北澤道子歌集『ケツァールの森』

定価:2,860円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:252頁

ISBN978-4-86629-380-6

 

送料:230円(税込)

治安わるきボゴダ空港に両脇の子とポシエットを握りしめたり

 

スタジアムすり鉢型にわれも爆ぜレアル・マドリードのサポーターなり

 

「オリエンタル!」指され気づけりああわれは東洋の人マヨール広場に

 

作者が夫君とともに過ごしたコスタリカ、コロンビア、スペインをはじめとする世界各地の歌を、「朝日歌壇」の投稿歌のなかに見つけたのが北澤さんとの出会いだった。その後「心の花」の仲間として、「東京歌会」「えんの会」などで直接、お会いするようになった。

 作者の近作に「来し方のタイムラプスのわが歌は癒しとなりてわが前にあり」がある。私の短歌は「タイムラプス」だ、そう表現している。人生と歌をどう重ねるか。北澤さんは一つの答えを見つけたようだ。  帯文 佐佐木幸綱

 

 

 

<引用五首>

 

「歯科医までゆきますメリダ」メモ書きのおかれる部屋に旅鞄なし

 

目を閉ぢて貝のごとくに口ひらきわれの知らざる顔さらす

 

魚抱く猫のKATSUOが夢にきて「ぼくにマスクを二まいください」

 

二人子をママチャリに乗せ風を切る豊穣の時われにありにき

 

さみどりの羽化みるどとし朝空にまろにえの葉の開きゆくなり