三友さよ子歌集『ことの葉にのせ』

定価:2,750円(税込)

判型:四六判上製カバー装

頁数:198頁

ISBN978-4-86629-272-4

 

第二歌集!

 

雪が来る ―。

言葉の恩寵を告げに来るように。

いのちが始まり、そして尽きるまでのつましい時間。

身めぐりの風景に寄り添い、そしてかぎりなく愛でる。

詩歌のまことをそっと小脇にかかえながら・・・。

 

 

 

『ことの葉にのせ』より五首

 

秘めごとのひとつ真綿に包みつつ箪笥の中へ金花虫蔵ふ

 

冴えざえと望の光に照らされて凍て空あふぐ雪の達磨は

 

 

朝の風わたる木陰に目をつむり夏の言の葉湧きくるを待つ

 

孤独なる蛙(かはづ)が岩間に鳴きつぎて春深き夜を語り尽くせり

 

森の香が少し欲しくて鉛筆の十数本を次々削る