![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sfcb194bbf6a56db8/image/ie11d63265300e0f6/version/1559179731/image.jpg)
判型:四六判上製カバー装
頁数:180頁
定価:2500円(税別)
ISBN 978-4-86629-140-6
《現代女性歌人叢書 21》
光まばゆい海の砂浜。
やわらかく起伏した土手道。
都市の喧騒のなかのしじま。
そんな場所にひっそりと置き忘れた歌があった。
さびしい心に似つかわしいのは
透明な響きだ。
『夏燕』より5首
やわらかな曙やさしき夕茜 天は静かな姉妹を生みぬ
枝の間に青き空見えさびしさの芯となりゆく花の老木
夏燕ひとたび行けばもう来ずと思う駅舎を低く飛びおり
たぶんどこかで繋がりおらん心臓とトマト畑の鋏
の音と
落武者のわれかもしれず遠望の城が小さな鳥影となる