片桐宏子歌集『不覚』

定価:2,640円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:192頁

ISBN978-4-86629-381-3

 

老いの輝き 第一歌集。

 

 

ひとり居の気ままなくらし玉虫と遊ぶ贅沢白寿につなぐ

 

おおらかなユーモアを特徴とする歌だと言える。人生とは、そして老いの日々とは、究極、「遊びの贅沢」なのだという哲学が、ここにはある。一人になった暮らしを、それはそれとして肯定し、積極的に楽しもうとする、「老い」の智慧でありユーモアである。 

 

谷岡亜紀 「解説」より

 

 

<引用五首>

十薬を干したる掌にて受話器取る良き伝言の無きにしもあらず

 

桐一葉風に直に曳かれゆく八十路の気概吾れにまだある

 

つかれ目の老眼鏡にゆがむ文字雨まだ止まぬ文月朔日

 

満開の花の甘さをくぐり来し余韻のまずは白湯をのみたり

 

真実は身近にありぬ刻がきて夕すげの花静かにひらく