仲西正子歌集『まほら浦添』

判型:四六判上製カバー装

頁数:220頁

定価:2,500円(税別)

ISBN978-4-86629-179-6

師・桃原邑子の志を継ぐというよりもっと自然に

沖縄での暮らしに根ざした詠わずにはいられないものが

仲西さんに沖縄や家族をうたわせている。

それは、意外なほどのスケールで、

世界や歴史を俯瞰させる力をもっている。

そのことを私は尊いと思う。

 

帯文ー久我田鶴子

 

 

 

 

                  たま

樹によれば樹、地に臥せば地の命なり 弾はずれて来て我を生みし母

 

ブラジルへ渡れず父はこの島で甘蔗の穂花の煌めきを見て

 

戦さ世に生まれし命も記名され平和の礎かなしき記録

              しーしうがん

十五夜におびき出されし男等が獅子御願の円陣をくむ

                      

産土を踏みし小さき黄の靴を手のひらに置き光に出だす