秋元美津枝歌集『吾れ半歩でも現役であれ………第九とともに

定価:2,530円(税込)

判型:四六判並製カバー装

頁数:156頁

ISBN978-4-86629-269-4

 

賜物の第一歌集!

 

今日生きて明日には灰となる命吾れ半歩でも現役であれ

 

朝に紅顔、夕べには白骨の身(蓮如)――。

15歳から工場でもの作りに励んできた半世紀。

さまざまな偶然が重なり歌と出会った。

慣れない工具を扱うように、師も仲間もなく一人きりで歌作に励んだ。

灰色の労働も悩みも薪と燃やし、はかないこの世の命に向き合い歌を詠む!

 

 

『吾半歩でも現役であれ・・・第九とともに』より五首

 

流れ来る三秒組み立てラインにて今日も無口で過ごす人あり

 

湧く雲に流浪の雲の重なりて秋のきざしははや空にきて

 

川上へ行くほど水は清くして色はにごりつつ郷(さと)に流るる

 

ネジまはす無意識の手に温かきいきのひと息ふれて驚く

 

吾の永年勤続祝ひのその道で解雇闘争のビラをもらひき