高山邦男歌集『Mother』

定価:2,530円(税込)

判型:四六判並製カバー装

頁数:214頁

ISBN978-4-86629-340-0

第二歌集!

 

 

スプーンで口元に運ぶカレーライス二人羽織めく母の食事は

 

生きるとは死ぬまで生きむとする力テーブルの海に母の手泳ぐ

 

「介護と言うと何か負の側面が強調されがちですが、私自身の感覚としては困難とか苦しさより楽しさとか喜びを歌ってきたという思いがあります」(あとがきより)

 

抒情詩の可能性を追い求める作者の優しくも切ない短歌集!

 

<引用五首>

もたもたと着替へて布団の中に入り母は安心満点の顔

 

母と歌ふきらきら星は途中まで買ひ物帰りの冬のゆふぐれ

 

笑つてるやううな寝顔で眠りをる母は無言でわたしを救ふ

 

美味しくて食べたいときは前に出る口へとまぐろの赤身をはこぶ

 

天人に寿命があるといふ話うつくし真夏の夕暮にゐて