山﨑暁子歌集『画布』

判型:46判上製カバー装

頁数:192頁

定価:2500円(税別)

ISBN 978-4-86629-135-2


 著者は書家としてその半生を歩まれ、また短歌へのあこがれをも捨てることなく現在に至っている。

 特に書の世界では仮名文字と歌の作品が互いに融合し、その優麗さを保ち芸術作品として完成される。

 歌集の内容は静かで自己を見詰める歌と、旅への想いが綴られている。              帯文 三本松幸紀 氏

 

 

 

『画布』より5首

 

夜毎いでて遊びたまふかみ仏のみ足に沙のうすく置きゐる

 

秋となり日のやはらかさみづからのわが影ふみて坂道くだる

 

雨ののち遍路の列ゆれゆけば水かげろふのごときはかなさ

 

紫のおのれの影のつめたさをいだけるままにゆるるかたかご

 

帰り来て月夜なれば思ふなり窟の飛天のいでて舞ふころ