山村泰彦歌集『三余荘の歌』

定価:2700円(税別)

判型:A5判上製カバー装

頁数:194頁

ISBN978-4-86629-163-5

 

 

 

メモをとっても歌になる。人と会っても歌になる。

感情を抑えて淡々と自らの人生の見聞を歌に詠む。

小児科医として長く小さい命と向き合ってきた。

いま、老いと向き合う。そして老いの華やぎの中に在る。

 

 

 

残雪を踏みて幼き子と母が医院目指して歩み来る見ゆ

 

あるがままに唯あるままに歌ふべく清水房雄はつとめ来しとぞ

 

理由などなけれどアオウキクサの浮く池に飛びこまむかと一瞬気負ふ

 

いづこから来しや小さきむささびが池の端にて水飲みてをり

 

終戦の翌年なりき離ればなれの家族揃ひて樺焚きけり