時田則雄歌集『売買川』

定価:2,530円(税込)

判型:四六判並製カバー装

頁数:178頁

ISBN978-4-86629-317-2

 

第13歌集。

 

売買川―ウリカリ、アイヌ語で捕った魚を集める所

 

春が来ればせせらぎのひびき。

白い辛夷の花が咲き、蝶やトンボが群れ飛ぶところ。

この北の大地にどっしりと深く根を張る樹。

歌う樹だ。雄々しく、野太い声で大空に向けて叫ぶ樹だ。

 

 

『売買川』より四首

 

長靴の中なる闇の薄らぎて今日が静かに動きだしたり

 

足の裏から生まれる歌のあることを知つてゐるのはポロシリカムイ

 

日溜りの石のものいふ火の匂ひ水の匂ひを漂はせつつ

 

深呼吸すれば肺腑に春の香の満ちて農魂拳に集ふ