佐川あけみ歌集『備忘録』

定価:2,640円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:174頁

ISBN978-4-86629-397-4

 

この六年の内に、夫君と長男を亡くした悲しみが歌集の底流としてある。

そこから身を引き上げるように、生地水戸へ居を移しての生活が始まった。

短歌も詠み始める。そして各地の災害と被災者、さらに周囲の人々への思いも強くなる。

短歌への信頼は、作者の抒情を一層深めていくことだろう。

                       中根 誠 帯文

 

 

 

 

 

<引用五首>

歌詠むは備忘録かと思ふなり亡き人達の近くにをりぬ

 

地球儀に浮舟のごと日本国地震(なゐ)といふ名の爆弾抱ふ

 

ひとところ塊となる花筏桃源郷へ辿り着けるか

 

長男は親を見送る責務あり為し遂げたまへ来世に生(あ)れて

 

高層に落としてならぬ布団干す大きく近く今日の太陽