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定価:3,080円(税込)
判型:A5判上製カバー装
頁数:312頁
ISBN978-4-86629-273-1
遺るべき第五歌集。
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小林はみずからの主題と方法が、現代短歌の主流となり得ないことを知っていた。
未発表の作品を含む既発表の作品をこの遺歌集で熟読するとき、希求していた現代短歌のあるべき姿を見出すことになろう。
小林が私ども示唆し、暗示するものは何であろうか。
---------------------------------篠弘 栞より
『途上』より五首
玄関を出るやかならず現れるこの蛇舅母(かなべひ)に好かれているや
杖つけば杖を持つ手の疲るるということを知る杖つきながら
赤紙を受くる心に重なるやステージ4を告げられている
株立ちの枝につのぐむ鋭きつぼみ冬の桜の命に触るる
きさらぎの朝(あした)の窓に澄みわたる末期なる目にも水色の空