夕べの雲/南 鏡子

藍の国から/山本枝里子

呉にて/福島久男

毛茸/清水正人

 

〇作品8首

石垣島にて/木村よし子

歳旦祭/白倉一民

ひゃく/片山 紫

さび色のひまはり/滝沢 章

一歳児/金澤和剛

微積分少年/佐藤成晃

地下道/佐藤邦子

横須賀・横浜/斎藤和子

墨との日日/丸山正文

母は際まで/秋葉静枝

 

 

 

〇結社の顔

醍醐/山田悦子

 

〇今月の視点

教室カースト/上村典子

 

〇今月の新人

袖/小早川 翠

 

 

▼連載

〇<歌・小説・日本語>

山上憶良あれこれ/勝又 浩

 

〇世界を読み、歌を詠む

戦争責任(上)/坂井修一

 

〇再訪八木重吉

初期詩稿の森を歩く/三枝浩樹

 

〇玉城徹を読む

麤皮/恩田英明

 

〇浪々残夢録

政治家の短歌/持田綱一郎

 

〇時言・茫漠山日誌より

没後十年の歌/福島泰樹

 

〇<名画と名歌>

日本人の好きなオードリー・ヘプバーン/丹波真人

 

▼新刊歌集歌書評

山村泰彦歌集『三余荘の歌』/内藤 明

島崎榮一歌集『小雅』/玉井清弘

坪内稔典歌集『雲の寄る日』/藤原龍一郎

沢口芙美歌集『秋の一日』/小黒世茂

齋藤芳生歌集『花の渦』/駒田晶子

村田光江歌集『記憶の風景』/押切寛子

 

〇作品月評ー二月号より/田中拓也

 

〇評論月評/石川幸雄

 

〇全国往来情報

〇編集後記

 

表紙作品/「キッチンの魚」松木秀一

本文カット/浅川 洋

 

 

 

 

 


園田昭夫歌集『少しだけ苦い』

判型:四六判上製カバー装

頁数:188頁

定型:2,500円(税別)

ISBN978-486629-162-8

 

十七歳の神無月こそわすれまじわが生き方を決めし浅沼さん

 

比例選挙名簿にわれの名載りて人の妬みの深さ知りぬ

 

ふたつみつ疫病かかえ古稀となる明日は明日同行二人

 

悪性の腫瘍と告げる意志の顔励ます声は翳りをもちて

 

先生ほど九条を愛した人はいない九条歌人岩田正罷る

 

 

 

歌集『少しだけ苦い』には、苦労を重ねた父母、伯母の被爆による隠れるような暮らしなど、戦後の暮しの位相、若く経験した魑魅魍魎の政治の世界、そして知った啄木の短歌。一度は「政治」と手を切り、それらを振り切るために出た遍路。これらはこの歌集の根幹にかかわっている。短歌への出発時からの歌のモチーフ、社会との関連性、幻滅して政治を離れてなお社会矛盾の多さに再度運動へ戻ってゆく日々を通し太らせた軌跡が色濃く歌われる。それは戦後を生きた園田昭夫の内面を語っている。                    ー田村広志 帯文ー

 

 

 


「短歌往来」2020年3月号

1冊850円

1年間10,200円

半年間5,100円

 

<目次>

〇巻頭作品21首

祈り/香川ヒサ

 

〇特別作品33首

移動祝祭日/谷岡亜紀

母に還る/高島裕

 

〇連載 一ページエッセイ

遠い人、近い人ー二人はいる/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワールー喩の旅/加藤治郎

うたの小窓からー前登志夫合評/田中教子

 

◇評論21世紀の視座

『水葬物語』の生成②/江畑實

 

【特集】アンケート2019年のベスト歌集・ベスト歌書

 

①2019年に刊行された優れた歌集歌書を3冊あげ、それぞれの歌集から秀歌をひいてください。

②歌集歌書、あるいは2019年の収穫について自由にコメントしてください。

 

▼回答者

糸川雅子、今井千草、大崎安代、川田茂、河野小百合、後藤恵市、小林敦子、小林幹也、笹公人、田宮朋子、田村広志、永井正子、中野昭子、平山公一、本田一弘、三井修、森藍火、盛岡千賀子、山田吉郎、加藤英彦、千々和久幸、綾部光芳、大熊俊夫、貝沼正子、塚本諄、今井恵子、富田睦子、宇田川寛之、藤野早苗

 

〇作品7首

音/松永智子

九十歳の記憶/川口城司

抱擁/都築直子

電話詐欺/田野陽

太き虹顕つ/浜田康敬

風呂敷/小野雅子

白鳳の仏/久保田登

雑司ヶ谷歳晩/釜田初音

生き継ぐ日々/大橋栄一

家じまい/吉村明美

ひとりぐらし/宇都宮とよ

 

〇新・自然を詠む・撮る・描く

風待ちの翼/宮原勉

 

〇追悼ー清田由井子

清田由井子さんを追悼して/高嶋和惠

 

〇作品13首

傘/伊勢方信

中央線沿線/押切寛子

二月の入り江/岩尾淳子

日々移ろいゆく/小熊正明

お節介/松谷東一郎

空の雫/滝下惠子

幻の門/島 晃子

美術館/比留間澄子

三文安い/田中薫

 

〇作品8首

みどりの画帖/田中伸治

シマネトリネコ/中沢玉恵

遥かなり/前田宏

母は/山下敬子

たかが雨/楜澤丈二

百年/池田裕美子

夢のあとさき/松本高直

また会いましょう/藤森あゆ美

麦踏み/柳蒼柳

 

〇今月の視点

短歌と共に生きる/下村すみよ

 

〇今月の新人

配役:娘A/桜望子

 

〇新刊歌集歌書評

福島泰樹歌集『亡友』/田中綾

香山静子歌集『銀の莟』/小島熱子

桑原正紀歌集『秋夜吟』/上條雅通

熊谷龍子歌集『葉脈の森』/清水亞彦

佐佐木定綱歌集『月を食う』/水原紫苑

由田欣一歌集『酔生夢死』/武田弘之

井野佐登歌集『自由な朝を』/彦坂美喜子

佐藤邦子歌集『鈴鹿嶺』/喜多弘樹

 

 

▼連載

〇結社の顔

覇王樹/佐田公子

 

〇<歌・小説・日本語>

現代の歌物語/勝又浩

 

〇世界を読み、歌を詠む

イサクの燔祭/坂井修一

 

〇再訪八木重吉

初期詩稿の森を歩く/三枝浩樹

 

〇玉城徹を読む

白秋・牧水・徹の富士/恩田英明

 

〇浪々残夢録

源氏物語とオカルト/持田綱一郎

 

〇時言・茫漠山日誌より

無頼の墓/福島泰樹

 

〇名画と名歌

絢爛たる美貌<月丘夢路>/丹波真人

 

〇作品月評

一月号より/大松達知

 

〇評論月評/石川幸雄

 

〇全国往来情報

 

〇編集後記

 

 

 

 

 

 


熊田邦子歌集『予祝の雪』

判型:四六判上製カバー装

頁数:266頁

定価:2600円(税別)

ISBN978-4-86629-172-7

 

互いを思いやりながらの穏やかな日常生活が、しだいに壊されてゆく。

まだまだ遠い先のことと思っていた<その時>…。

事実を事実として受け止め、静かに立ち向かって行く作者の凛とした姿勢故に、一首一首の内包する悲しみは深く、読者の胸に響く。

 

平林静代「序」より

 

 

 

十月のジグソーパズルの終片を収むるごとくコスモス咲きぬ

 

老職人はわが足の甲をひと撫でし草履鼻緒の長さを決めぬ

 

葦焼けてかぐろき原を覆ふまで予祝の雪よこんこんと降れ

 

癒ゆるなき夫につけつけもの言ひてあかるき秋のひと日うしなふ

 

若き日に君と通ひし古書店の前で待ちなむ先に逝きなば

 

 

 


筒井幸子歌集『ならやまの月』

定価:2500円(税別)

判型:四六判上製カバー装

頁数:182頁

ISBN 978-4-86629-166-6

ふるさとと呼ぶにはあはき東京をすぎてゆくとき橋のきらめく

 

晩年、先師前登志夫はよく言っていた。

「詠み人知らずの趣がいい」とー。

折々は古典の世界や師の言葉に立ち返り、

これからも筒井幸子さんの詠み続けるであろう。

自然との言問いを通して言葉を紡ぐこと、

それは自らの帰る場所を知ることに他ならない。

           /遠山利子「解説」より

 

 

 

春日野に群れゐる濡れし眼のうなゐ乙女が秋をつれきぬ

 

青草の宮址の空にひばりあがり歩いても歩いてもたどり着けない

 

塩壺にしほが減りゆく毎日を塩を充たしてまた最初から

 

木枯しの夕べ空ゆく黄の蝶を見たといふ子の手をひき帰る

 

とろとろと小豆煮てゐるいちにちの箸でつまめばくづるるわたし

 

 

 

 


三平忠宏歌集『館山』

判型:四六判並製カバー装

頁数:170頁

定価:2,000円(税別)

ISBN978-4-86629-170-3

 

房総の館山生れ。ひとたびは故郷を出て、

職を終えて帰郷。

海山のまばゆい陽光。一揆もあった。

終戦間際の緊迫感も体験した。

歌を詠むことで手繰り寄せられる

忘却の時間は、かなしみの形象だ。

安房びとの心は、敬虔な伝承者のように

歴史と社会と風景に向き合う。

 

 

明治より首都防衛の要塞を築きゐしとぞ東京湾の口

 

ひとつづつ枇杷に袋を被するは百年前の安房にて始めぬ

 

雲間より抜けし冬陽は大島に溶接アークを浴びせるごとし

 

燃え尽きし柴燈の燠を丸太にて叩きならせり火渡りの道

 

海に臨み空気の澄める館山は結核患者の療養地なりき

 

 


短歌往来2020年2月号

850円(税込)

 

<目次>

 

〇巻頭作品21首

諏訪湖畔また諏訪大社/奥村晃作

 

〇特別作品33首

三月生まれの鼠/花山多佳子

初の子年を/池田はるみ

 

〇一ページエッセイ

遠い人、近い人ー先生様/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワールーいつも四人で/加藤治郎

歌の小窓からー短歌の翻訳について/田中教子

 

■評論21世紀の視座

今どきのおもしろい歌/藤島秀憲

 

【特集】

オメデトウ子年生まれの歌人

〇作品6首+エッセイ

波の音/石田照子

ひかり集めて/木原美子

獲物を探しに/冨岡悦子

暦日/城俊行

ねむの木/袴田ひとみ

土へ還す/原田治子

深呼吸せよ/本渡真木子

ねずみの狂奔/伊波瞳

三角公園/小黒世茂

第一の幸/碇博視

昨日のフリッツ・クライスラー/峰尾碧

護り神/前田えみ子

 

めでたく終はれど/亞川マス子

最後の子年/青木信

志野の湯飲み/伊野佐登

鼠草紙/寒野紗也

西空/若松喜子

短日/鷲尾三枝子

宇宙の一等地/福留サク子

子年万感/滝口節子

冬菫/松田久惠

りんご届く日/森藍火

銀鼠色の冬/岡田悠束

 

〇作品12首+エッセイ

人みな走る/松村由利子

化学を支ふ/真鍋正男

童話/横山未来子

白頭ねずみ/桑原正紀

天敵/髙島壽美江

観覧車/馬場昭徳

キャンディポケット/石川浩子

そんなもんじゃ/小塩卓哉

猫に用心/竹内由枝

川の汀/大辻隆弘

子年の歩み/村山美恵子

細き指/三井修

藪椿の赤/影山美智子

見つめゐたりき/岡崎洋次郎

あか/小川佳世子

モンタナ松/押山千恵子

後斎所街道/高木佳子

夢の台湾/福島久男

 

■新・自然を詠む・撮る・描く

過ぎゆく刻/王紅花

 

■連載ー<名画と名歌>

黄金のコンビ ソフィアローレンとマルチェロ・マストロヤンニ/丹波真人

 

■連載ー<歌・小説・日本語>

浅沼璞『途中録』の不意打ち 勝又浩

 

■連載ー世界を読み、歌を詠む

時空の旅を超えて/坂井修一

 

■連載ー再訪八木重吉

初期詩稿の森を歩く/三枝浩樹

 

■連載ー玉城徹を読む

富士と愛鷹と/恩田英明

 

■連載ー浪々残夢録

BC級戦犯の歌/持田鋼一郎

 

■連載ー時言・茫漠山日誌より

歳晩の歌/福島泰樹

 

■今月の視点

新人賞への期待/君山宇多子

 

■今月の新人ー作品5首

サプライズケーキ/山田恵子

 

■新刊歌集歌書評

篠弘歌集『司会者』/来嶋靖生

波汐國芳歌集『鳴砂の歌』/中根誠

加藤治郎歌集『混乱のひかり』/魚村晋太郎

田中拓也歌集『東京』/生沼義朗

尾崎まゆみ著『レダの靴を履いて』/加藤英彦

久々湊盈子歌集『麻裳よし』/春日いづみ

衛藤弘代歌集『窓辺の時間』/長澤ちづ

小島熱子歌集『時時淡譚』/真中朋久

田中薫歌集『土星蝕』/小島ゆかり

山下敬子歌集『星の天蓋』/森本平

小熊正明歌集『石を蹴りつつ』/山中律雄

 

■作品月評ー12月号より/大松達知

■評論月評/石川幸雄

■全国往来情報

■編集後記

 

表紙作品/「雪の日」松本秀一

本文カット/浅川洋

 

 

 

 

 


丸山順司歌集『チィと鳴きたり』

判型:四六判上製カバー装

頁数:170頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-4-86629-168-0

 

 

ものを見るとは自らのこころを見ること。

そんなつぶやきが風景の向こうから聴こえる。

悠々として自在。日常が詩となる瞬間に、

歌人はいくつものまぼろしに遭遇し言葉を吐き続ける。

 

第一歌集。

 

 

 

 

かなしきは夢に来る母 痛む膝おして夜道を帰りゆきたり

 

蜘蛛の巣にかかれる蟬のもがきつつ飛び去りしときチィと鳴きたり

 

つぶやきのごとくさざなみ光りをり夜の漁港に人影もなく

 

言ふなればちりめんじやこの一匹の気概といつたものかも知れぬ

 

午睡より醒めて抹茶を啜りをり曇れる空に虹見るごとし

 


佐佐木幸綱歌集『テオが来た日』

定価:2500円(税別)

判型:四六判上製カバー装

頁数:200頁

ISBN 978-4-86629-169-7

 

タイトルは、わが家にいる雄犬・テオに由来する。家の中で飼っていて、寝室も一緒なので、まあ家族の一員のような感じである。息子たち二人が独立して行ったので、この家にはいま人間が二人しかいない。言ってみれば、三人家族のような暮らしをしている。                                              --あとがきより

 

 

 

ウイスキーに氷を入れて振る音におやっと見上げ再びねむる

 

全力で走りきてターンするときに腰がよろめく幼きゆえに

 

今年生まれのテオが今年の百合に逢う安保法制に人さわぐ日を

 

大ぶりの百合咲きたれば花の揺れにじゃれながら雄蘂の黄に染まるなり

 

白い頭の毛が黄に染まり黄の頭ふりながらわが膝に乗り来る

 

 


「短歌往来」2020年1月号

表紙作品/「南天の実」松本秀一

本文カット/浅川 洋

定価 850円(税込)

 

<目次>

▼巻頭作品21首

餅と池/日高堯子

 

▼特別作品33首

じねぇんと/本田一弘

静かな空洞/佐伯裕子

 

▼一ページエッセイ

遠い人、近い人ースケルトンとブロンド/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワールー前衛短歌の継承/加藤治郎

うたの小窓からー短歌の翻訳について/田中教子

 

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【特集】現代うた枕 海外篇

▼特集評論

ダブルイメージとしての歌枕/小塩卓哉

フランスの地はどう短歌に詠まれてきたか/服部崇

オーストリアー鎮魂と歌枕ー/田中教子

 

▼作品+エッセイ

アリゾナへ一路/青木泰子

コチェラバレー/中條喜美子

メトロポリタン美術館/悦子ダンバー

スカイトレイン/鵜沢 梢

ロンドン塔/渡辺幸一

Winchester Cathedral/野間和子

古都タブリーズ/爲永憲司

茜雲/西田リーバウ望東子

ヴェルコール/石田郁男

舗石の坂/工藤貴響

12月のソウル/カン・ハンナ

門/小佐野 弾

里瓏の山/イスタダ・アリーマン

王宮の雨/森上美恵子

キャンベラ/小城小枝子

ボスプラス・ダーダネルス/千種創一

時空の旅BULGARIA/北久保まりこ

西貢/梅原ひろみ

マリーナ湾/大森悦子

インダス川/クリシュナ智子

tsunami/本多 稜

ウズベキスタン/栗明純生

ナーガ(蛇神)/牧 雄彦

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

▼作品7首

古墳の白鷺/前川佐重郎

二つの神/米川千嘉子

沈黙/真鍋正男

家康と塩瀬/池田はるみ

災害塵/志垣澄幸

水を飲む/木村雅子

玉の井の/藤島秀憲

ステンドグラス/中川佐和子

歌集/五十嵐順子

 

▼作品13首

街道沿い/荻本清子

現世の父/田中拓也

啄木の父/梶田順子

おもしろい/山下 翔

すずめ食堂/久保美洋子

舞い果せしか/いずみ司

姥少女/大友清子

雲の蛇口/柿本希久

ロトの妻/平石眞理

父倒る/荒井直子

 

▼作品8首

忘れ物を/永谷理一郎

辻褄/小原文子

夕暮れの香り/武田素晴

けふの一分/三輪良子

金色の鳩/北岡 晃

猫、別れ/多賀陽美

限界集落/江川孝雄

ゆめの酔ひ/宮下俊博

 

▼特別寄稿

「令和」と万葉集の時代/辰巳正明

 

▼連載

結社の顔

星雲/村松秀代

 

<歌・小説・日本語>

寺山修司と伊藤裕作/勝又 浩

 

世界を読み、歌を詠む

ハムレット/坂井修一

 

再訪八木重吉

初期詩稿の森を歩く/三枝浩樹

 

玉城徹を読む

沼津窮港/恩田英明

 

浪々残夢録

ドナルド・キーンの戦後短歌観/持田綱一郎

 

時言・茫漠山日誌より

第32歌集『亡友』出版記念コンサート/福島泰樹

 

<名画と名歌>

フランスの名花 カトリーヌ・ドヌーブ/丹波真人

 

▼今月の新人

軌道/貝澤俊一

 

▼今月の視点

何をどう詠むか/仲程喜美枝

 

▼新刊歌集歌書評

小池光歌集『梨の花』/鵜飼康東

花山多佳子歌集『鳥影』/松本典子

松村正直歌集『紫の人』/高島 裕

伊藤一彦著『歌が照らす』/吉川宏志

水原紫苑著『春日井建』/大辻隆弘

十鳥敏夫歌集『晨光』/村島典子

三井 修歌集『海抱石』/齋藤芳生

島 晃子歌集『天上の森』/永井正子

桜川冴子歌集『さくらカフェ本日開店』/川本千栄

中沢玉恵歌集『ゆずり葉』/秋山佐和子

比留間澄子歌集『家族』/岡崎洋次郎

江國 梓歌集『桜の庭に猫を集めて』/上村典子

 

▼作品月評

11月号より/大松達知

 

▼評論月評

石川幸雄

 

▼全国往来情報

 

▼編集後記

 

 

 

 

 


坪内稔典歌集『雲の寄る日』

判型:A5判変型上製カバー装

頁数:146頁

定価:2400円(税別)

ISBN978-4-86629-165-9

 

 

いつも傍らに誰かいる。河馬が、女性が、自分という他者が。そっと、やさしく、ささやきかけるように歌を詠む。真剣に。寂しくはない。底抜けに明るく楽しい、謎めいた世界の住人へ。

さあ、ひととき言葉すら忘れて、風の吹くままにまかせて歌おう。

 

 

 

ねんてんという俳人がころがってあの冬瓜になった、おそらく

 

河馬だっておしゃれなんだよころがって秋の日差しのかたまりになる

 

応仁の乱のさなかの三月の桜のつぼみ、みたいだ、あなた

 

水張ると田んぼに空がすぐ戻るそんな感じだあいつのキスは

 

草を引く老後を夢にしていたがむしろだんだん草になりたい

 

 


島崎榮一歌集『小雅』

版型:A5版上製箱入り

頁数:176頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-4-86629-164-2

 

 

円熟の第14歌集!

A5版の箱入り、タイトルが空押し加工で、とても品のあるデザインです。

 

すべてはおのずから……そうつぶやく。

身めぐりの草や花や木々を、そして鳥たちを愛でる。

はや八十代に入ったこの老いの人生に、

さまざまな生の陰影や色彩を持ち来るものたちよ。

わたしの命とは朽ちた木の葉の一枚、寒がりの尺取虫だ。

 

 

風の日のかれあしむらの中心に石ありいしは馬頭観音

 

黒ぐろと内臓透きて蝌蚪およぐ朝の水田に手を清めたり

 

戦争の日の寂しさをつれてくる夕日の赤をけふは憎みぬ

 

葉おもてにのりて暫くゆれゐしがわが感情は夕べ波打つ

 

柿落葉つもれる上に風が来て家族だんらんのごときその声

 

 

 


村田光江歌集『記憶の風景』

定価:2500円(税別)

判型:四六判上製カバー装

頁数:240頁

ISBN978-4-86629-155-0

作品はみな現実を直視し説得力がある。

歌集には忘れ得ぬ記憶のさまざまが濃密に刻記され、語り継ぐべき風景や人との関係や少女期に体験した戦争の苦しみ等が確実に残されている。影山美智子「跋」より

 

 

 モ デ ラ ―

模型製作者を名のるわが子は異星人屋根裏に棲み日暮れまで寝る

 

息子三人兵に征かせし母の肩玉音に哭きてふるえやまざり

 

少年のごとき声して征きし兄野太き声となりて帰還せし

            なりわい

いだかれて撮らるることが生業のコアラ無表情にわれを見返す

 

梅並木は桜並木に負けず美し力みなぎる枝天をつく

 

 


「短歌往来」2019年12月号

定価850円(税込)

 

<目次>

▼巻頭作品21首

流星の文字/小島ゆかり

 

▼特別作品33首

イヤーワーム/鈴木陽美

はらからの貝/田中教子

 

▼一ページエッセイ

遠い人、近い人ーひばりちゃん/島田修三

ニューウエーブ歌人メモワール㉓-前衛短歌に口語を/加藤治郎

うたの小窓からー短歌の翻訳について①/田中教子

 

▼評論21世紀の視座

「父の娘」たちへ/藤野早苗

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【特集】題詠による詩歌句の試み 17 -街ー

▼作品+小歴

主題の中で/貞久秀紀

街の灯/小池 光

生地東京都本郷疎 疎開地栃木県黒羽町 現在地東京都本郷/黒田杏子

哀鳥記/井坂洋子

電話ボックス/俵 万智

にほひ/櫂 未知子

さまよひの街のわたくしは……/野村喜和夫

鎌倉という街/大下一真

駅前広場/山西雅子

一つの街に/中本道代

坂の下、坂の上/花山多佳子

待つわ/坪内稔典

クロスワードの都市/竹田朔歩

過剰な街/松岡秀明

街/大井恒行

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▼新・自然を詠む・撮る・描く

久比岐秋景/松田愼也

 

▼作品13首

厨に想う/下村道子

径/江田浩司

風のままに/飯沼鮎子

呪文はアンパンマン/谺 佳久

針葉樹/河野小百合

影を売らうぞ/水城春房

半島の日々/植岡康子

小年/原 佳子

天国的に白いてぬぐひ/上條素山

 

▼作品8首

かすかに揺れる/冨岡悦子

そのままのうち/小石雅夫

まちゆぴちゆ/松田一美

例大祭/村田 馨

木曾路のほうば餅/関アツ子

嵐が過ぎて/関谷啓子

卒哭忌/久保庭紀恵子

マイツリー/内田いく子

ぐうぜんの花/塩川郁子

 

▼シリーズ歌人回想録ー稲葉京子

小歴/大塚寅彦

稲葉京子のうた50首抄/菊池 裕

不可思議との回路/大塚寅彦

 

▼連載

結社の顔ー未来山脈/中西まさこ

 

<歌・小説・日本語>ソープ百人一首/勝又 浩

 

世界を読み、歌を詠む

ホロメス/坂井修一

 

再訪八木重吉

沼津窮港へ/恩田英明

 

浪々残夢録

宣長理解の新境地/持田綱一郎

 

時言・茫漠山日誌より

バリケード・一九六六年二月/福島泰樹

 

<名画と名歌>

天国に結ぶ恋/丹波真人

 

▼今月の新人 新作5首

しあわせを食べた/太田 蘭

 

▼今月の視点

八年のいう時間/後藤由紀恵

 

▼新刊歌集歌書評

藤岡武雄歌集『人生の川』/冨樫榮太郎

坂井修一歌集『古酒騒乱』/山田富士郎

川野里子著『葛原妙子』/寺尾登志子

いずみ司歌集『もう一杯のスープ』/奥村晃作

福田淑子著『文学は教育を変えられるか』/依田仁美

永田 淳著『河野裕子』/恒成美代子

生沼義朗歌集『空間』/大井 学

大友清子歌集『すゑひろがり』/楠田立身

 

▼作品月評ー十月号より/大松達知

 

▼評論月評/石川幸雄

 

▼全国「往来」情報

 

▼編集後記

 

 

表紙作品/『桝』松本秀一

本文カット/浅川 洋

 

 

 

 

 


由田欣一歌集『酔生無死』

定価:2500円(税別)

判型:四六判上製カバー装

頁数:220頁

ISBN978-4-86629-160-4

 

                     お     い   ど

御居処とふ古びし言葉思ひ出す

ふつくらどしり鏡餅坐す

 

御居処とは尻のことで、女性が用いた用語という。

「おんいどころ」とも言うらしい。

老境に達した方の経験から生まれたユーモアであろうか。

 

晋樹隆彦 跋より

 

 

 

春愁のあつまり易きゐさらひの鞣してをりぬ春のふらここ

 

啓蟄の土の中より這ひ出でて出たとこ勝負の百万の虫

 

家持の国府に生れしひばりの子 弥生の空はお前のものだ

 

草まるめ鍬を洗へば遠くより馬の匂ひのたすがれが来る

 

流れくる桃を百年待つやうに酔生無死と生きてゆきたし

 

 

 

 

 

 


「短歌往来」2019年11月号

定価:850円(税込)

<目次>

 

◎巻頭作品21首

故もなく/来嶋靖生

 

◎特別作品33首

一直線に酔ふ/萩岡良博

光背/小林幸子

 

□一ページエッセイ

遠い人、近い人ー間抜けの実在/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワールー出版記念会という出発/加藤治郎

うたの小窓からー短歌と修辞の本来の関係/田中教子

 

◎評論シリーズ 21世紀の視座

『水葬物語』の生成/江畑 實

 

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【特集】ふるさとを詠う

 

◎評論

「ふるさと」の歌/田中章義

 

◎作品10首+エッセイ

益城/楠田立身

父島/井口世津子

長崎・佐世保を詠う/島内景二

残響/鶴田伊津

サラマンダー/三井 修

まひまふつぶろ/中川 昭

アカシアの岡/香山静子

茨城筑波/五所美子

わが母語琉球語/伊良部喜代子

吹田市麦酒町/黒岩剛仁歌集

春来れば行く/五十嵐順子

蜘蛛合戦/石田照子

群馬県藤岡市浄法寺/御供平佶

相馬野馬追ひ/君山宇多子

おらほの自慢/吉宗紀子

ふるさと島根をうたう/福原美江

モーリオ/大西久美子

なんのよ/久保とし子

とっぱずれ/田村広志

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

□新・自然を詠む・撮る・描く

産土の杜/藤室苑子

 

◎作品7首

揺れ/久泉迪雄

吉/宮原望子

銀の言葉/永平 緑

鴉/石井利明

ガラスペン/松本典子

雉鳩いない/木下孝一

杖と傘/小石 薫

プロントザウルス/後藤恵市

飛ぶ/有沢 螢

遠き夏の日/加藤和子

 

◎作品8首

母の車イス/水門房子

退職前夜/宮尻 修

朝がゆ葛あん/岩井幸代

トロントからモントリロールへ/秋葉雄愛

フラメンコ初ライブ/鈴木恒子

ゲルニカ/三宅徹夫

とこしへの川/髙木絢子

平和であれかし/沢木奈津子

ドア閉めて/中村雅子

秋立つ頃/大久保暁枝

 

□追悼ー橋本喜典

老いの深淵/今井恵子

 

□連載ー結社の顔

音/造酒廣秋

 

□連載ー<歌・小説・日本語>

実朝(三)/勝又 浩

 

□連載ー世界を読み、歌を詠む

選択/坂井修一

 

□連載ー玉城徹を読む

沼津移住をおもう/恩田英明

 

□連載ー再訪八木重吉

初期の詩稿の森を歩く/三枝浩樹

 

□連鎖ー浪々残夢録

本居宣長と日本近代/持田綱一郎

 

□連載ー時言・茫漠山日誌より

黄金の秋/福島泰樹

 

□連載ー<名画と名歌>

ふたりの歌人のサッチャー像/丹波真人

 

◎今月の新人ー作品5首

アイ・アム・ア・カメラ/福田真郷

 

□今月の視点

書物としての歌集について/柾木遙一郎

 

□新刊歌集歌書評

下村道子歌集『海山に聴く』/糸川雅子

古谷智子歌集『デルタ・シティー』/黒木三千代

田中教子著『斎藤茂吉』/秋葉四郎

今野寿美著『森鴎外』/丸井重孝

佐佐木頼綱著『佐佐木信綱』/加藤英彦

平石眞理歌集『ラクリモーサ』/木村雅子

原 佳子歌集『空ふたたび』/高木佳子

笹本 碧歌集『ここはたしかに』/清水あかね

知花くらら歌集『はじまりは、恋』/野口あや子

佐竹キヌ子歌集『盆地霧』/森川多佳子

 

□作品月評ー9月号より/大松達知

□評論月評/石川幸雄

□全国❛往来❜情報

□編集後記

 

 


小潟水脈歌集『時時淡譚』

定価:2500円(税抜)

判型:四六判上製カバー装

頁数:172頁

ISBN978-86629-154-3

日常は雫。滴る時間の一滴一滴。

意匠をこらさず、衒わず、事物の実相に迫る。

この歌びとがシニカルに見つめるさまざまな日常、社会。

時には歌を詠み棄てるように、あるいは歌を抱きかかえるように。

 

対岸の炎は川原に棲む人の焚く火と知りぬ橋を渡りて

 

兎ひとつ座れる形にレジ袋ベンチにありて夕暮れてゆく

 

ホール出口に向かふ横顔靴脱いで会ふことはなき人と思へり

 

酒の空き缶ゴミ出し一回分たまる実質これは恋ではないな

 

「くれなゐ」は旧仮名が好し春寒の固き口紅筆先に取る

 

 


衛藤弘代歌集『窓辺の時間』

定価:2200円(税抜)

判型:四六判並製カバー装

頁数:162頁

ISBN978-4-86629157-4

父が逝き、母が逝き、たいせつな友人たちを失った歳月。

そして、最愛の夫の昇天。子どものいない衛藤弘代さんにとって過酷な日々の連続であった。うたうことによってかろうじて自らを支えていた魂の記録の第三歌集。―恒成美代子 帯文

 

浅野川女なる川その川辺歩み行きしか泉鏡花は

 

夏の力残す西日に射抜かれて茶房セピアの窓辺の時間

 

野沢菜の花咲く畑を漕ぐように歩きてゆきけり夫よ夫よ

 

木曽奈良井鳥居峠の栃の実を並ぶる窓辺に秋の日は澄む

 

思い出づるみな青春につながるをなかんずく金沢の雪の片町

 

 

 


山下敬子歌集『星の天蓋』

判型:四六判上製カバー装

頁数:184頁

定価:2500円(税別)

ISBN978-4-86629-156-7

 

 

第二歌集!

 

わたくしが生まれてわたくしが母となる星の天蓋若草の原

 

青森の地霊が騒ぐ。歴史の時間が堰を切って流れる。

ひそやかな相聞のひびきに雪が舞い、樹木が揺らぐ。

こころを生きる、そう、歌に寄り添いながら星々の樹海へと。

 

 

 

 

クレヨンの左右に揺れて広がれる海のあをいろ子のいのち透く

 

ペンの先より水色のことばあふるるを嘘は美しくあらねばならぬ

 

辛抱づよき愛の花とふ先生の文月二十三日わがあぢさゐの忌

 

雪国の女はくらき恋をする雪女の裔のあかき唇もて

 

いのち繋ぐをとこを繋ぐ黒髪の挿頭の花となれや夕焼け

 

 


「短歌往来」2019年10月号

定価 694円(税抜)

<目次>

◎巻頭作品21首

令和元年口語諷詠/鵜飼康東

 

◎特別作品33首

寄り合いて/糸川雅子

月出帯蝕/尾崎まゆみ

 

□連載 一ページエッセイ

遠い人、近い人ー「想い出」やら「かがやき」やら/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワールー「フォルテ」創刊と批評会/加藤治郎

うたの小窓からー短歌と修辞の本来の関係/田中教子

 

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【特集】現代うた枕(続)

◎評論ー椿の地名と猿田彦をさるぐ/小黒世茂

 

◎作品5首+エッセイ

近江大橋/小潟水脈

宇治川/安森淑子

住吉大社/熊岡悠子

六甲山/中野昭子

明日香路あゆめば/萩岡良博

熊野古道と藤白神社/𦚰中範生

山上憶良歌碑/池本一郎

大蛇の川/千家統子

倉敷美観地区/小寺三喜子

似島/檜垣美保子

其中庵~洞/上村典子

眉山/山本枝里子

地中美術館/兵頭なぎさ

宇和島城/生田よしえ

櫓時計/中西敏子

英彦山/奥村秀子

吉野ヶ里歴史公園/山野吾郎

眼鏡橋/碇 博視

天草下島西海岸/塚本 諄

守江湾/阿部尚子

青島/堀越照代

桜島/森山良太

「平和の礎」/當間實光

 

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□新・自然を詠む・撮る・描く

リアスの海/山口明子

 

◎作品7首

初夏の休み/篠 弘

すでに遥けく/竹村紀年子

希望/伊藤一彦

黄金日車/齋藤芳生

われが眼に/林田恒浩

コンバイン(劇場)/時田則雄

どんぶらどんぶら/中西由起子

祈り/川田由布子

泡/丹治久惠

ヒンドゥー・クシュ/鶴見輝子

 

◎作品13首

杉原一司に逢ひにゆく/林 和清

まま/小川佳世子

赤きハンカチ/久山倫代

七人の侍/桑田靖之

一番札所/久保富紀子

等々力逍遥/岡崎洋次郎

ムンク断章/青戸紫枝

 

◎作品8首

縄文のをみな/小川恵子

切株/甲野順子

和飲/小笠原信之

生き伸びむ/森川和代

清明に/八城スナホ

まじっスか/角 明

空色の爪/畑谷隆子

神住む島と日系人/刀根卓代

 

□歌人回想録ー大滝貞一

小歴/竹安隆代

大滝貞一のうた50首抄/中村キネ 選

「奮迅」を貫いた人/竹安隆代

 

□連載ー結社の顔

表現/結城千賀子

 

□連載ー<歌・小説・日本語>

実朝断想(二)/勝又 浩

 

□連載ー世界を読み、歌を詠む

人類滅亡/坂井修一

 

□連載ー再訪八木重吉

初期詩稿の森を歩く/三枝浩樹

 

□連載ー浪々残夢録

短歌と神学/持田綱一郎

 

□連載ー時言・茫漠山日誌より

さらば、日東拳の灯よ!/福島泰樹

 

□連載ー<名画と名歌>

若く散った二輪の花/丹波真人

 

◎今月の新人ー作品5首

響きなれた喉

 

□今月の視点

外国人の短歌から/間瀬 敬

 

□新刊歌集歌書評

逸見久美著『与謝野鉄幹・晶子研究にかけた人生』/米川千嘉子

尾崎左永子著『自伝的短歌論』/木村雅子

雁部貞夫歌集『子規の旅行鞄』/千々和久幸

永田和宏著『象徴のうた』/内藤 明

黒岩剛仁歌集『野球小僧』/田村 元

江田浩司歌集『重吉』/藤原龍一郎

大口玲子歌集『ザベリオ』/梅内美華子

山口明子歌集『みちのくの空』/後藤由紀恵

高旨清美著『雨宮雅子作品鑑賞 昼顔讃歌』/久我田鶴子

松木 秀歌集『色の濃い川』/嵯峨直樹

 

□作品月評ー8月号より/大松達知

□評論月評/石川幸雄

□全国❛❛往来❜❜情報

□編集後記

 

 

 


中沢玉恵歌集『ゆずり葉』

定価:2500円(税抜)

判型:四六判上製カバー装

頁数:222頁

ISBN978-4-86659-153-6

 

歌がその本来のいのちを輝かせるのは、

さりげない日常の表層に浮かびあがってくる詩的光芒。

そのかすかな息遣いをこころに掬い取った時、

深い憂いを帯びながら、

風景の内側へと分け入っていく。

 

 

しなやかに猫またがせて塀の上のペットボトルは夕かげのなか

 

稜線のやさしくなりて裏八ヶ岳はふところに昼の雲を抱くなり

 

もうわれを呼びすてにする人なくて日本海側師走大雪

 

花を抱き降りたちしところを空広く田を焼くけむり流れていたり

 

 

 

 


小熊正明歌集『石を蹴りつつ』

定価:2500円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:176頁

ISBN978-4-86629-150-5

著者の作品は、おしなべて格調が高く、毅然としてつねに屹立している。ローマン性に富んでひろがりのある作品は、深みゆく老いをしかと見つめて揺らぐことがなく、多くの人を包み込んでくれるような温かさがある。―林田恒浩 帯文

 

雛菊はわが誕生花 ほのぼのと小さき炎のごとく生きむか

 

抱負とはなつかしき言葉を聞くものか答えんとして齡さびしむ

 

人待てばいつも降りくるさらさらとさらさらとアダモの雪が

 

国滅ぶ嘆きをうたふ杜甫の詩 覚えあり八月の炎天の夏

 

ゲルニカはピカソの怒り馬の目に大き涙を流させてなほ

 

友逝きて師もまた逝きて荒涼の野に晩秋の鵙高鳴けり

 


「短歌往来」2019年9月号

9月号 750円(税込)

 

【特集】現代うた枕

短歌が持つ土地に捧げるという役割、限られた地名を詠むという制限の奥にあった平等性など、短歌の大事な部分であらうと思いこの特集を組みました。

 

特集評論は森朝男氏と松村正直氏。そもそもうた枕とは何か、どう発生し古典の中でどう変遷をしたかを森氏に記してもらい、各地を旅されている松村氏には近現代のうた枕の特徴や詠まれ方を記していただいた。寄物陳思の一つであったとは。虚と実の部分など両氏からわかりやすく提示していただいた。

(編集後記より)

 

<目次>

■巻頭作品21首

雨がからむ/黒瀬珂瀾

 

■特別作品33首

のどぼとけ/松川洋子

ヘルンの石狐/長澤ちづ

 

■1ページエッセイ

・遠い人、近い人ー八巻先生のスーツ姿/島田修三

・ニューウェーブ歌人メモワールー銀座のソニービルにて/加藤治郎

・うたの小窓からー短歌と修辞の本来の関係/田中教子

 

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【特集】現代うた枕

■評論

和歌と歌枕/森朝男

現代に生きる歌枕/松村正直

 

■作品6首エッセイ

支笏湖/今川美幸

岩木山/中村キネ

跑を踏む/清水亞彦

交叉する場所/熊谷龍子

歌人の足跡・点描/菅原恵子

小平集落跡/小関祐子

鶴ケ城/米山髙仁

エキスポセンター/浦河奈々

日光東照宮/寺島博子

繭と黒煙/清水篤

荒川/金子正男

青稲穂/田村広志

隅田川/磯田ひさ子

塔と半島/川田茂

萬代橋/田宮朋子

記憶に雨の/平岡和代

白山/橋本忠

恐竜博物館/紺野万里

ジラゴンノ/反田たか子

小諸城址懐古園/永井秀幸

古今伝授の里/清水春美

浜松駅のピアノ/清水正人

恋路ヶ浜/岡本育与

高石垣/城俊行

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■新・自然を詠む・撮る・描く

永遠/森水晶

 

■作品7首

骨/春日真木子

虎落笛/波汐國芳

リテラシー/楠田立身

六本木けやき坂夕景/結城文

芍薬/安藤直彦

無花果/久々湊盈子

淋しくはないか/高山邦男

心象風景/冬道麻子

尊き犠牲/藤田和平

 

■連載ー結社の顔

徳島短歌/日向海砂

 

■連載ー<歌・小説・日本語>

実朝断想/勝又浩

 

■連載ー世界を読み、歌を詠む

昨日の世界/坂井修一

 

■連載ー再訪八木重吉

初めに短歌があった/三枝浩樹

 

■連載ー玉城徹を読む

一寸の思想 一寸の灰/持田綱一郎

 

■連載ー時言・茫漠山日誌より

桶本欣吾死す/福島泰樹

 

■連載ー<名画と名歌>

映画の中の戦争/丹波真人

 

■作品13首

饒舌/山中律雄

新子/矢澤靖江

沖縄/渡辺幸一

やがてどこかで/佐藤よしみ

藍染め銀河/櫟原聰

吉野山/園部みつ江

「黒猫」「ア、秋」/林あまり

大東京/上條雅通

また来ます/梅原ひろみ

梅雨冷えの/京紀子

近所の雀鷹/渡辺泰徳

序曲第3番「夏」変ニ長調/大津仁昭

後楽園/大崎安代

 

■今月の新人ー作品5首

五十二年プラン/小坂井大輔

 

■今月の視点

天狗や神婆に会えなくて/熊岡悠子

 

■新刊歌集歌書評

佐佐木幸綱著『心の花の歌人たち』/島内景ニ

三枝昻之歌集『遅速あり』/佐藤通雅

大野とくよ歌集『あしたに向きて』/白倉一民

川野里子歌集『歓待』/香川ヒサ

温井松代評論集『大岡博の人と愛』/柴田典昭

松村由利子歌集『光のアラベスク』/前田康子

金子貞雄歌集『而今の森』/三井修

中西由起子歌集『夏燕』/渡英子

山野吾郎歌集『百四本の蝋燭』/伊勢方信

久保富紀子歌集『旅行鞄』/松村由利子

 

■作品月評ー七月号より/糸川雅子

■評論月評/江田浩司

■全国‘往来‘情報

■表紙画/高山ケンタ、本文カット/浅川洋

 

 

 


いずみ司歌集『もう一杯のスープ』

判型:四六判上製カバー装

頁数:188頁 

定価:2500円(税別)

ISBN978-4-86629-148-2

短歌の世界へ出立した十八歳の少年は、すでに対象を見据える確かな目と、それを支える柔らかな感情の働きとを兼ね備えていた。

第一歌集『いちょう樹』上梓以来五十余年、ひたすら詠み継いできた日常生活の哀歓が、奥行きのある作品となって、ここにある。

                    野地安伯 帯文

 

 

蟻地獄の底へ底へと滑りつつひたすら探る上向きの岩

 

怖ず怖ずともう一杯のスープ乞うなじむ間もなき職場の昼餉

 

根府川の駅を過ぐれば静かなる夏の光に海広がれり

 

午後の陽を顔いっぱいに受けながら妻か買物下げて上り来

 

乳足りて笑まう赤子は囲まれぬ母とその母そのまた母に

 

 

 

 


田中薫歌集『土星蝕』

定価:2500円(税別)

判型:四六判上製カバー装

頁数:234頁

ISBN978-4-86629-143-7

 

画帖には二十歳の君が描きたる二十歳の私パステル褪せて

 

新木場の荒き潮を眺めをり三十年ともに生き来し人と

 

トマト赫く熟れゐる畑の道をゆく君知らざりし日には戻れず

 

 「人生」は長い時間の橋をわたって見なければ見えない。

「人生」は立ち止まることもできないし、後戻りもできない。

そんな当たり前のことを、この歌集はあらためて実感させてくれる。

「人生」を真面目に生き、「人生」を正面からうたいつづけてきた作者の歌集だからこそと納得させられる。ー佐佐木幸綱

 

 

 

永遠の動体として静止するドガの踊子にも世紀明く

 

昏い空の底なき邃さ見えてくる打上花火の華ひらくとき

 

会ひみてののちの心はいつしんに三十余年恋ひつつ憎む

 

ヘッセの指が殺めしパルテベニヒカゲ 愛執は標本の姿して

 

断捨離の初めの贄としてピアノ我が家を二百キロ軽くせり

 

 

 


島晃子歌集『天上の森』

判型:A5判上製カバー装

頁数:216頁

定価:2600円(税別)

ISBN978-4-86629-146-8

 

第二歌集!

 

社会事情や歴史的背景を踏まえつつ、そこに住む人に寄り添って

自らの肌で感じたことを自分の言葉で表現して詠う。

これからも濃やかな感受性を大切に思索しつつ行動し、

歌をふかめてゆかれるに違いない。

ー長澤ちづ「跋」より

 

 

鍾乳石のような柱が立ち並ぶ天才ガウディの天上の森

 

波荒き三月の海母の眼を背に受けつつ故郷を出づ

 

故郷の春の祭を伝へゐる画面の奥に広がる少女朝

 

みどりごの絶えずうごかすこの柔き手に握らすな銃といふもの

 

往来の音が潮騒に変はるところ此処より吾の海が始まる

 

 


大友清子歌集『すゑひろがり』

判型:四六判上製カバー装

頁数:164頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-147-5

異界の夜の眠りにつく。

若葉の揺らぎ、あるいは天地のおだやかな揺りかご。

だが、火の国の風景を人を震撼激変させた隈元自身。

毀れた、こころが砕けた。絶望、悲哀、無念、諦念。さあ、もうここから先は万象吉事、楽しいことばかり。つたない一生を、歌の力を藉りて予祝の志へ。

 

 

 

はじまりの神話のごとしこの村にテレビ来る前ありし青空

 

    おに

鬼は隠と佳き声のして亡き人の空にかけたる神の梯子は

 

 

唐突に醒めし大地掌の上の万物揺すり毀たむとする

 

 

阿蘇の上にすゑひろがりの鰯雲これよりはあれよ楽しきことの

 

                            そら

地震後の夜はたづきなく暗黒の宙の道行く地球を感ず

 

 


「短歌往来」2019年8月号

定価 750円(税込)

 

◎巻頭作品21首

日限りの紺/清田由井子

 

◎特別作品33首

椅子の上の嘴/松平盟子

神に視、点(1)/斉藤斎藤

 

■1ページエッセイ

・遠い人、近い人―訛る人々/島田修三

・ニューウェーブ歌人メモワールー『サニー・サイド・アップ』の出発ー加藤治郎

・うたの小窓からー短歌と修辞の本来の関係/田中教子

 

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【特集】再び沖縄の現在

 

◎評論

歌誌『梯梧の花』の復刊前後のこと/名嘉真恵美子

若手歌人たちの沖縄詠/伊波瞳

「沖縄」の前で立ち止まること/安里琉太

沖縄の女性歌人たち/永吉京子

 

◎作品6首+エッセイ

寄り添うという言葉の内実/平山良明

きみ知るや/新里スエ

神の眦/玉城寛子

無表情の横顔/仲程喜美枝

那覇の街/運天政德

変わりゆく故郷/伊良部喜代子

鉄砲ゆり/国吉茂子

バブルの島といわれ/伊志嶺節子

五月雨雲/伊波瞳

占領下/池原初子

一炊の夢/楚南弘子

今日の沖縄/儀間安子

今のつづき/知念さゆり

稲穂/名嘉真恵美子

タッチ・アンドゥ・ゴウ/照屋敏子

明るさが行く/屋良健一郎

四本の三つ又フォーク/當山壮大

波音/浜﨑結花

移動と卵生/安里琉太

軍用地改め那覇ジャスコ改めイオン那覇/髙良真実

夏の沖縄なんて嫌いだ/霧島絢

五月、波照間/波照間千夏

トウキョウの風/渡部敦則

 

■新・自然を詠む・撮る・描く①

辺野古叙事詩/玉城洋子

 

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◎作品13首

上階のボタン/松坂弘

神持たぬ身に/青木陽子

五月の空に/千々和久幸

呼び声/足立晶子

DNA/山科真白

虹の断片/冨樫榮太郎

蝉丸神社/鹿取未放

昼の星/竹重百合枝

左右見て/鶴岡美代子

虹/清水正人

改元の日/秋山周子

 

◎作品8首

榛名湖の初夏/武藤敏春

佐倉小車花/川上三郎

梅雨の頃/立松滋子

新疆綿/大地たかこ

はまなすの道/大滝志津江

水の輪廻/岡貴子

知るために、なお/中津正雄

高齢者運転免許返上/市川正子

変遷/重田美代子

夏の風/木原美子

時間を越えて/白川朝子

笹百合讃歌/隂山毅

 

◎今月の新人

レモン切る/伴野奈央

 

■連載ー結社の顔

響/綾部光芳

 

■連載ー<歌・小説・日本語>

小田切秀雄「『みだれ髪』論」/勝又浩

 

■連載ー世界を読み、歌を詠む

車輪の下/坂井修一

 

■連載ー再訪八木重吉

初めに短歌があった⑤/三枝浩樹

 

■連載ー玉城徹を読む

美を深く追求する/恩田英明

 

■連載ー浪々残夢録

ベトナム・仕事・恋・日本/持田綱一郎

 

■連載ー時言・茫漠山日誌より

六月の雨/福島泰樹

 

■連載ー<名画と名歌>

フランス映画の哀歓/丹波真人

 

■今月の視点

外部評価のすすめ/鵜飼康東

 

■新刊歌集歌書評

齋藤愼爾著『逸脱する批評』/加藤英彦

園部みつ江歌集『さらぬ別れ』/中根誠

梅原ひろみ歌集『開けば入る』/江戸雪

島内裕子著『樋口一葉』/佐伯裕子著光本恵子著『口語自由律短歌の人々』/遠山利子

押切寛子著『石川信夫の中国詠』/梓志乃

馬場昭徳歌集『夏の水脈』/喜多弘樹

谺佳久歌集『夢幻歌伝』/山田航

千葉聡著『90秒の別世界 短歌のとなりの物語』/大井学

吉田恭大歌集『光と私語』/大井学

 

■作品月評ー6月号より/糸川雅子

■評論月評/江田浩司

■全国‘往来‘情報

■編集後記

 

 

 


佐竹キヌ子歌集『盆地霧』

定価:2500円(税別)

判型:四六判上製カバー装

頁数:188頁

ISBN 978-4-86629-145-1

ぽつねんと置き去りにされし芋の子が秋の畑にため息を吐く

 

秋の畑に置き去りにされた<芋の子>は、すなわち作者の自画像であり、根雪の塊なのであろう。この根雪を融かし、著者を閉ざされた雪国から陽光の満ちる日向に連れ出したのは、転居した相模原での暮らしとお孫さんの存在であろう。  佐藤孝子『盆地霧』に寄せてーより

 

三人の孫の二人と駆け抜けしドラえもんに会ふ春の映画館

 

私にも甘えし親がゐたやうな前の世はただ吹雪きて見えず

 

花輪線の大館駅はつひの駅すでに行きずりの旅のさびしさ

 

誕生日に欲しいものはと子に問はれ 自由があるから歌があるから

 

公園に曲がる路肩の小さなるくぼみに昨夜の雨水ひかる

 


原佳子歌集『空ふたたび』

定価 2400円(税別)

頁数 168頁

判型 四六判上製カバー装

ISBN 978-4-86629-149-9

 

閉ざさずに言葉にのせるそれだけでわたしの空は晴れてゆくなり

 

心を閉ざすことなく言葉にしてしまうという意味でしょう。「わたしの空」というのも比喩的に使われています。あっさりと言っていますが、歌われていることはなかなか深いと思います。     帯文 岡井隆

 

 

ビル街のゼブラゾーンを渡るとき見上ぐる空は碧き十字架

 

五回に一つ止まる呼吸を呼び戻さむ子の枕辺に名を呼びつづく

 

「細胞のひとつひとつが聞いてるよ目を閉じてても声でなくても」

 

吾子が渡りきること叶わざりし道きょうもわたしは歩むほかなし

 

大き空にビードロほっぺん響かせる生まれておいでもういちど君

 


黒岩剛仁歌集『野球小僧』

定価:2500円(税別)

判型:A5判上製カバー装

頁数:166頁

ISBN 978-4-86629-142-0

第24回若山牧水賞受賞!!

 

 

野球が好きだ。ジャイアンツの長嶋が好きだ。そんな少年もいつしか還暦へとさしかかった。果敢に大組織の中で仕事に立ち向かい、仕事に暮れ、時にはやりきれない愚痴や憂さを酒に慰藉する。

だが、この歌びとは永遠に少年のままである。

 

 

語るほどに曖昧模糊となるが哀し広告志望の我の原点

 

野球小僧なりたる吾は童心に返り早めに入場したり

 

出勤の途次にイヤリング落ちており思い遂げしか昨夜の形

 

空地にて父と交ししキャッチボール何故か心に浮かび来る朝

 

悔いるべきはただ一つのみ子なきこと酒酌み交わす息子ありせば

 


「短歌往来」2019年7月号

定価 750円(税込)

 

<目次>

◎巻頭21首

浅篠原/玉井清弘

◎特別作品33首

わが町/山田富士郎

嬰児のごとし/古谷智子

1ページエッセイ

遠い人、近い人ーゴリラ話/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワールー第一歌集出版まで/加藤治郎

うたの小窓からー短歌と修辞の本来の関係/田中教子

 

〔特集〕菱川善夫の批評と精神(生誕90年)

◎評論

<美と思想>の文学史家・菱川善夫/田中 綾

<美と思想>という剣/藤原龍一郎

これからの「前衛」/森井マスミ

抵抗の方位/加藤英彦

批評家菱川善夫の死角/阿木津英

求心と遠心の反作用の磁場/武藤雅治

現代短歌研究会のこと/中西亮太

本物の批評家/加古 陽

天才/高橋 愁

後期・菱川批評からの問ひ/黒岩 康

あの懐かしい日々/西勝洋一

◎回想歌十首

極北の人/福島泰樹

 

■作品7首

胡桃の実/吉村睦人

日溜り/森山晴美

迷ふ内のもの/大河原惇行

クロールしながら/小林峯夫

どくだみ/河野美砂子

雪の音/飛髙 敬

ああ皐月/中地俊夫

歌集/安藤菫

まごうた/平山公一

一枚の絵/山本雪子

木の椅子/小橋芙沙世

 

■作品13首

春は来たれど/山本司

白牡丹/影山美智子

緑夜/魚村晋太郎

甘くなる春/貝沼正子

過ぎ去りし日々/三本松幸紀

ローズ・ガーデン/間佐紀子

夕日図書館/桜井健司

夏の砂/水井万里子

風吹く/岩井久美子

残日/水本光

 

■作品8首

総攬候え/依田仁美

欅の下/乾 醇子

八年目のフクシマ/那須愛子

雪は降りつぐ/柏原宗一

春闌く/三橋たまき

旅行時計/豊岡裕一郎

真っ直ぐに/藤田絹子

みどりの裸身/角 広子

スクーリング/村山 伀

掌を繋ぐ/富澤文子

宿命/岡田真明

花冷え/大関法子

 

■連載ー世界を読み、歌を詠む

松山/坂井修一

■連載ー時言・茫漠山日誌より

荒野の歌/福島泰樹

■連載ー<名画と名歌>

黒澤明の映画

■今月の視点

空中競詠への視点/山田吉郎

■今月の新人

夕焼けの香り/菅野晴彦

■新刊歌集歌書

馬場あき子著『与謝野晶子論』/沢口芙美

吉川宏志歌集『石蓮花』/今井恵子

今野寿美著『森鴎外』/松平盟子

青木陽子歌集『結界いづこ』/春日いづみ

山科真白歌集『鏡像』/尾崎まゆみ

山﨑暁子歌集『画布』/甲地玄英

竹重百合枝歌集『こぼれまゆ』/牛山ゆう子

『木俣修読本』/酒井佐忠

■作品月評ー5月号より/糸川雅子

■評論月評/江田浩司

■全国「往来」情報

■編集後記

 

 

 

■連載ー結社の顔

草笛/桑田靖之

■連載ー<歌・小説・日本語>

『万葉の伝統』をめぐって/勝又浩

■連載ー再訪八木重吉

初めに短歌があった/三枝浩樹

■連載ー玉城徹を読む

ドン・キホーテ型/恩田英明

■連載ー浪々残夢録

女流歌人の歌集五冊を読む/持田綱一郎

 

 


笹本碧歌集『ここはたしかに』

定価:1800円(税別)

版型:四六判並製カバー装

頁数:114頁

ISBN 978-4-86629-151-2

 

進化論は地球でいちばん大きな樹その枝先に今日も目覚める

 

人間の生命の向こうには地球があり、その向こうには宇宙が広がっている。否、向こうにあるのではない。地球上の生命体の細胞から天体の運行まで、それらは互いに関連しつつ不断の運動をつづけているのである。広く深いパースフェクティヴに立って自身の生命を見つめる斬新な歌集。     

 

細胞の一つ一つに約束が組み込まれている 耳をすませる

 

この秋の裏側に春あるというあらゆる命は天秤の上

 

ほぐれくる樫の枝先いのちとは直線でなくでこぼこなのだ

 

                     佐佐木幸綱

 


山口明子歌集『みちのくの空』

判型:四六判上製カバー装

頁数:200頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-138-3

震災も恋も子の障害も、

ひるまぬ闘志を持って詠まれている。

ここで歌う、ここを歌う、ここから歌う・・・

その胆力は、みちのくの雪のようだ。

 

俵万智ー帯文

 

 

『みちのくの空』より5首

 

岩手山は白を激しき色としてみちのくの空占めてかがよふ

 

野生化せし浪江の牛ら飼ひ主を待つごと待たぬごとくさまよふ

 

をりをりに我にさからふ少年の面の確かさ速さ鋭さ

 

月一輪凍湖一輪響き合ひましづかに鳴る冬の音楽

 

スポットライト当てる君にも隙間より夕べのほそき光来てをり

 

 

 


「短歌往来」2019年6月号

6月号 750円(税込)

ご注文は電話、FAX、メールで承っております。

 

<目次>

□今月の視点 

時代の危機的状況の中で/ 玉城洋子
□巻頭21首  

蜘蛛/坂井修一

□1ページエッセイ  

◎遠い人、近い人ー正しいおばあちゃん/島田修三
◎ニューウェーブ歌人メモワール―俵万智との出会い/加藤治郎
◎うたの小窓から/田中教子

□今月の新人

春のプール/中武萌


□特別33首

如何なる花束にも無き花を/ 水原紫苑

朝のシロサイ/坪内稔典


□評論21世紀への視座  

前川佐美雄「きらきら光る山から飛べり」/中井龍彦
 

 

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<特集>
第17回 前川佐美雄賞発表
第27回 ながらみ書房出版賞発表


 〇受賞の言葉 
 〇前川佐美雄賞受賞作

『六六魚』50首抄/小島ゆかり
〇ながらみ書房出版賞受賞作

『スピーチ・バルーン』 25首抄/ 鈴木陽美

『覚醒の暗指』抄出/田中教子
 
 〇選考を終えて

 佐佐木幸綱
 三枝たかゆき  
 佐々木幹郎
 加藤治郎
 俵万智

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□作品7首  

さざなみ/時田則雄

雲/香川ヒサ
夜の薔薇/温井松代
桜と憶良/武田弘之

くれなゐ/松永智子

嚔/田野陽
失ふ/黒木三千代
兄妹/大辻隆弘
アカミチ/大松達知
木々の花/大橋栄一

歳月/大和田孝子
  
□作品13首  

仕事ぢやない/岩崎聰之介

むかしのこえに/桂塁
花束/永守恭子
ブラウン管のディスプレイ/ 吉田淳美
雲を見たんだ/吉野裕之
街路樹/細溝洋子  
長歌行/大井学

つばき苑/高旨清美
故郷/ 丸山三枝子
〇へ近づく/大谷ゆかり

パレード/ 千葉聡

春風の舞ふ/京紀子

夢あはせ/田中律子
  
□作品8首 

落花繚乱/ 内野潤子
今日の春風/井谷まさみち
渋谷川/内田いく子
屋敷林/池田晴子
江田島にて/西田郁人
とおき夏/村山千栄子
津軽天皇山/山下敬子
春の華やぎ/小熊正明
幽明/平井さなえ
瘡蓋/佐藤成晃
「向日葵図」/石井幸子
人倫を敦くし、宴に和す/寺井淳
連載 結社の顔 からたち
  
□連載  

<歌・小説・日本語>

小田切秀男の「歌の条件」/勝又浩

<再訪八木重吉>

初めに短歌があった/ 三枝浩樹
 <玉城徹を読む>

火をおぶる唇/ 恩田英明

<浪々残夢録>新元号「令和」をめぐって/持田綱一郎

<時言・茫漠山日誌より>

草露の歌/福島泰樹
<名画と名歌>

寅さんの映画/丹波真人

 

□新刊歌集歌書評
奥村晃作歌集「ハナーの春」/沖ななも
 中根誠歌集「秋のモテット」/桑原正紀
 村尾誠一著「會津八一」/山田富士郎
 湯沢千代歌集「晴農」/中西洋子
 一ノ関忠人歌集「木ノ葉揺落」/ 佐々木六戈
 間佐紀子歌集「海の見える家」/長澤ちづ
 岩井久美子歌集「峠の歌」/上村典子
 東直子・穂村弘著「しびれる短歌」/富田睦子
 松澤俊二著「プロレタリア短歌」/小石雅夫
利根川発歌集「冬の蒼穹」/久保田登 
 吉岡太朗歌集「世界樹の素描」/佐佐木定綱
 井上さな江遺歌集「風なきに」/中山洋佑

 

□作品月評 「4月号より」/糸川雅子

□評論月評/江田浩司

□全国「往来」情報

□編集後記

 

表紙画/高山ケンタ 本文カット/浅川洋


中西由起子歌集『夏燕』

判型:四六判上製カバー装

頁数:180頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-140-6

《現代女性歌人叢書 21》

 

光まばゆい海の砂浜。

やわらかく起伏した土手道。

都市の喧騒のなかのしじま。

そんな場所にひっそりと置き忘れた歌があった。

 

さびしい心に似つかわしいのは

透明な響きだ。

 

『夏燕』より5首

やわらかな曙やさしき夕茜 天は静かな姉妹を生みぬ

 

枝の間に青き空見えさびしさの芯となりゆく花の老木

 

夏燕ひとたび行けばもう来ずと思う駅舎を低く飛びおり

 

たぶんどこかで繋がりおらん心臓とトマト畑の鋏

の音と

 

落武者のわれかもしれず遠望の城が小さな鳥影となる

 

 


谺 佳久歌集『夢幻歌伝』

判型:A5判変型上製カバー装

頁数:166頁

定価:2300円(税別

ISBN 978-4-86629-137-6

 

第一印象は、やはり処女歌集の「全力投球」「啄木調」が貫かれているということだ。

狂気の「赤」、赤貧の「赤」。

その「赤」の世界から、どん底から再び這い上がって、次のステップを踏み出そうとしている。

 

村田道夫「解説」より

 

 

 

『夢幻歌伝』より3首

 

たまらなく君に逢いたきこの夕べ激しき色のネクタイ結ぶ

 

月曜の朝はキキキキ泣く子なり センセイがやだ! ピーマンがやだ!

 

曼殊沙華燃ゆる野広し気がつけば失職の身を染められていた

 

 

 

 

 

 


佐佐木幸綱論集『心の花の歌人たち』

判型:四六判並製カバー装

頁数:276頁

定価:2300円(税別)

ISBN 978-4-86629-136-9

 

竹柏会「心の花」

創刊百二十周年記念事業

佐佐木幸綱序文・跋文・解説

 

八〇年代から四十年近く、多くの歌集の解説を書いてきた。

「心の花」という結社の仲間がすぐれた歌集を多く世に問い、その現場に私がいあわせたことの幸せを改めて感じる。(あとがき より)

 

広く深く おのがじしに 詠う!

 

石川一成・竹山広・築地正子・保坂耕人・晋樹隆彦・俵万智・宇都宮とよ・谷岡亜紀・大野道夫・大口玲子・横山未来子・田中拓也・鶴見和子・黒岩剛仁・小川真理子・矢部雅之・奥田亡羊・坂口弘・藤島秀憲・駒田晶子・齋藤佐知子・山口明子・片山廣子・橘糸重・佐佐木信綱

 


「短歌往来」2019年5月号

定価750円(税込)

ご注文は、メール、お電話などで承っております。

03-3234-2926

info@nagaramishobou.co.jp

 

 

<目次>

 

◎巻頭作品21首

仰光の土/高島裕

 

◎特別作品33首

しょっぱいわたし/駒田晶子

春の呪文/後藤由紀恵

 

◎1ページエッセイ

遠い人、近い人―ショーケン/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワール―もっとポピュラーに/加藤治郎

うたの小窓から―短歌と修辞の本来の関係/田中教子

 

◎評論21世紀の視座

「解釈」に求められる(べき)一貫性/中島裕介

 

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【特集】命みなぎる春のうた

◎新作10首+エッセイ

鯱になりしや/伊勢方信

スプリング・エフェメラル/田宮朋子

山は雪/真中朋久

スタッカート/小塩卓哉

桜と風/佐藤恵子

惜しみなく咲く/村松清風

春夜/平林静代

サバイバー/川本千栄

「旅立ちの日に」を歌はう/丸井重孝

蚤の市/服部崇

モロッコ豆/中西敏子

速度を落とす/田中徹尾

春の夜の/柳澤美晴

白木綿の母/久葉堯

春いくたび/和田沙都子

就活と卒論/森尻理恵

早春の風/野田恵美子

春菜/藤田冴

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◎作品7首

春の翼/前川佐重郎

西方浄土のありや/結城文

貴志子先生の生家/山村泰彦

朝月/荻本清子

陪聴/古屋正作

朝日子/春日いづみ

凡骨な人/外塚喬

五十年/小野雅子

キッチュ/藤原龍一郎

遠山は雪/今川美幸

琥珀/近藤順子

 

◎作品8首

ボヘミアン・ラプソディー/米山髙仁

開府五百年/中沢玉恵

時間の帯/北岡晃

波照間島/高橋美香子

Mさんの旅の写真展/諏訪兼位

墓参り/山田悦子

腕/天野匠

憤りかなしむ/大建雄志郎

緑/小野澤繁雄

絶筆/兼平一子

合評会/河村沓平

 

◎シリーズ歌人回送録―宮地伸一

小歴/雁部貞夫

宮地伸一のうた60首抄/實藤恒子

心わき立つ/雁部貞夫

 

◎追悼―小紋潤

小紋よ―永田和宏

 

◎連載―結社の顔

作風/金子貞雄

 

◎連載―<歌・小説・日本語>

第二芸術論時代/勝又浩

 

◎連載―世界をお読み、歌を読む 

ノルマントの死者/坂井修一

 

◎連載-再訪八木重吉

始めに短歌があった②/三枝浩浩樹

 

◎連載ー玉城徹を読む

フィクション/恩田英明

 

◎連載ー浪々残夢録

良寛と永安寺過去帳/持田綱一郎

 

◎連載ー<名画と名歌>

映画のワキ役/丹波真人

 

◎今月の視点

高校「国語」の科目再編/さいかち真

 

◎今月の新人ー作品5首

内緒で君と/原ナオ

 

◎新刊歌集歌書評

永田和宏歌集『某月某日』/恒成美代子

楠見朋彦著『前川佐美雄』/後藤恵市

村松正直著『戦争の歌』/大井学

大辻隆弘著『佐藤佐太郎』/鵜飼康東

薮内亮輔『海蛇と珊瑚』/本田一弘

北神照美歌集『ひかる水』/遠藤由季

小林さやか歌集『ここらかの水平線』/生沼義朗

山内頌子歌集『シロツメクサを探すだろうに』/田村元

 

◎作品月評ー三月号より/糸川雅子

◎評論月評ー江田浩司

◎全国‘‘往来‘‘情報

◎編集後記

 

表紙画:高山ケンタ

本文カット:浅川洋

 


梅原ひろみ歌集『開けば入る』

判型:四六判上製カバー装

頁数:232頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-113-0

梅原ひろみ第一歌集。

 

バイクの海泳ぐがごとし午後五時の車のなかに眼つむれば

 

見渡せばとほく雨呼ぶ雲のありドンコイ通りを吹き上がる風

 

出張の上司と新人タム君とわれはダナンに蟹を割りをり

 

ベトナム戦争後三十余年を経たサイゴンに日本の工具販売会社の駐在員として赴任、八年を過ごした作者の自在な現地詠が新鮮である。

ベトナムの太陽、風邪そしてスコール、さらにはバイクに埋まる街の喧騒。そんな中で、精力的に仕事をこなしながら、自分を励ましつつ研ぎあげてゆく旺盛な好奇心が見どころである。

帯文ー佐佐木幸綱

 

 

 『開けば入る』より5首

誇り高き男が茶店に切り出せる三月の返済繰り延べ依頼

 

この人の行き詰まりたる一因の我が怠慢が点滅しをり

 

激しつつ我に説かむと産卵する海亀のやうな顔となりたり

 

「信じる」といふ語を最近よく使ふ金勘定にもつとも似合ふ

 

始末書など何枚でも書くと思ひおをり本気で生きてをらぬ証拠か

 

 


久保富紀子歌集『旅行鞄』

判型:四六判上製カバー装

頁数:188頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-130-7

土産わたして軽くなりたる旅行鞄に見えざるものを詰めて帰りぬ

 

久保富紀子さんは秋田県の出身で、今は宮崎に住む。秋田と宮崎の間をよく往復されるが、国内はもとより海外への旅の経験も豊富である。

その旅のまなざしを日常生活にも鋭くむけているところがさすが「旅行鞄」の歌人である。

 

時刻表通りに電車の来ることに慣れすぎて駅よ淋しくないか

 

 伊藤一彦 帯文

 

 

 

 

『旅行鞄』より5首

 

旅行とは鞄に夢を詰めること温めていた「いつか」を孵し

 

青空にどの子の夢も押し上げて冬のブランコ錆びた呼吸す

 

冷蔵庫を開ける一瞬ぴたり止む庫内の会話 われは拒まれて

 

カシオペアと名づけてヒトが繋ぐ星五つは永遠になかまと知らず

 

死を悟るこころ置く夜の長からむピーターパンのもう来ない窓

 

 

 

 

 


「短歌往来」2019年4月号

定価750円(税込)

ご注文は、メール、お電話などで承っております。

03-3234-2926

info@nagaramishobou.co.jp

 

<目次>

◎巻頭作品21首
残 日/秋葉四郎

◎特別作品33首
天 敵/今野寿美
ジューシーおにぎり/ 渡 英子

■一ページエッセイ
遠い人、近い人㉘―などてすめろぎは/島田修三
ニューウェーブ歌人メモワール⑮―マガジンをまるめて歩く/加藤治郎
うたの小窓から⑯―短歌と修辞の本来の関係 /田中教子

■評論 世紀の視座170  
 学生アルバイト短歌二〇一八/田中 綾

 

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[特集]ハード・ワーキングをうたう Ⅷ

◎作品8首+エッセイ
紅葉の盛り/林 宏匡
雪解けを待つ/月丘ナイル
キャップ/岩内敏行
俳優といういきもの/矢代朝子
シャボン玉/立花正人
農業高校/森垣 岳
眠る嬰児/島本太香子
風船バレー/中山洋祐
扉/伊藤美知子
おっかなびっくり/重吉知美
牛飼いの性/斎藤和子

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◎作品7首
午後の時間帯/百々登美子
負け残り/千々和久幸
半顔の月/清田由井子
無縁馬鹿/佐藤通雅
現世の家/王 紅花
わが椅子/足立敏彦
平成の歳暮/新里スエ
人は冷ややか/髙安 勇
相撲取草/小島熱子
美の姿と/間瀬 敬

◎作品13首
眼 圧/御供平佶
白 砂/三井 修
脳性まひの還暦/森川多佳子
歳晩雑歌/柳 宣宏
艶 陽/廣庭由利子
アウグストゥス/佐々木六戈
父への手紙/長谷川と茂古
よみがへり来よ/小潟水脈
昭和を抱く/塚田キヌエ
鳴動のとき/城 俊行
友を偲ぶ/岡部修平
真正面/大森静佳
春のレプリカ/大西久美子

◎作品8首
網掛橋/石田照子
こゑ眩し/本渡真木子
わが愛すべき小歌誌よ/佐藤和夫
はるうらら/安森淑子
蒼を深めて/秋葉静枝
里の児/梅本武義
冬の星/下村すみよ
祈り/島内美代
ウォーキング・フォーラム/今枝敬昌
アイスタイム/上條素山
梅と海/石原美智子
椋鳥のノイズ/松岡拓司
またも夜想曲/岡本瑤子
まぼろしの塔/飛鳥游美

■連載―〈歌・小説・日本語〉㉔
久保田正文の短歌/勝又浩

■連載―世界を読み、歌を詠む㉒
魔 術/坂井修一

■新連載―再訪八木重吉①
初めに短歌があった/三枝浩樹

■新連載―玉城徹を読む①
チャップリン/恩田英明

■連載―浪々残夢録
アシジの聖フランシスコと良寛/持田鋼一郎

■連載―時言・茫漠山日誌より
高森文夫「友情の歌」/福島泰樹

■今月の視点
開かれた短歌の世界を/渡辺泰徳

■連載―〈名画と名歌〉⑧
ちゃんばら映画の世界/丹波真人

■今月の新人―作品5首 
修学旅行/中屋朝陽

■新刊歌集歌書評
高野公彦著『明月記を読む 上・下』/日高堯子
福島泰樹歌集『うたで描くエポック 大正行進曲』/東 直子
上野 誠著『折口信夫的思考』/一ノ関忠人
吉村睦人歌集『?梅の花』/大河原惇行
井上美地歌集『残照』/楠田立身
三井ゆき歌集『池にある石』/永井正子
上村典子著『うた読む窓辺、うた待つ海辺』/藤島秀憲
川﨑勝信歌集『天人』/秋山佐和子
佐古良男歌集『念彼猫力』/村島典子
花山周子歌集『林立』/奥田亡羊

■作品月評ー二月号より/糸川雅子
■評論月評/江田浩司
■全国〝往来〟情報
■編集後記


表紙画/高山ケンタ
本文カット/浅川 洋


山﨑暁子歌集『画布』

判型:46判上製カバー装

頁数:192頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-135-2


 著者は書家としてその半生を歩まれ、また短歌へのあこがれをも捨てることなく現在に至っている。

 特に書の世界では仮名文字と歌の作品が互いに融合し、その優麗さを保ち芸術作品として完成される。

 歌集の内容は静かで自己を見詰める歌と、旅への想いが綴られている。              帯文 三本松幸紀 氏

 

 

 

『画布』より5首

 

夜毎いでて遊びたまふかみ仏のみ足に沙のうすく置きゐる

 

秋となり日のやはらかさみづからのわが影ふみて坂道くだる

 

雨ののち遍路の列ゆれゆけば水かげろふのごときはかなさ

 

紫のおのれの影のつめたさをいだけるままにゆるるかたかご

 

帰り来て月夜なれば思ふなり窟の飛天のいでて舞ふころ


竹重百合枝歌集『こぼれまゆ』

判型:四六判上製カバー装

頁数:226頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-4-86629-136-8

上州富岡の地。

養蚕と紬織りの伝統美をひそやかに守りぬいてきた人生。

こぼれまゆ──形状や色で出荷されない繭をそう名付けた。

この世から落ちこぼれ、はぐれていくものにこそ

本物のいのちの聖性を見る。

 

『こぼれまゆ』より5首

創ありてかがやくいのちこぼれまゆこの星須臾のひかりつむがむ

 

浅間嶺の火山灰地に桑植ゑて蚕(こ)飼ひ生ききぬかみつけ人は

 

桜染め重ね染め昏れ夜の胸にさくら匂ふ手抱きて眠る

 

子午線ゆ注がるる乳を享くるごと空仰ぐとき人は口開く

 

織り終へてまた絲紬ぐ繰りごとの果てに透きゆくいのちなるべし


山科真白歌集『鏡像』

判型:四六判上製カバー装

定価:2500円(税別)

頁数:200頁

ISBN978-4-86629-106-2

鏡像にいつはりなきや吾の奥の永久(とは)に触れよとかひなを伸ばす

 

読みだしてすぐ、眩しい作品集だなと思った。

作者の保持する外界世界が、まことに多彩で明るいのである。

そしてその輝きが、実は作者の貪欲な生への希求の反映であり、読む者にも共有可能なのだと悟まで、時間はかからなかった。【帯文・眉村卓】

 

 

 

『鏡像』より5首

 

鋭角を拒みて波が洗ひたるみづいろ硝子は水に揺れつつ

 

たはやすくさやれぬもののおほかりき浮世のなかの禁忌を数ふ

 

天空に星のあふるる秋の夜インド象ズゼ身籠りてをり

 

美しく冬のあとがきなぞるごと梅はるるると咲き初めにけり

 

横にゐるあなたがなぜか笑ふからわたしも笑つてゐる秋日和

 


2019年「短歌往来」3月号

短歌往来3月号 750円(税込)

ご注文の際は、メール・お電話にて承っております。

 

目次

 

■巻頭作品21首
さあんげ・さんげ/杜澤光一郎

■特別作品33首
鐘をならせ/加藤英彦
りんねの森/ 尾﨑朗子

■1ページエッセイ
遠い人、近い人?ー溜飲が下がる/島田修三
ニューウェーブ歌人メモワール⑭ーライト・ヴァースを巡って/加藤治郎
うたの小窓から⑮ー短歌と修辞の本来の関係 9/田中教子


■評論 21世紀の視座
桜の冥府へ/小黒世茂

 

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[特集] 50人に聞く 2018年ベスト歌集・歌書


質問 ① 2018年に刊行された優れた歌集歌書を3冊あげ、秀歌2首または優れ       

    た点を挙げて下さい。
   ② 歌集歌書、あるいは2018年の収穫についてコメントしてください。

 

〇回答者
沢口芙美   香川ヒサ   中根誠    鈴木竹志   安田純生
松坂弘    熊岡悠子   玉城洋子   野地安伯   鶴岡美代子
楠田立身   甲村秀雄   菊池裕    中野昭子   飛髙敬
疋田和男   廣庭由利子  松谷東一郎  小野雅子   五十嵐順子
梓志乃    大西久美子  小島熱子   佐藤恵子   日野きく
中村節子   森藍火    鶴見輝子   大塚健    吉沢あけみ
丸山三枝子  間瀬敬    三本松幸紀  沢井照江   湯沢千代
藤森あゆ美  小石雅夫   岡崎洋次郎  佐波洋子   池本一郎
桜井美保子  鈴木英子   浜口美知子  小見山泉   御供平佶
田村元    小塩卓哉   三枝むつみ  奥田亡羊   森本平

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■作品八首
霜の朝/藤岡武雄
声/蒔田さくら子
漱石・ものにならず/金子貞雄
家康も/永田典子
紅旗征戎吾事ニ非ズ/田村広志
姉川河口/阿木津 英
傍若無人/久保田 登
絡み合ひ降る/佐田公子
正月まで/造酒廣秋
楓 橋/小柳素子
冬晴れまで/釜田初音

■作品十三首
海を往く/木村雅子
たまゆら/鵜飼康東
夜のリボン/東 直子
尺 蠖/小笠原和幸
欧州旗/梶田順子
草の実/小林信也
すみれ色の富士/竹内由枝

■作品八首
ころぶな/塚本 敞
冬の時計/氷室敬子
スポーツオアシス/上田 明
残されし日日/久保田壽子
雪 国/山田太一
AIの時代/榎本光子
歌碑顕彰の集ひ/大芝 貫
包 丁/小村井敏子
辺野古/小木 宏
平成終わり/長谷川紫穂
淡路島/安井はる子

■シリーズ歌人回想録―田島邦彦
小歴/石川幸雄 編
田島邦彦のうた   首抄/石川幸雄 選
孤高であれと声のする/福島久男

■連載―結社の顔
ヤママユ/萩岡良博

■連載―〈歌・小説・日本語〉
及川隆彦『編集者の短歌史』のこと/勝又浩

■連載―世界を読み、歌を詠む
玉 砕/坂井修一

■連載―若い短歌作者へ 茂吉からの手紙 |最終回
次男宗吉・北杜夫への父性愛 ④/秋葉四郎

■連載―最終回
メロディアの笛Ⅱ/渡英子

■連載―浪々残夢録
西行と慈円/持田鋼一郎

■連載―時言・茫漠山日誌より
赤色―sekisyoku/福島泰樹

■連載―〈名画と名歌〉
フランス映画の香り/丹波真人

■今月の視点
泥臭さを忘れていないか/加古 陽

■今月の新人―作品5首 
地上の痕跡/小田切拓

■新刊歌集歌書評
馬場あき子歌集『あさげゆふげ』/花山多佳子
『稲葉京子全歌集』/香川ヒサ
米川千嘉子歌集『牡丹の伯母』/三枝浩樹
日高堯子歌集『空目の秋』/佐伯裕子
小林幸子歌集『六本辻』/梅内美華子
谷岡亜紀著『言葉の位相』/加藤孝男
島内景二著『竹山広』/馬場昭徳
塚田キヌエ歌集『西行つれて』/長澤ちづ
本阿弥秀雄歌集『梛の木なぎの実』/伊勢方信

■作品月評 11月号より/糸川雅子
■評論月評/江田浩司
■全国〝往来〟情報
■編集後記

表紙画/高山ケンタ
本文カット/浅川 洋


今月のスポット(2019年短歌往来2月号より)

 

◇今月のスポット◇

 

伊藤一彦編『老いて歌おう 全国版 第17集(心豊かに歌うふれあい短歌集)』(鉱脈社・1994円)

 

 

 老いるとはどういうことか。苦しみなのか、安らぎなのか、人それぞれながら現代日本の社会を大きく揺さぶっている難題でもある。「心豊かに歌う ふれあい短歌集」として、刊行以来17年目を迎える。宮崎から始まったこの歌の集いも、全国、いや台湾、ブラジルまで広がりをみせている。ここまで大きく発展してきた理由を選者の伊藤一彦は「何より全国四十七都道府県および海外から熱心に寄せられる作品の多さ、そしてその作品のもたらす感動によるものと思います」と記している。とりわけ100歳以上の応募者が18名(2018年)もいるという驚きと喜びである。

 

 

  助さんや格さんばかりが活躍の映画眺めて暮らすのどけさ 

                木本三郎(103歳 長崎県)

 

  明日死ぬ明日は死ぬと思うけどこげんされるとなかなか死ねん                     

                大保文枝(103歳 宮崎県)

 

 

一世紀を生ききって、なおこれだけ歌を詠める、その底力という定型のもつ

生命力の屈強さに脱帽する。受賞作品は、高齢者の歌では「今を生きる」

「自分を見つめて」「感謝のこころ」など。また、介護者の歌も同時に掲載

されている。応募数2119人、応募歌数3569首に及ぶ。圧巻である。

 

 

  百歳の母とふたりで車椅子なさけないのか幸せなのか 

                村方シヅ子(84歳 宮崎県)

 

  人生ってこんなものだと今朝思う生きるも死ぬもどちらも希望 

                五木田恵子(94歳 千葉県)

 

  丸三年「ベッド」に伏せる吾が妻に添ひて寝たしと思ふことあり 

                 平澤英一(95歳 新潟県)

 

 

しみじみとしてこころに沁みる。生きる日のかなしみとよろこびが素直に衒

いなく詠まれている。人生がいっぱい詰まっているはずなのに風姿は軽やか

だ。歌とはつくづく不思議な器である。

 

 

  ピカドンを見たと言う義母の口癖は「殺し合う戦争は絶対にダメ!」               

                    藤林正則(64歳 北海道)

 

  「あんたな、また私に会いに来てな」実習の日の最後の言葉  

                    高田麻帆(19歳 岡山県)

 

 

 介護する側から詠んだ歌、二首目は学生の部より。いずれは、筆者もこの

大きな歌の輪の仲間入りになることができるだろうか。野心なく、純粋に。         

                               (ひ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


岩井久美子歌集『峠のうた』

ISBN 978-4-86629-131-4

定価 2500円(税別)

版型 46判上製カバー装

頁数 192頁

本当の人生は生活の中にある。

本当のドラマは静けさの中にある。

家族との、自然との、触れ合いから浮かび上がる、

優しさか、温もりか、

それとも生きることの悲しみ。

過去と未来のあわいの峠より、

今見晴るかす風景・・・

 

『峠のうた』より5首

しらぬまに子らはどこかへ消えてゆき扇風機のまわっている部屋

 

ことななく雪の峠を越える夜道も谷もひといろに白

 

池の面のかすかなさざなみ冷たさがはりついているこの冬の朝

 

夏空の建設現場に人がいない 赤い小旗がはためいている

 

ひぐらしの鳴きたてる声ふと途切れ門に二つの迎え火を焚く

 

 


間佐紀子歌集『海の見える家』

判型:四六判上製カバー装

頁数:188頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-129-1

 

記憶は美しくまばゆいばかりではない。

静かに群青のおだやかな海を眺めながら思う。

歌は、この世に生かされているわたしに

かけがえのない豊かなものをもたらしてくれた。

 

 

『海の見える家』より5首

 

海からの山からの風吹きぬけて夕顔の咲くふるさとの家

 

終戦の日手をひきくれし電車道ひとり歩めり母はゐなくて

 

「潮音」の創刊号なり大正四年晶子も茂吉もありて親しむ

 

締切がなければ我に著者なしと言はれし恩師の言葉かみしむ

 

鍋料理湯気のむかうに亡き夫の笑顔がふいに浮かびて消えぬ

 


「短歌往来」2019年2月号

 

「短歌往来」750円(税込)

ご注文は、お電話、メール等で承っております。

 

 2月号目次

 

■巻頭作品21

 

処女の泉/小池 光

 

 

 

■一ページエッセイ

 

◎遠い人、近い人㉖―あら、兄さん/島田修三

 

◎ニューウェーブ歌人メモワール⑬―穂村弘との出会い/加藤治郎

 

◎うたの小窓から⑭―短歌と修辞の本来の関係/田中教子

 

 

 

■特別作品33

 

奇妙な家/阪森郁代

 

亥年ノ記/ 田中拓也

 

 

 

■評論21世紀の視座

 

 春日井建の〝失われた時〟とはなにか/彦坂美喜子

 

 

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[特集]オメデトウ いのしし年生れの歌人

 

 

 

 ◎作品六首+エッセイ

 

 知ってしまえり/山野吾郎

 

 うりずん日和/国吉茂子 

 

 葉牡丹/中山洋祐

 

 川あれば/小石 薫

 

 頭 塔/藤川弘子

 

 この星の生き物/斉藤真伸

 

 うりんこの仲間/間 ルリ

 

 冬の庭/さいかち真

 

 ベビーブーム/石井みどり

 

 冬に咲く花/江副壬曳子

 

 

 

 ◎作品十二首+エッセイ

 

 猪の長寝/安田純生

 

 雪と鱈/川野里子

 

 草 原/島崎榮一

 

 居場所/佐伯裕子

 

 団塊の年女/秋山佐和子

 

 平成終はる/高山邦男

 

 逆立ちの猪/森岡千賀子

 

 逆 光/安藤直彦

 

 冬 野/遠山利子

 

 いのちやん/松尾祥子

 

 辛亥革命の夜/山田 航

 

 

 

 ◎作品六首+エッセイ

 

 宇宙芋と猪/米田靖子

 

 子連れ猪/三井豊和ー63

 

 宝のお船を連れて来い/横山代枝乃

 

 老婆は一日にして成らず/榊原敦子

 

 その日暮らし/服部貞行

 

 新年を祝ふ/髙山美智子

 

 板金剛/園部みつ江

 

 まだうり坊で/高橋まさを

 

 し し/津村スマ子

 

 風を連れ/まえだたみこ

 

 

 

 

 

 ◎作品十二首+エッセイ

 

 風にまかせて/磯田ひさ子

 

 ひたぶるの/大山敏夫

 

 さるびあの秋/近田順子

 

 猪のいる、猪のある歌/本阿弥秀雄

 

 うりばうと母ゐのしし/山本登志枝

 

 イノシ氏/嵯峨直樹

 

 六度目の春/京 紀子

 

 呪 縛/梶原さい子

 

 息子ありせば/黒岩剛仁

 

 雪原走る/山口明子

 

 

 

 ◎作品八首+エッセイ

 

 みなとみらい/桜井美保子

 

 朝からの雨/内藤賢司

 

 黄金のたてがみ/多田政江

 

 旅の約束/小田倉玲子

 

 「よいしょ」 /宮本 清

 

 八年目の春 /伊東ミイ子

 

 タワービル/前田芳子

 

 本卦帰り /北久保まりこ

 

 

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■連載―〈歌・小説・日本語〉㉒

 

露伴の西行/勝又浩

 

 

 

■連載―世界を読み、歌を詠む⑳

 

花に飾られた死/坂井修一

 

 

 

■連載―若い短歌作者へ 茂吉からの手紙㉖

 

次男宗吉・北杜夫への父性愛 ③/秋葉四郎

 

 

 

■連載㊲

 

メロディアの笛Ⅱ/渡英子 ー112

 

 

 

■連載―浪々残夢録○

 

歌と歌人/持田鋼一郎

 

 

 

202

 

■連載―時言・茫漠山日誌より

 

大正行進曲/福島泰樹

 

 

 

■連載―〈名画と名歌〉⑥

 

母と同年の原節子/丹波真人

 

 

 

■今月の視点

 

自己の抹消/楠 誓英

 

 

 

■連載―結社の顔㉑

 

好 日/小西久二郎

 

 

 

今月の新人―作品5首 

 

良い不良/谷村行海

 

 

 

■新刊歌集歌書評

 

『尾崎左永子短歌集成』/沢口芙美

 

𠮷岡生夫短歌論集『軌跡』/三井 修

 

新城貞夫著『遊歩場にて』/加藤英彦

 

萩岡良博著『やすらへ。花や。』/佐藤通雅

 

志野暁子歌集『つき みつる』/中川 昭

 

永田 紅歌集『春の顕微鏡』/小島なお

 

服部真里子歌集『遠くの敵や硝子を』/花山周子

 

北原東代著『非凡なる凡婦白秋の妻菊子』/田宮朋子

 

及川隆彦著『編集者の短歌史』/持田鋼一郎

 

 

 

■作品月評ー十二月号より/糸川雅子

 

■評論月評/江田浩司

 

■全国〝往来〟情報

 

■編集後記

 

 

 

表紙画/中田文花

 

本文カット/浅川 洋

 


「短歌往来」2019年1月号

 

2019年1月号 750円(税込)

※ご注文の際は、メール、お電話等で承っております。

 

<目次>

■巻頭作品21

七十なかば/大島史洋

■特別作品33

石蓮花/吉川宏志

せかいの影絵/ 松本典子

■一ページエッセイ

・遠い人、近い人㉕

宇佐美邦輔先生/島田修三

・ニューウェーブ歌人メモワール⑫

「スモール・トーク」が始まる/加藤治郎

・うたの小窓から⑬

短歌と修辞の本来の関係 7/田中教子

 

 

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【特集]平成の30年を検討する

■座談会

平成の三十年を検討する

篠 弘×三枝昻之×沢口芙美×大井 学

■平成の名歌・愛誦歌21首抄

虚無と希求/内藤 明

作風の細分化/花山多佳子

長く続いた昭和のあとに/清水亞彦

震災をめぐっての生と死/大口玲子

前登志夫の平成口誦歌/喜多弘樹

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■作品13首

菓子パンウニ/恩田英明

いつになるやら/久保美洋子

きのふの話/西之原一貴

神戸・セルリアンブルー/南 輝子

沖縄県知事 翁長雄志逝きたり/當間實光

生成り/富田睦子

平成カプリッチオ/松谷東一郎

ブラックアウト/小林優子

就職活動 /川野知美

■作品7首

記念碑建立/大野とくよ

飛驒ふた夜/雁部貞夫

歳月/加藤ミユキ

倒載干戈/綾部光芳

子安貝/久我田鶴子

出アフリカの物語/松田愼也

秋の諧調/長澤ちづ

初 冬/上村典子

出水兵児修養の掟/川涯利雄

簡素な構図 /駒田晶子

いづれ劣勢/馬場昭徳

筑波海軍航空隊記念館/小泉桄代

■特別掲載

永井陽子未発表稿・他/島津忠夫 編

■連載―結社の顔⑳

歌と観照/五十嵐順子

■連載―〈歌・小説・日本語〉㉑

日本文学の根幹をつくった西行/勝又浩

■連載―世界を読み、歌を詠む⑲

産 業/坂井修一

■連載―若い短歌作者へ 茂吉からの手紙㉕

次男宗吉・北杜夫への父性愛 2/秋葉四郎

■連載㊱

メロディアの笛Ⅱ/渡英子 ー112

■連載―浪々残夢録

良寛と永安寺 承前/持田鋼一郎

■連載―時言・茫漠山日誌より

会津、わが一兵卒たりし日よ/福島泰樹

■連載―〈名画と名歌〉⑤

映画館のうた 並木座ほか/丹波真人

■今月の新人―作品5首 

広島/西村康平

■今月の視点

「うた」の姿/一ノ関忠人

■新刊歌集歌書評

春日真木子歌集『何の扉か』/今野寿美

玉井清弘歌集『谿泉』/十鳥敏夫

佐伯裕子歌集『感傷生活』/松平盟子

小島ゆかり歌集『六六魚』/米川千嘉子

諏訪兼位歌集『若き日のヘーゲル』/栗木京子

大朝暁子歌集『辰砂の月』/西勝洋一

平山公一歌集『鋼』/塚本 諄

日置俊次歌集『地獄谷』/黒岩剛仁

安藤 菫歌集『はるかなる虹』/小林幸子

佐保田芳訓著『佐藤佐太郎の作歌手帳』/酒井佐忠

■作品月評―11月号より/糸川雅子

■評論月評/江田浩司

■全国〝往来〟情報

■編集後記

表紙画/中田文花

本文カット/浅川 洋

 


日高堯子歌集『空目の秋』

第9歌集!

 

生命のよどみなく流れゆく

川の岸辺に、もう幾百年

佇んでいたことだろう。

本当は川は在ったか。

詩的幻想界を彷徨いつつ、

少しずつ生死の重荷を

解きほぐしていく。

削落としてやまない

日常と非日常とのはざまに、

母なる歌の沃野を見た。

 

『空目の秋』より5首

 

日だまりはしろい座布団ねむりつつ母とながされゆく春の川

 

絹ごしか木綿豆腐か しらはだのなぜかはかなしガーゼの布目

 

「わたしはいつ死ぬのかしら」ときく母に「あしたよ」といふ あしたは光

 

羽虫入る感触ありて胸もとをのぞけば夏のしづかな乳房

 

しろじろと歳月を空にひろげつつ大伯母のやうな雪ふりきたり

 

 

判型:四六判上製カバー装

定価:2500円(税別)

頁数:208頁

ISBN 978-4-86629-127-7

 

 

 


今月のスポット(2018年短歌往来12月号より)

 

今月のスポット】

 

▼辻聡之歌集『あしたの孵化』

 

(短歌研究社 2000円税別)

 

 

 

 「かりん」に所属する著者の第一歌集。生きづらさとは誠実さを裏切れない謂であると改めて感じさせられた一冊だ。

 

・溶け出していないか確かめるために布団の中で反らすつまさき

 

  ふと不安になるのだ。私の身体が布団のなかで足先から溶けだしていはしないかと。意思の力では制御できない身体の変容の兆しは〝生きる〟ことが不安や懐疑と不可分であることと無縁ではない。

 

・うまく生きるとは何だろう突風に揉まるる蝶の翅の確かさ

 

・借り物かもしれぬ体を温めるための湯船に膝を曲げおり

 

 突風に揉まれながらも従順と抵抗のバランスの中から自らの軌道を確保しようとする蝶の翅には、小さいなりに生きぬくための健気な意思がある。思えば、人間とは厄介な生きものだ。うまく生きようとする知恵は、不器用にもこの蝶の翅に遠く及ばない。

 

 そう、私の身体は精神とは別に社会とうまく適合するように造形された外皮である。身体は神の与えた魂の器ではなく、社会の秩序に順応する規格品として統御され流通する仮の衣装なのだ。私は、その〝借り物〟を温めるために今夜もバスタブに熱い湯をはる。

 

・血を分けたる姪のその名に菜の花の菜の一文字がありて春来よ

 

・悪意から遠き足裏ちいさくてふれれば魚のように逃げゆく

 

 小さな足裏を魚のようにそよがせて眠っていた時期が私たちにもあった。それは悪意をしらぬ遠い遠い過去の記憶である。あのとき私たちにも来たるべき春は期待されていたにちがいない。

 

・梅の枝をメジロきらきら飛びうつる みなひとりぶんの重さに撓む

 

・夜明けまで雨の予感の立ちこめてわたしはださいTシャツで寝る

 

 この「ひとりぶんの重さ」すら支え切れなくなったのはいつからだろう。生きるとはどこかで自らのだささを引き受けることである。「ださいTシャツ」は〝借り物〟である身体に私らしさを取りもどすための、もう一枚の大切なヴェールなのではなかったか。 (た)

 


安藤美保歌集『水の粒子』(文庫版)

夭折の歌人、胎動の歌集!

 

長い間、多くの人々に愛され読まれ続けてきた『水の粒子』をこの度、文庫化いたしました。

 

            ドア      ドア

フレンチスリーブの肩見ゆ扉という扉にきびきびと鍵をかけて出る母

 

 

ふいに来た彫像のように妹のからだの線は強くととのう

  

           

寒天質に閉じこめられた吾を包み駅ビル四階喫茶室光る

 

 

風車からから回れ父親が我にはぐれし五月の砂場

 

 

ずいずいと悲しみ来れば一匹のとんぼのように本屋に入る

 

 

緻密に緻密かさねて論はつくられぬ崩されたくなく眼をつむりおり

 

判型:文庫

頁数:150頁

定価:1200円(税別)

ISBN 978-4-86629-125-3

 

 

 

 


「短歌往来」2018年12月号

 

短歌往来12月号◇目次◇

■巻頭作品21

 つきかげの真珠/大塚寅彦

■一ページエッセイ

 ・遠い人、近い人㉔―エライ人/島田修三

 ・ニューウェーブ歌人メモワール⑪―「スモール・トーク」まで/加藤治郎

うたの小窓から⑫―短歌と修辞の本来の関係 6/田中教子

■特別作品33

 it/奥田亡羊

 空のバトン/ 岩尾淳子 

■評論 世紀の視座 

歌壇と数字とジェンダー/睦月 都

 

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[特集] 題詠による詩歌句の試み

        ―平成という時代

もはや忘れてしまった平成という時代の記憶/佐々木幹郎

原発石棺の日々から/波汐國芳

さらば、平成/長谷川 櫂

アトノマツリカ マツリノアトカ/水無田気流

半 身/内藤 明

環/正木ゆう子

平成時代/細田傳造

担架体験/松川洋子

私的平成後仕末/中原道夫

石の下/八木幹夫

辺野古の今を/佐藤モニカ

種を採る/村上喜代子

めをとじて/池井昌樹

異変の様に/松坂 弘

平成の終わり/石 寒太

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■作品十三首

蟬/志垣澄幸

口 笛/押切寛子

風の客/峰尾 碧

へうたん地獄/一ノ関忠人

佐渡島へ/岡崎裕美子

點火夫 /後藤恵市

航/高島清子

ガラスペン/反田たか子

 

シリーズ歌人回想録ー槇 弥生子

小歴/前田芳子 編

槇弥生子のうた50首抄/前田芳子

正攻法で素朴に骨太に/御供平佶

 

■連載―結社の顔⑲

ナイル/甲村秀雄

■連載―〈歌・小説・日本語〉⑳

西行短歌の歴史的意義/勝又浩

■連載―世界を読み、歌を詠む⑱

雨/坂井修一

■連載―若い短歌作者へ 茂吉からの手紙㉔

次男宗吉・北杜夫への父性愛 1/秋葉四郎

■連載㉞

メロディアの笛Ⅱ/渡英子

■連載―浪々残夢録

良寛と永安寺 承前/持田鋼一郎

■連載―時言・茫漠山日誌より

大正、デカダン!/福島泰樹

■連載―〈名画と名歌〉④

映画のパンフレット「赤い靴」と「天井棧敷の人々」/丹波真人

■追悼―來田康男

來田康男君を悼む/安藤直彦ー

■作品八首

木犀の香/吉田惠子

敬老の日/若松輝峰

母の糠床/山田悦子

箱さまざま/遠山景一

零れる/平岡和代

キリシタンの島へ /西野國陽

輪舞曲を描く/清水春美

犬のフク/平尾 眞

水晶体/秋山周子

地酒「きみさらず」 /山下雅子

ナンデナンデ/津島昭宏

■今月の新人ー作品5首 

太陽を抱えるように/奥村知世

■今月の視点

あなたが死んだあと私はあなたの視野で/中山洋祐

■新刊歌集歌書評

橋本喜典歌集『聖木立』/横山岩男

横山岩男著『千代國一の短歌』』/中根 誠

俵 万智著『牧水の恋』/吉川宏志

當間實光歌集『喜屋武岬』/加藤英彦

春日いづみ歌集『塩の行進』/外塚 喬

与謝野晶子著『私の生い立ち』/石川美南

石川美南歌集『架空線』/山田消児

塚本 敞歌集『頭上の剣』/冨樫榮太郎

正井 姈歌集『詠まざれば』/松本典子

小林優子歌集『二月の桜』/西勝洋一

川野知美歌集『ムーンロード』/梶原さい子

■作品月評11月号より/糸川雅子

■評論月評/江田浩司

■全国〝往来〟情報

■編集後記

表紙画/中田文花

本文カット/浅川 洋

 


2019年「歌人手帖」

2019年版『歌人手帖』850円(税込)

 

毎年ご好評いただいております「歌人手帖」が出来上がりました。

 

・2019年見開き2週間カレンダー

・歌人名簿

・主要物故歌人、他名簿

・ジャーナル、全国主要文学館住所録

・四季と風物と歌のページ

・基文法表

・年齢早見表

・暮らしのこよみ

・慶弔エチケット

 

などを収載しております。


塚田キヌエ歌集『西行つれて』

渾身の第二歌集!

 

日常におけるさまざまな哀歓を、ひたむきに著者は詠い続けて来た。美しい四季の花々・そして心優しき人々に囲まれて苦渋の日々を乗り越えた著者は、いまふたたび新しい世界をめざして出発を遂げようとしている。

―――――――――――――――――林田恒浩

 

 

 

『西行つれて』より5首

 

夫逝きし九月の空もいくたびか独り居なれど孤独にあらず

 

紅白のさるすべり燃ゆこの道に吹きているらんふた色の風

         

夫の魂もどり来しか娘の肩に杏子ひとひら光りつつ散る

 

花吹雪くゆうべをひとり町空の望の月仰ぐ 西行つれて

 

冬凪の三浦の海のひろびろと潮目くずさぬ紺の濃淡

 

 

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:208頁

定価:2500円(税別)

ISBN978-4-86629-124-6

 


今月のスポット(2018年「短歌往来」10月号より

【今月のスポット】

 

▼山下翔歌集『温泉』

 

(現代短歌社 2500円*税別)

 

 今期待する若手はと問われて、そうした期待から遠かった自らの二十代を振り返ると甚だ気恥ずかしいのだが、この作者には確かな手応えを感じる。

 

・店灯りのやうに色づく枇杷の実の、ここも誰かのふるさとである

 

・ポケットに手なんかいれて転んだら父さんも母さんもゐなくて

 

 「誰かの」という非特定性にも父や母の不在感覚にも、どこか淡い孤独が一枚貼り付いている。

 

・換気扇 がたんと回り始めたり 母が煙草を吸つてゐたころ

 

・アルミ箔でくるんだだけの弁当を磯にひらいてまぶしさを食む

 

 ある懐かしい生活感情が立ち上がる。それは私たちの記憶の中にも確かにあった光景なのだ。ありふれた昔の日常だけれど、その向こうにはそれぞれの時代の空気が息づいている。

 

・キキのゐない夏と知りたりああやつと馴れたのに吠えるのも舐めるのも

 

・夕暮れの感じに足を突つ込んでゐるやうな陽のくらさが秋で

 

・ゆふべ身を寄せて帰りし雨の道けさおのづからはなれて歩む

 

 恋人の実家に泊ったときの二人の距離感の微妙を巧みに表現している。青春の歳月とは侵犯してはならないものの大切さを自覚することなのかも知れない。歌集名となった「温泉」は恋人の住む雲仙の温泉だろう。

 

 山下翔は青春期の心の微細を詠むのが巧みな作者だ。その読後感は島田幸典が栞文に記す「上質の私小説を読んだような感触」に尽きると私も思う。ただ、ここには青年に特有な社会への不信や反抗や抵抗の痕跡がない。それらは注意深く消去されたままである。

 

・霧雨のなかへ傘差すうつしよはぬくいよ金がこんなにぬくい

 

 消費者金融の借入限度額を増やしては借りる日々の繰り返しにも生活感はうすい。おそらく借りた金は今という儚さを生きぬくためだけに必要なのだ。

 

・スケートボード足に吸はせて跳ね上がる六月はじめの空あかるくて

 

 あとがきには「けさ、初蟬をききました。今年も夏です。」と一行だけある。不思議な一冊だ。(り)

 


小林幸子歌集『六本辻』

歌を旅する、歌を探し求める旅人よ!

 

「辻」という場所にはこころひかれる。「四辻」は、ほの暗い印象があるが、六本の道が放射状に伸びている「六本辻」はまぶしい青空のしたにあるようだ。

「六本辻」という抽象の辻を出で入りしながら、もうしばらくうたいつづけてゆきたい。

「あとがき」より

 

『六本辻』より5首

 

あやとりはたのしきものか群青の川を取りあふ姉とおとうと

 

ひたぶるにひとを思へばゆびさきに吸いつくやうな青空の月

 

思ひ直し思ひ直して死にゐるひともあるらむ白さるすべり

 

一杯だけビールを飲まうおとうとよ だれも死者とは知らない町で

 

六本辻のラウンドアバウト幾回りしてゐるうちに人は消ゆるも

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:222頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-126-0

 


諏訪兼位歌集『若き日のヘーゲル』

 

大地に触れ、大地とともに、

とめどもなく体の中から短歌が生まれてきた。

アフリカの雄麗な景観、人々の熱いまなざしに触れ、

地質学者はこの地球をどうとらえたか、どう感じたか。

 

 

 

『若き日のヘーゲル』より5首

              せんじょうち  さんきょそん

杉むらにとりかこまれし家々よ扇状地美し散居村美し

 

若き日のヘーゲルの日記いと楽し大好物はサクランボなりし

 

地球の夕焼けなべて赤く映ゆ火星の夕焼け青く映ゆるらし

 

アフリカの鳥を語りて尽くるなし真紅の太陽サバンナに落つ

                          な

生まるるは苦しみの世に現るることダキアの民は黒服で哭く

 

 

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:178頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-122-2

 

 

 


「短歌往来」2018年11月号

定価 750円(税込)

 

 

「短歌往来」2018年11月号 目次

 

■巻頭作品21

つれづれ/池田はるみ

■特別作品33首 

通過する場所/香川ヒサ

盂蘭盆世界/ 高島 裕

■一ページエッセイ

◎遠い人、近い人ー海舟、鉄舟/島田修三

◎ニューウェーブ歌人メモワール 

  短歌研究新人賞を目指す/加藤治郎

◎うたの小窓からー短歌と修辞の本来の関係 /田中教子

■評論 世紀の視座

中島敦の短歌をめぐって/小清水裕子

 

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[特集] 私が会いたかった歌人

作品抄出+エッセイ

  斎藤茂吉/小池 光

 信綱と牧水/俵 万智

  斎藤茂吉/大島史洋

  森 鷗外/今野寿美

  平 忠度/永田和宏

  万葉歌人たち/小島ゆかり

 吉井 勇/玉井清弘

  平 忠度/梅内美華子

  北原白秋/奥村晃作

  実朝 かの子 節子 修司/佐伯裕子

  憶良 空穂 良平 白秋/御供平佶

  勇 秋成 純/光本恵子

  前川佐美雄/奥田亡羊

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■作品七首

 展 望/横山岩男

 ひびき/松永智子

   将棊島/安田純生

  伴 星/前川斎子

   迷走台風/浜田康敬

   月下美人/下村道子

   秕政の先/伊勢方信

   時代の中で/冬道麻子

   秋某日/山谷英雄

   いちまんねんののち/斎藤佐知子

  夜市人生/大崎瀬都

作品十三首

  ふはりと泛かび/萩岡良博

  夏から秋へ /中津昌子

  茶の道/逸見久美

  起 点/山野吾郎

  柳生の里/千家統子

  蜘蛛の巣の糸/山本登志枝

  遠い日の詩人へ/梓 志乃

 母をたづねて/若菜邦彦

 騙し絵の階段/鈴木陽美

作品八首

 発熱体/大森悦子

 無縁の郷/辻尾 修

 舟っこ流し/小鳥沢雪江

 雨日和 /岡田悠束

 夏が行く/梅本武義

 仰ぎ見る星 /森本美子

 質せるこゑ/小林暁子

 天蓋花 /國分道夫

 村祭り/吉居瑞枝

 姫河骨咲く/野村二郎

 しほれ朝顔/大石直孝

 花 火/佐野浩嗣

■追悼―小見山輝

 広く深く自分なりに/小寺三喜子

■連載―世界を読み、歌を詠む

 雨/坂井修一

■連載―若い短歌作者へ―茂吉からの手紙

 最後の女流門人 河野多麻への手紙 /秋葉四郎

■連載―メロディアの笛Ⅱ/渡英子

■連載―<歌・小説・日本語>

 松本徹『西行 わが心の行方』をめぐって/勝又浩

■連載―時言・茫漠山日誌より

 千賀ゆう子/福島泰樹

■連載―浪々残夢録

  良寛と永安寺/持田鋼一郎

■連載―〈名画と名歌〉

 アジアの舞姫歌姫  崔承喜と李香蘭/丹波真人

■連載―結社の顔

花鏡/石橋妙子

■今月の視点

  読みあう時間/和田沙都子

■今月の新人―作品5首 

  みなも/佐川愛実

■新刊歌集歌書評

 石川恭子歌集『Forever』/坂出裕子

  村山美恵子歌集『余波』/中野昭子

  栗木京子歌集『ランプの精』/川野里子

  古谷智子著『片山廣子』/梅原ひろみ

  峰尾 碧歌集『森林画廊』/藤原龍一郎

  高島清子歌集『薔薇は静かに』/林田恒浩

  松平盟子著『真珠時間』/染野太朗

  反田たか子歌集『子規の地球儀』/今井恵子

  清水春美歌集『あした咲く花』/桑田靖之

  田口綾子歌集『かざぐるま』/堂園昌彦

■作品月評―九月号より/糸川雅子

■評論月評/江田浩二

■全国〝往来〟情報

■編集後記

表紙画/中田文花

本文カット/浅川 洋

 

 


安藤菫歌集『はるかなる虹』

安藤菫歌集『はるかなる虹』

 

脳病む娘へ。

歌を詠んではあなたのことしか出てこないのです。

統合失調症などとは一口で片付けられない、

こころ病む人間の真実。

そういう人たちに現代社会が寄り添おうとしない矛盾。

母はこれまで秘匿してきたあなたの本当の姿を

ここに明らかにします。

 

『はるかなる虹』より5首

                           あこ

バージンロード歩める如く医師の手を預けて吾娘は病棟に消えぬ

 

もぎたての桃のごとくに水弾く素肌よ若きこころは病みて

 

罪なくて脳病みし娘を迎ふるに口惜しや俯く人目気にして

 

悪人正機こころにもてば夕焼に赤唐辛子燦と華やぐ

 かげ

朝光は産湯のごとく咲き初めし薔薇洗ふべし吾わが葬りの日

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:226頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-123-9

 

 


小林優子歌集『二月の桜』

小林優子第二歌集『二月の桜』

 

北の大地に棲む。

ここが故郷だ。

寒々とした夕陽に向かって、

あるいは降り積もる雪を踏みしめながら、

こころに温めてきた思いを

そっと定型の器に載せる。

 

 

『二月の桜』より5首

 

樹々に積む雪に夕陽の沁み入れば北のふるさと離れがたかり

 

枝々にひよどりあつめあかるめる ああ、あれはそう二月の桜

 

海見えぬ町に生まれて海のある町に生まれし男と逢いき

 

だんまりの石を濡らして夏の雨とおり過ぎたち夕かたむけて

 

わが刃にするどく傷を入れられて風の中なる一枚の魚

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:172頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-121-5

 

 

 


「短歌往来」2018年10月号

 

短歌往来10月号目次

 

●巻頭作品21

 1ピエ/三枝浩樹

 

●特別作品33首

炎天忌/道浦母都子

 夏の家/竹安隆代

 

■一ページエッセイ

 遠い人、近い人】セダカとハガティ/島田修三

 【ニューウェーブ歌人メモワール】ライト・ヴァース、その日/加藤治郎

 【たの小窓から】短歌と修辞の本来の関係 田中教子

 

 

 

●評論、21世紀の視座

 読み〉への理解と共感をめぐって/染野太朗

 

 

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【特集】動物のうた 鳥のうた

 

●作品十二首+エッセイ

 

山猫の棲む島/大竹暮子

 

湘南鎌倉の夏/大下一真

 

老愁のゾウ/坪内稔典

 

ふくろふの声/中根三枝子

 

向かひ風/真鍋正男

 

光を載せて/沖ななも

 

夏の生け贄/江戸雪

 

峡にありて/村松清風

 

猛禽類撮影紀行/石川幸雄

 

青蛇/中井龍彦

 

エクマン・バージ採泥器/渡辺泰徳

 

けふも平らか/白岩裕子

 

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●作品七首

 

奉天/村山美恵子

 

春山/大山敏夫

 

員の人/宇都宮とよ

 

秋もすぐそこ/林田恒浩

 

七七日忌/矢澤靖江

 

丸木美術館/久保田 登

 

水音を聴く/宮本永子

 

岐路/石井利明

 

銀のしベ/古谷円

 

時代の右肩/石田容子

 

●作品十三首

 

薔薇の君/山本―

 

死す朝/橋本千恵子

 

緑道あゆむ/大熊俊夫

 

年経るも/岡本育与

 

光のほさき/屋良健一郎

 

ほのと影持つ/押山千恵子

 

一対の橋/生沼義朗

 

ほうたる点る/田川喜美子

 

/小林信子

 

とおき時間/多田政江

 

■連載 【結社の顔】 曠野/飛高敬

 

■連載(歌・小説・日本語) 歌が日本人をつくる/勝又浩

 

●作品八首

 

螺旋階段/前田 宏

 

水辺/岡田衣代

 

八月に・推以/西村美佐子

 

いずれはわれも/江副壬曳子

 

平等・不平等/運天政徳

 

山高日記に挟む/森藍火

 

〈彗星〉の池/古志香

 

西日本豪雨/池田美恵子

 

猫の集会/重田美代子

 

百歳体操/米山和江

 

うつくしきゆめ /伊藤美恵子

 

 

●今月の新人作品5首 神々の黄昏音頭/上條素山

 

 

■連載 メロディアの笛2/渡英子

 

■連載 々残夢録「怨霊について」/持田鋼一郎

 

■連載 世界を読み、歌を詠む 「戦争」/坂井修一

 

■連載 若い短歌作者へ茂吉からの手紙 「

最後の女流門人 河野多麻への手紙」/秋葉四郎

 

 

 

■新刊歌集歌書評

 

伊藤一彦歌集『光の庭』/栗木京子

 

田中教子著『覚醒の暗指』/犬飼公之

 

菱川善夫著『塚本邦雄の宇宙』/尾崎まゆみ

 

菱川善夫著『塚本邦雄の宇宙1』/加藤英彦

 

歌林の会編著『馬場あき子 新百歌』/酒井忠ー

 

天草季紅著『ユーカラ邂逅』/米川千嘉子

 

押山千恵子歌集『シタール、響る』/中川佐和子

 

岡部隆志著『アジア「歌垣」論』/中西洋子

 

小佐野 弾歌集『メタリック』/菊池 裕

 

沢口芙美著『歌人たちの昭和』/上條雅通

 

鈴木陽美歌集『スピーチ・バルーン』/今野寿美

 

嵯峨直樹歌集『みずからの火』/大松達知

 

阿木津 英他『九州の歌人たち』/桜川冴子

 

小鳥沢雪江歌集『雨水は過ぎた』/久保田幸枝

 

 

 

■連載 時言・茫漠山日誌より 「冤罪」/福島泰樹

 

■連載《名画と名歌》

「スウェーデンの背高三女優」/丹波真人

 

■今月の視点 「カエルは死ぬか」/佐佐木定綱

 

■作品月評 八月号より/糸川雅子

 

■評論月評 /江田浩司

 

■全国往来情報

 

■編集後記

 

 

 

表紙画/中田文花 本文カット/浅川洋

 


大朝暁子歌集『辰砂の月』

 

円熟の第三歌集!

 

欠けゆきて極まる月の辰砂いろ冬天点す熾火のごとし

 

 

きびしい北の風土。

人間とけだものとの共棲する場所。

歌を詠みきって去る。

命を生ききって去る。

老いともにすべての生と死の意味を

思念しながら、ひそかに。

 

『辰砂の月』より5首

からふと   しすか

樺太の敷香のまちの「専賣局」地図に見つわが生れし所

 

三角の頭を持つ山があらはるる木々枯れ初むる街空のはて

 

狐でも出よと曲がれば狐をりいたく痩せをり尾を垂らしをり

 

母亡くて聞けばしみじみ意味深し「母なる大地」「母なる大河」

 

零下二十度寒さの底とふ日にあふぐ橙ぬくき十六夜の月

 

 

判型:46判上製カバー装

頁数:152頁

定価:2400円(税別)

ISBN 978-4-86629-116-1

 

 

 


塚本敞歌集『頭上の剣』

 

頭上の剣現実となり原発の事故に国中震撼する日々

 

 

先師・宮地伸一のこころざしをもって、

 

荒ぶる老いの剣を振るうように歌う。

 

日常雑事も、作者にとっては作歌の源泉。

 

みちのくの風土をふかく内包しながら。

 

 

 

 

『頭上の剣』より5首

 

子と孫がキャッチボールをしてをりぬ吾も子とかく楽しき日ありき

 

主夫もまた楽しと思ふ時もあり妻の喜ぶ顔見たるとき

 

学友のまた一人逝く知らせあり学徒動員の日々思ひをり

 

今日一日歩きし歩数をケイタイが知らせくれたり寂しき命

 

羊の字未と書きつつまだ為さぬ思ひの一つにこたはりてゐる

 

判型:46判上製カバー装

頁数:194頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-105-5

 

 


川野知美歌集『ムーンロード』

    ひとけ         ほっかわ

人気なき伊豆北川の海原に浮かびあがりたりザ・ムーンロード

 

 

川野さんの若さとエネルギーは、率直で、強い。

何を見ているかに注目し、

それから、じいっと絞り込んでいく目の働き。

この執拗とも思える凝視のちからは、

そこから目をそらせずにいる作者の内面をも想像したくなる。

久我田鶴子「跋」より

 

 

 

『ムーンロード』より5首

 

小さい歯ささやくように生えている笑うと見えるもっと笑って

 

参観日に茹だったような顔をして聞いているのか先生の声

 

学校より無事に帰れと祈っている戦争をしないこの国にいて

 

選手らの日に焼けた顔黒く光り球場に立つ砂鉄のようだ

 

新しき時代は来るのではなくて創るものよとわが子に叫ぶ

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:188頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-119-2

 

 

 


「短歌往来」2018年9月号

 

「短歌往来」9月号 750円(税込)

 

目次

 

◉巻頭作品21

時の変遷/尾崎左永子

 

一ページエッセイ

遠い人、近い人㉑ーフツーの大人/島田修三

ニューウェーブ歌人メモワール⑧ーライト・ヴァース前夜/加藤治郎

うたの小窓から⑨ー短歌と修辞の本来の関係 3/田中教子

 

■評論 世紀の視座○

「うたつかい」という場について/小川佳世子

 

[特集] 現代の衣食住を詠む

 

  ◉作品十二首+エッセイ

 煉瓦の家/渡辺幸一

 〈衣・食・住〉/比嘉美智子

 最後の夏/大辻隆弘

 衣食足りて/菅原恵子

 仮住まひ/柳 宣宏

 マンゴーひかる/影山美智子

 
 今昔雑感/古屋 清

 マドレーヌ効果/尾崎まゆみ

 稲 妻/山田 航

 夏 衣/後藤由紀恵

 高層の街/石井みどり

 空の鳥/黒羽 泉

 やまもも/中西敏子

 

  ◉作品七首

 みどりの鎖/春日真木子

 この頃/久泉迪雄 

 空 襲/宮原望子

 少 年/水野昌雄

 茄子の畑/中野昭子

 水底に/大河原惇行

 もう七月か/足立晶子

 変を待つかな/疋田和男

 夏 へ/今井恵子

 花のむくろ/田野 陽

 若 竹/市村八洲彦

 繋がるいのち/杉中雅子

 

■歌人回想録127ー成瀬有

小歴/一ノ関忠人

成瀬有のうた 50首抄/阿木津 英

言葉の喚起力/一ノ関忠人

 

  ◉作品八首

 合歓の花こんなに咲いて/秋山律子

 初秋の星 /相沢光恵

 だれも返事を

   してくれないので/武藤雅治

 足裏にやはし/立松滋子

 墓標ふえゆく/伊波 瞳

 青 髯/松本高直

 湧井より/多賀陽美

 さつと拭へり/大塚 健

 ハイタッチ/梶原房恵

 食べんでよろし/大地たかこ

 あへて産まざる/楜澤丈二

 かまた・蒲田 /釣 美根子

 ウィーン/宮尻 修

 東京特区許可国区域 /紫あかね

 新緑の沢と庭/永井秀幸

 空まはり /中村雅子

 百年の友好/日向海砂

 

■連載ー〈歌・小説・日本語〉⑰

短歌は日本文学の底荷/勝又浩

 

■連載ー世界を読み、歌を詠む⑮

パンドラ/坂井修一

 

■連載ー若い短歌作者へ 茂吉からの手紙㉑

若き編集者・門人

 佐藤佐太郎への親書④/秋葉四郎

 

■連載㉜

メロディアの笛Ⅱ/渡英子

 

 

 

■連載ー時言・茫漠山日誌より○

死ぬのはまだか/福島泰樹

 

■連載ー浪々残夢録○

『選集抄』私感/持田鋼一郎

 
 

■新連載ー〈名画と名歌〉①

吉永小百合と

     サユリスト/丹波真人

 

■今月の視点

アクティブラーニング/野田かおり

 

◉今月の新人ー作品5首 

光はりはり/久永草太

 

■新刊歌集歌書評

岩田 正歌集『柿生坂』/森山晴美

高野公彦著『北原白秋の百首』/水原紫苑

内藤 明歌集『薄明の窓』/櫟原 聰

加藤治郎歌集『Confusion』/佐藤弓生

穂村 弘歌集『水中翼船炎上中』/奥村晃作

川野里子歌集『硝子の島』/中川佐和子

丹波真人歌集『朝涼』/恩田英明

江田浩司歌集『孤影』/松村正直

本田一弘歌集『あらがね』/高木佳子

小谷博泰歌集『季節の手毬唄』/南 輝子

大森静佳歌集『カミーユ』/岩内敏行

渡辺泰徳歌集『底生生物』/真中朋久

小佐野 彈歌集『メタリック』/石川美南

米山和江歌集『徳島堰のさくら』/秋山佐和子

 

■作品月評ー七月号より/阪森郁代

■評論月評/高山邦男

■全国〝往来〟情報

■編集後記

 
 

表紙画/中田文花

本文カット/浅川 洋

 


井上さな江 遺歌集『風なきに』

爛漫の今年桜に会ひたりし我には我のさくら咲かさう

 

井上さんは、「短歌は態度の文学である」という「国民文学」の信念と、短歌は自分史であるという信条のもと、物象を真っ直ぐに見詰め、ありのままを飾らず詠い続けてこられた。

青木陽子「『風なきに』に寄せて」より

 

 

『風なきに』より5首

 

暁をいづくゆ湧ける黒き鳥空を覆ひて北に渡れり

 

ばうばうとわが耳底に風の鳴り転生なども信じてゐたき

 

風なきにはららきやまぬ花桃の花の絨毯やはく踏みゆく

 

降ろされて畳まるる曾孫の鯉のぼり腹いつぱいの陽の匂ひ吐く

 

補聴器を外せばしんと音の無き闇に幽く百合の匂へり

 

 

判型:A5判上製カバー装

頁数:196頁

定価:2600円(税別)

ISBN 978-4-86629-120-8

 

 

 

 


高島静子歌集『薔薇は静かに』

本書は、四十余年の間、倦まず弛まず努力し続けた作者の第一歌集でさる。写実を基本に据えた衒いのない表現によって、日々の歓びや哀しみ、周囲の自然の姿への感動が素直に歌われている。対象に向ける善意の眼差しが、読者の心にすんなり伝わってくるであろう。

―帯文 野地安伯 

 

 

『薔薇は静かに』より5首

 

淡淡しき冬の光に包まれて薔薇は静かに命閉ぢゆく

 

娘の名書ける歯ブラシそのままに洗面所にあり新盆近し

 

直線は曲がれぬものか時時は曲がりたくなる高速道路

 

方哉さんあなただけではありません大根煮ても私も一人

 

ここがまあ市街地なるや夏草の繁れるままにあまたの空き地

 

 

 

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:204頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-115-4

 

 

 

 

 


清水春美歌集『あした咲く花』

     判型:四六判上製カバー装 

     頁数:186頁

     定価:2500円(税別)

     ISBN978-4-86629-117-8

あした咲く花に哀しみあるようで

そっと撫でやる山茶花のつぼみ

 

山茶花は春咲くいろいろな花たちのような華やかな賑わいはなく何となくひっそりと咲く。郡上は北辺で山茶花は霜で早く汚れて完全に初めから終わりまできれいでいることはあまりないが、そんな花でも明日は咲こうと蕾をつける。

 

               木島 泉 帯文より

 

 

『あした咲く花』より5首

 

鍬置きて母と作りし笹舟は港なき川流れてゆけり

                  

畦道にひときわ高く咲く薊ときに孤独は美しき棘もつ

 

押し黙る井戸を覗けばこの世でもあの世でもなき風の囁き

 

ノートからはみ出しそうな花マルを描くときクククと赤ペン笑う

 

ゆわゆわとゆめに遊ぶかねんねこにみどりご眠る初雪の夜


峰尾碧歌集『森林画廊』

定価:2500円(税別)

版型:四六判上製カバー装

頁数:216頁

ISBN978-4-86629-000-0

神ありて緑野の秘密印したり雲母鷹の羽蜘蛛の巣の上

 

時満ちて杏に小さき月生りぬ長き日暮を千々に熟れゆく

 

峰尾碧さんの歌は奔放で幻想的だ。しかし表記はごつごつした印象が強い。画数の多い漢字が愛用され、引用歌に見るように名詞が多いせいもあるだろう。字面からみる全体の印象はまことに固い。そのような固定的・集約的な外見と流動的・拡散的な内容との絶妙なバランスに、この作者のなみなみならぬ歌の才能を見る。 佐佐木幸綱

 

 

『森林画廊』より3首

                                    ほとほ

蠧毒もて野とつながれり月の夜の鱗粉の疹闇に熟る

 

              あ                  くち

f字の孔月の形に開きし頃契りし言葉その唇を衝く

 

                         みそとせ ふ    に

砂遊び見つつありしが束の間に三十年経りて肖た子の遊ぶ


當間實光歌集『喜屋武岬』

喜屋武岬 干瀬の白波さわぎ立つ逝きたる者のいのちの果てに

 

沖縄を歌う。戦で不条理に散っていったあまたの死者の魂魄を歌い継ぐ。志の文学たるこの定型に渾身の力をこめて、怒り叫び、拳を上げる。

そんなある日のこと――。

作者は青海の彼方に燦然と輝くまぼろしの琉球国を見た。

 

 

『喜屋武岬』より5首

 

寄せ返す波濤の傾りの春めきて死者も唄うべし浜下りのうた

 

海鳴りにいざなわれしは遠き日のさびしき心 末枯れの岬

 

野辺山の牧場の牛の目の奥に二十歳の吾の麦わら帽子

 

愛憎が憎しみの棘に変わる時たとえば蝶になりえぬ毛虫

      つま

摩文仁野に夫奪われし吾が母のまぐわう事無き七十余年

 

 

判型:A5判上製カバー装

頁数:196頁

定価:2700円(税別)

ISBN 978-4-8669-118-5

 

 

 

 

 

 


短歌往来2018年8月号

短歌往来8月号目次

 

◆巻頭作品21首

鰥・寡・孤・独/高野公彦

 

◆特別作品33首

水と皿/横山未来子

夏のうつわ/齋藤芳生

 

◆1ページエッセイ

◎遠い人、近い人―或る受賞式/島田修三

◎ニューウェーブ歌人メモワール―「ゆにぞん」の始動/加藤治郎

◎うたの小窓からー短歌と修辞の本来の関係2/田中教子

 

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△

 

【特集】映画とうた

 

◆映画評論

◎映画を巡るうた/丹波真人

◎時代とともに/春日いづみ

 

◎作品10首+エッセイ

不条理の花/伊藤一彦

風匂ふ/古谷智子

アラビア語字幕/三井 修

束の間の恋/梓 志乃

女囚さそり/藤原龍一郎

ドクトルジバゴ/池田はるみ

ボレロ/廣庭由利子

わが青春の大林映画/笹 公人

ことばとAI/鹿取未放

砂浜の/福島久男

アタシとわたし/寺尾登志子

先生の自転車/くぼたかずこ

 

△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△

 

◆作品7首

わが家の春/山村泰彦

夕 星/結城千賀子

軽井沢/高久 茂

赤き耳/磯田ひさ子百歳の時代/髙安 勇

夜の谷/秋山佐和子

秩父尾ノ内渓谷/綾部光芳

泰山木/佐波洋子

夏の案山子/中根 誠

山内丸山ムラ/中村キネ

リラ冷えの街から/西勝洋一

地球のはじめ/村島典子

 

◆作品13首

ヤッチー/玉城寛子

夏がちかづく/松尾祥子

前 夜/小林信也

泣かねばならぬ/富田睦子

詩 人/吉野節子

ひかり/中山洋祐

ダリア/椎名みずほ

伏見桃山へ/小見山 泉

 

◆作品8首

うたかた/新井瑠美

戦馬碑/三平忠宏

五歳の素手/藤岡成子

THE WORLD WONDERS/斉藤真伸

能登の山音/曽我亮子

独 楽/井上美知子

大和長谷寺/河村郁子

彩/依田 昇

桃源郷/飛鳥游美

残年断簡/陣内直樹

三十一文字を/鈴木通子

輝き戻る/岩井鑛次郎

 

◆連載

◎結社の顔―天象/宮原勉

◎<歌・小説・日本語>ー上田三四二の歌論/勝又浩

◎世界を読み、歌を詠む―空の目/坂井修一

◎若い短歌作者へ 茂吉からの手紙―若き編集者・門人 佐藤佐太郎への親書③/秋葉四郎

◎メロディアの笛Ⅱ/渡 英子

◎浪々残夢録ー西行と待賢門院について/持田綱一郎

◎時言・茫漠山日誌よりー望郷/福島泰樹

 

◆追悼―寺戸和子

春に逝ったひと/畑 彩子

 

◆今月の視点

肉声の誌面/小島なお

 

◆今月の新人

空/岡本 開

 

◆新刊歌集歌書評

木嶋靖生著『評注柳田国男全短歌』/小黒世茂

十鳥敏夫歌集『万化』/小林幸子

志垣澄幸歌集『黄金の蕨』/松坂 弘

鵜飼康東著『情報社会の伝統詩』/林 和清

植松法子歌集『かたじけなくも』/小林敦子

橋本千惠子歌集『未完からの出発』/大島史洋

田川喜美子歌集『何処へ』/恒成美代子

君山宇多子歌集『方位を指す』/高木佳子

多田政江歌集『風の呼吸』/五十嵐順子

徳高博子歌集『わが唯一の望み』/三本松幸紀

三宅千代歌集『永き日を』/熊谷龍子

 

◆作品月評ー6月号より/阪森郁代

 

◆評論月評/高山邦男

 

◆全国❛❛往来❜❜情報

 

◆編集後記

 

◎表紙画/大岡亜紀

◎本文カット/浅川 洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


内藤タ津子歌集『甲斐が嶺の空』

家族と甲斐の山をやさしく見守る著者の渾身の第三歌集。

 

『甲斐が嶺の空』より6首

 

幼き日の母の言の葉「神様が見ていらつしやる」を今も心に

 

「母さんのババロア旨かつたな」正月を炬燵に子らは幼き日言ふ

 

コアラ抱く夫の笑顔よこの後もこの平穏の日々続けかし

 

空襲の解除に仰ぐ東の空真赤に染めて甲府炎上

                  お や ま

台風がことなく過ぎし朝々に交す挨拶「富士山のお陰」と

 

間の岳、駒、八ヶ岳、富士の峰我ら守らるこの山々に

 

 

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:196頁

定価:2500円(税別)

ISBN978-4-86629-099-7

 

 

 


反田たか子歌集『子規の地球儀』

      判型:四六判上製カバー装

      頁数:146頁

      定価:2400円(税別)

      ISBN978-4-86629-112-3

 

 

本集で最も多く詠われているのは、戦争をテーマにした作品である。作者は戦後生まれだが、戦中のことを何も話さなかった父や、軍服店を営んでいただ祖父母、戦死した叔父などを通して、あの時代を照らしだしている。

 

               河野小百合「跋」より

 

『子規の地球儀』より5首

 

あかときの演習林を駆け巡り絵馬に戻れり野生の馬は

 

迎え酒みたいな語感ストロンチウム90という黙読すれば

 

なめらかとはいえないのだが手ずからの塑像のまなこは青年のもの

 

軍服を試着せし人あまた知る等身大の鏡一台

 

彫りふかき歩兵の文字をさらさらとすべりゆくなり葉桜の影

 


田中教子著『覚醒の暗指』

歌の始原から現代を問う!

 

「・・・春の目ざめと同様な、一つの覚醒を暗指してゐる。」(茂吉)

今日、我々が目指すべき新しい芸術としての短歌は、茂吉の改革と斬新、またその他の先人の意識を振りかえることが、一つの鍵であるように思う。

                                                                            ー「はじめに」より

 

◆目次◆

 

はじめに

第Ⅰ章 現代短歌の混沌

第Ⅱ章 先人の創造

    第Ⅰ節 斎藤茂吉 伝統とおモダニズムからの創造

    第Ⅱ説 若山牧水『万葉集』の「死」からのひらめき

    第Ⅲ説 折口信夫と前登志夫

        第Ⅰ項 折口信夫(釈迢空)の秀歌観

        第Ⅱ項 前登志夫の古語使用

            Ⅰ「われはなりてん」考

            Ⅱ「忘れぜらめや」考

第Ⅲ章 現代短歌語抄

    第Ⅰ節「行けり」考

    第Ⅱ節「あぎとふ・あぎと」考

    第Ⅲ節 短歌の旧仮名表記考

あとがき

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:188頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-108-6

 

 

 

 

 

 


江田浩司歌集『孤影』

湿り気をおびた曇り空の下、

憂愁の影を曳きながら歩む一人の旅人。

もう十分に言葉の豊穣な果実を捥ぎ取ったか。

果汁の滴り。

両掌に受けるのはさびしい定型の水音だ。

 

 

『孤影』より5首

傘の流れにひかり運ばれ消えゆけり時は未生の尾を曳いゐる

                       あした

いづこにも底なき銀河あらはれて詩歌かがよへ霜の朝は

 

火の中にむち打つ音を聞きながらあゆみゆける孤影なりけり

 

指さきにかをりひろがる昼さがりひかりの谷に蜜柑をもぎぬ

 

人間の命をかたるやさしさが星の明かりのかたはらにあり

 

 

判型:四六判上製カバー装 

頁数:162頁

定価:2,400円(税別)

ISBN 978-4-86629-109-3

 

 

 

 

 

「短歌往来」2018年7月号

 短歌往来」7月号目次より

 

◆巻頭作品21首

 生姜のかをり/馬場あき子ー2

 

 ◆特別作品33首

 うずくまる母、空を飛ぶ父/谷岡亜紀ー10

 夕張まで/ 吉川宏志ー16

 春の畝に/ 黒瀬珂瀾ー22

 

 ◆1ページエッセイ

 ◎遠い人、近い人⑲ー爺さん、婆さん/島田修三 ー6

 ◎ニューウェーブ歌人メモワール⑥ー口語短歌への道/加藤治郎 ー7

◎うたの小窓から⑦ー短歌と修辞の本来の関係 1/田中教子 ー8

 

 ■評論 世紀の視座

時代の困難を歌う/寺尾登志子ー28

 

 

 [特集] 創刊350号記念 佐美雄賞 短歌賞 出版賞の歌人

 ◉特集インタビュー

本誌編集長に聞く/及川隆彦×渡 英子×尾𥔎朗子ー38

 

◉作品十一首+ 印象に残った一首 

パステルカラー/大口玲子ー54

海ゆかば/小池 光 ー56

このあたり/島田修三 ー58

母と子/伊藤一彦ー60

白雪姫の父/栗木京子 ー62

名/本田一弘 ー64

黄あやめ/黒木三千代 ー66

一年生/花山多佳子ー68

蕨と蕗のたう/渡 英子ー70

四十雀/三井ゆきー72

門前仲町の縁日/池田はるみ ー74

ミドリカメムシ/森山晴美ー76

無限回/渡辺松男 ー78

人形と人間と春/江戸 雪 ー80

 

◉作品六首+ 印象に残った一首 

ネモフィラ/小野雅子ー82

笹舟/小関祐子 ー83

あをあらし/小橋芙沙世 ー84

カーテンコール/小笠原和幸ー85

春の日々/高田流子ー86

めまい/和嶋勝利ー87

硝子のやうな声/前川佐重郎ー88

家族の肖像/恒成美代子 ー89

タッチパネル/飯沼鮎子 ー90

鱈 汁/高島 裕 ー91

新しき道/田中拓也 ー92

柿若葉/松村正直 ー93

ナイトメア/菊池 裕 ー94

メドセージ/上村典子 ー95

風 景/棚木恒寿 ー96

青い葉/花山周子 ー97

濃い、夏/駒田晶子 ー98

瀧に打たれる/藤島秀憲 ー99

鳥 よ/滝下惠子 ー100

鮮やかに差す/山口明子ー101

波止場へ/中川佐和子 ー102

深 紅/南 鏡子 ー103

夏の老人ホーム/小川佳世子 ー104

父母の家/高山邦男 ー105

 

 ■追悼ー後藤直二

 師・後藤直二を悼む/伊藤 純 ー122

 

■連載ー結社の顔⑭

濤 声/温井松代 ー106

 

■連載ー〈歌・小説・日本語〉⑮

変容する歌/勝又浩 ー108

 

■連載ー世界を読み、歌を詠む⑬

ディストピア/坂井修一 ー110

 

■連載ー若い短歌作者へ 茂吉からの手紙⑲

若き編集者・門人 佐藤佐太郎への親書2/秋葉四郎 ー114

 

■連載ー浪々残夢録

前衛短歌の歴史的意義/持田鋼一郎 ー118

 

■連載ー時言・茫漠山日誌より

亡 友/福島泰樹 ー118

 

■今月の視点

文体の確立/江畑 實ー1

 

■今月の新人ー作品5首 

take me/加瀬はる ー9

 

■新刊歌集歌書評

尾崎左永子著『「明星」初期事情  晶子と鉄幹』/松平盟子ー124

持田鋼一郎著『良寛  愛語は愛心よりおこる』/恩田英明ー125

清水房雄著『朔総漫筆』/大河原惇行ー126

沢口芙美篇『岡野弘彦百首』/長岡千尋ー127

古川典子歌集『鳥の時間』/森本 平ー128

曽我亮子歌集『夕陽のまつり』/永吉京子ー129

河村郁子歌集『彩雲』/山野吾郎ー130

牛山ゆう子歌集『しぐれ月』/久々湊盈子ー131

 

■作品月評

ー五月号より/阪森郁代 ー132

 

■評論月評/高山邦男 ー137

 

■全国〝往来〟情報 ー142

 

■編集後記 ー144

 

表紙画/大岡亜紀

本文カット/浅川 洋

 

鈴木陽美歌集『スピーチ・バルーン』

故郷の風土や家族、親族をテーマとした歌が、作品世界に厚みをもたらしている。ユーモアの背後にある、人生の手触りと生きてゆくことへの思いを読み取るべきだろう。

 

               ―――――――谷岡亜紀「解説」より

 

 

『スピーチ・バルーン』より5首

 

鳥の切手花の切手を組み合わせ小さな個展の案内がくる

 

たんぽぽの綿毛残らず風に飛び<負ける勇気>をおもう日曜

 

くさまくら旅の鞄は重すぎるいつか手ぶらで死にゆくものを

                    ベル

がろんがろん腰に鳴る鐘はずすとき父から山の匂い立ちたり

 

明け方の夢のおわりはあるようなないような虹の脚に似ていて

 

 

判型:四六判上製カバー装 

頁数:186頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-111-6

 

 

 

 

 

押山千恵子歌集『シタール、響る』

                             

シタールを聴きしはいつか藍深き空のいずこか響る

ると思いつ

 

どこからか、たしかに聴こえる、その音色。

はるか北インドの撥弦楽器の、胸に沁み入る澄んだ調べ。

その調べのように、白い記憶のように、やわらかく。

北海道の大地に暮らしが根づき、歌が根つくまでの歳月。

 

 

 

 

 

『シタール、響る』より5首

 

ぼろぼろになりしと現し身を嘆きたる父のことばが淡雪となる

 

窓を打つ雷雨にめざめ読みつげる韻律論は雫して来ぬ

 

永久凍土に眠りいし幼きマンモスのCT画像の四肢小さきこと

 

列島はさびしき弧にて寒気団せせまればいよよ夢に屈まる

 

蝦夷梟くるりと首を旋らせて春の隠れ処探さんとする

 

判型:四六判上製カバー装 

頁数:174頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-110-9

 

 

 

古川典子歌集『鳥の時間』

 

この坂はきつと最後にのぼる坂けふホスピスの予約にのぼる

 

突然、予告された近い未来の死。

そこから振り返るときの来し方の日日のやさしさ、いとおしさ。

さりげない時間の積み重ねのかけがえのなさを

この歌集は私たちに教えてくれるであろう。

馬場明徳 帯文より

 

『鳥の時間』より5首

                        と を

「たつた一人救援列車に乗つたげなあん子はまあだ十歳やつたとよ」

 

金毘羅山が大綱まはしゐるやうな虹がかかれりさあさあ跳ばな

 

 「ハイどうぞ」見えないケーキ渡されぬ「イチゴがのつてゐます」と言はれ

                                      ろくじふはち      

                  おとうとのほほを撫でやる「元気でね」六十八歳の弟の頬

 

                  病室の窓に山裾ひろげゐる金毘羅山の夕輝きよ

 

 

 判型:四六判上製カバー装 

 頁数:192頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-113-0

 

 

 

 

本田一弘歌集『あらがね』

※品切れです。

 

『あらがね』より5首

          これのよ

山鳩はかなしみを啼く此世に生まれ出でたるたれのかなしみ

 

 

福島の土うたふべし生きてわれは死んでもわれは土をとぶらふ

 

   む                                         うな

福島に生まれしわれはあらがねの土の産んだる言葉を耡ふ

 

                       ひと

ほうたると呼べばやさしく亡き人のこゑあらはれて一つが光る

 

                     すぐ

白きものは畑をおほひ葱の葉の身のあをあをと直立つひかり

 

 

 

 

 

判型:A5判変型上製カバー装

頁数:256頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-860029-107-9

 

 

 

 

 

 

 

 

小鳥沢雪江歌集『雨水は過ぎた』

 

転勤ぐらしの途上で出逢った地、盛岡を、生きる場として積極的に選んだのだ。

人を愛するように土地を愛する。

深く継続する愛は感情の醍醐味と言えるだろう。

そして、詠まれる盛岡は、喜びの呼吸のように眩しい。

 

                     鈴木英子 帯文より

 

 

『雨水は過ぎた』より5首

  あのひと

「啄木は多情家なれば」と渋民の男は語る旧知の如く

 

詠えども何も解決せぬ日々のうたは悲しくうたは重たい

 

春立てば天も大地もゆるみゆきわたしもほのかにゆるみゆくかな

                        ひとよ

                   ひぐらしはかなかなかなと疑いてそその日暮らしの一生を送る

 

                   こもかぶり雪の庭先春を待つ梅よ牡丹よ雨水は過ぎた

 

 

判型:四六判上製カバー装

頁数:176頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-114-7

 

 

 

                   

短歌往来2018年6月号

短歌往来6月号目次

 

◎巻頭作品21首

春の祈り/篠 弘

 

◎特別作品33首

山桐咲く/清田由井子

紫陽花館まで/加藤英彦

 

 

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【特集】

第16回前川佐美雄賞・第26回ながらみ書房出版賞発表

 

受賞の言葉/奥田亡羊

受賞の言葉/岩尾淳子

 

●前川佐美雄賞受賞作

『男歌男』50首抄/奥田亡羊

●ながらみ書房出版賞受賞作

『岸』25首抄/岩尾淳子

 

選考を終えて

佐佐木幸綱

三枝昻之

佐々木幹郎

加藤治郎

俵 万智

 

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◎1ページエッセイ

◆遠い人、近い人―チョン君のつぶやき/島田修三

◆ニューウェーブ歌人メモワール―私の初期「未来」/加藤治郎

◆うたの小窓から―歌の道変り/田中教子

 

◎評論21世紀の視座

『ニューウェーブ』をめぐって/大井 学

 

◎今月の視点

なぜ私は「何もしない」か/吉岡太朗

 

◎作品7首

夜桜/吉村睦人

和豆香山/藤川弘子

さくら/楠田立身

菜の花の雨/平林静代

水切り/松坂 弘

みどりごのふぐりのやうな/小島熱子

花明かり/野地安伯

秋津辺の道/鈴木千代乃

アキバにゐる/中地俊夫

はこべ/南 鏡子

父のアルバム/鶴見輝子

 

◎作品13首

誰何/田村広志

時間/今川美幸

永遠の夕日/高島 裕

青い空といふ薔薇のまへ/兵頭なぎさ

ロンジンの春/甲村秀雄

ひかりをあるく/森川多佳子

春ながら/桂 塁

酒蔵通り/矢澤靖江

ライオンと子羊/清水正人

孤独力/鶴岡美代子

これでよかったのか/石垣蔦江

 

◎作品8首

大磯の吉田茂邸/金子正男

盟友/前田えみ子

無用ノ介/若松輝峰

異国の友/蓮見安希

小さき涙/冨岡悦子

海霧/豊岡裕一郎

荘内半島の春/横山代枝乃

夕船にゆく/池田裕美子

緑陸橋/小林敬枝

セブンデイズ/柾木遙一郎

花よりも華/小山田ふみ子

直事/茂木敏江

 

◎今月の新人

カーブ/安野ゆり子

 

◎連載

◆結社の顔ー鮒/湯沢千代

◆<歌・小説・日本語>中島敦「憐れみ讃ふるの歌」/勝又 浩

◆世界を読み、歌を詠むーカナの婚宴/坂井修一

◆若い短歌作者へ 茂吉からの手紙―若き編集者・門人 佐藤佐太郎への親書/秋葉四郎

◆メロディアの笛Ⅱ/渡 英子

◆浪々残夢録―歌と口語/持田綱一郎

◆時言・茫漠山日誌よりー夭折の歌/福島泰樹

◆編集者の短歌史(最終回)―退社から独立の日々/及川隆彦

 

◎新刊歌集歌書評

前登志夫著『いのちなりけり吉野晩禱』/前川斎子

岡井隆歌集『鉄の蜜蜂』/江田浩司

尾崎左永子著『佐太郎秀歌私見』/大辻隆弘

永田和宏歌集『午後の庭』/沢口芙美

鷲尾三枝子歌集『褐色のライチ』/後藤由紀恵

前田康子歌集『窓の匂い』/大松達知

有沢 螢歌集『シジフォスの日日』/長澤ちづ

井上美知子歌集『甘樫丘より』/一ノ関忠人

玉城寛子『島からの祈り』/渡辺幸一

鈴木通子歌集『モノクローム』/碇 博視

 

◆作品月評―4月号より/阪森郁代

◆評論月評/高山邦男

◆全国‘‘往来‘‘情報

◆編集後記

 

◎表紙画/大岡亜紀

◎本文カット/浅川 洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渡辺泰徳歌集『底生生物』

ものを観察するー真摯でやさしい眼差し。

こころの底に堆積する泥のようなものが、

時として勘定をもち、美しく輝き始める。

歌はそれをそっと掬い取る不可解な器だ。

 

ベ ン ト ス

底生生物は哀しきものよこの世より積み来るものを黙し食いおる

 

 

 

『底生生物』より 5首

 

薔薇の字をそうびと読むと知りたりし憂い少なき少年の日に

専門語封印しつつ語らえばわが過去なべて扁平となる

うつくしき周期律には逆らえぬ 核分裂は手なづけられぬ

みずうみの岸に白馬は似合いたり北バイカルに洗われていし

春まだき人間の土地に来たるもの見おろし岬に尾白鷲とぶ

 

 

 

判型:A5判上製カバー装 

頁数:190頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-101-7

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多田政江歌集『風の呼吸』

 

 

第一歌集に相応しい瑞々しい相聞歌に本集は拓かれてゆく。

誰しもの胸の奥に仕舞われている青春の日々の思い出を

そっと呼び起こすような歌たちであり、

純粋さ、直向きさがどの作品からも伝わってくる。 

 

                ―平林静代 帯よりー

 

 『風の呼吸』より5首

 

まっ青なこの空きみに届けんと山のポストに絵はがき落とす

 

照明の消えたる靴屋のショーウインドーピンクの長靴歩き出さぬか

 

車内灯消して行き先<回送>に終バス今日はすでに過去形

 

さわさわと風の呼吸が変わるころ梨より林檎が美味しくなりて

 

                   イスラムのチャドルの女吐く息も声も殺して黒衣の中に

 

 

判型:四六判上製カバー装 

頁数:266頁

定価:2600円(税別)

ISBN 978-4-86629-104-8

 

 

 

 

 

 

 

 

丹波真人歌集『朝涼』

『朝涼』より5首

 

すいめんに真鯉の背びれ触るるたび生れてしづかにひらく水の輪

 

へちま棚しげりて文机おく部屋をくらめるまでにへちま下がれり

 

恋人にあらねど月々会ひをれば君はわれには特別なひと

 

外見はダイナマイトに似る西瓜爆ぜることなく弾ける甘さ

 

七十をこえたるわれの夢のなか洗づるをみなは裸身にあらず

 

 

判型:A5判上製カバー装 

頁数:322頁

定価:3000円(税別)

ISBN 978-4-86629-103-1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田川喜美子歌集『何処へ』

田川喜美子第二歌集!

 

的確な描写、強い定型意識、批判精神、ユーモアなど、竹山広から学んだものは数知れないと思うが、すべての基本は見ることにあるのではないだろうか。

ー藤島秀憲・解説よりー

 

『何処へ』より5首

 

田川さんのさんの発声低くして竹山広の声はこだます

 

七十五歳の相聞歌よししんしんとお息吸ふて読む『千日千夜』

 

ぼんやりと煙草をふかしゐる夫が知らない人に見える夕くれ

 

晩年の私をさがすやうにして日くれて窓の硝子を磨く

 

目が合つて待つてくれるは長崎の百円電車よ春の町ゆく

 

判型:四六判上製カバー装 

頁数:204頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-096-6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『御供平佶歌集 全四冊』平成30年度埼玉県歌人会賞受賞!!