市原やよひ歌集『海の光』

定価:2,750円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:236頁

ISBN9778-4-86629-393-6

 

待望の第一歌集。

 

市原やよひさんの歌は、不思議と軽やかで明るい。

作家のはじまりは、長野での高校時代。そこでの恩師に導かれて「地中海」に入り、生涯の伴侶となる市原志郎氏と巡りあった。結婚後、二人は藤沢に新居を構え、すぐそばには湘南の海があった。やよひさんが〝人生の中心を過ごした” という場所だ。そして、長い闘病(介護)の末に夫が亡くなった今も、海は静かな光を放っている。    久我田鶴子氏 帯文

 

 

<引用5首>

変声期迎えたる子がはにかみて我に寄り来ぬ夕べの厨

 

視界すべて海はダイヤを散らしおり二月はすでに春と呼ばるる

 

もう履かぬきっと履けない皮の靴みがきて夫の定位置に置く

 

夫抱え診察室に入りゆけば「仲良しですか」医師の声あり

 

車椅子になりてもつくし摘む春を待ち居し夫よ 春になりたり