吉村明美歌集『虫めずる』

定価:2,750円(税込)

判型:A5判上製カバー装

頁数:188頁

ISBN978-4-86629-396-7

 

第四歌集

 

思いもよらぬ両親との別れ方に傷つき、不条理と喪失感に苛まれる辛い日々。

保護犬楓太との出逢い、庭の草木や花にも癒されながら、少しずつ取り戻していく穏やかな日常がみずみずしく詠われる。タイルとは「虫めずる」だが、虫のみならずさまざまな命に向けられる眼差しが優しく読者を包み込む。虫の苦手な読者も安心して読める渾身の第四歌集である。

                        ポトナム代表 日高 智 帯文

 

<引用五首>

意識なきままに横たう母のためのパジャマ購(あがな)う花がら美(は)しき

 

残月の浮かぶ有明け死は父を蒼くすっぽり呑み込みくれし

 

引き取りて二年(ふたとせ)たてば「甘える」を身に付けいつしか老犬楓太

 

見つめあうひと時を持ち別れたるハラビロカマキリ恋かもしれぬ

 

母が逝き父が逝きたり家鴨の子もう飛ぶふりはひつようないよ