伊澤昭子歌集『広重の雨』

定価:2,500円(税抜)

判型:四六判上製カバー

頁数:192頁

ISBN978-4-86629-236-6

 

第一歌集!

 

新アララギのニュー・ウェーブ

 

伊澤昭子さんの歌は、そもそも始めから活きいきとした新鮮な作品が多く、私の眼を引いた。短歌作品を造り出すのに必要な資質のよさが備わっている作者である。ここに言葉の海へ新たな才能が船出する事を祝福したい。

雁部貞夫「序にかえて」より

 

 

遠く散れ胸の湿りの重たさが霧になるなら風の日もよし

 

団子坂の緩きカーブに吾を抱き曽祖母歌いしかの子守歌

 

無意識に終のベッドに手の動く母は好みし茶の湯のしぐさ

 

眠いから一寸寝るよと父逝きぬ最期の最後は騙されました

 

午を過ぎ広重の雨地を打てり天より直下人を蹴散らす