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第一歌集に相応しい瑞々しい相聞歌に本集は拓かれてゆく。
誰しもの胸の奥に仕舞われている青春の日々の思い出を、
そっと呼び起こすような歌たちであり、
純粋さ、直向きさがどの作品からも伝わってくる。
―平林静代 帯よりー
『風の呼吸』より5首
まっ青なこの空きみに届けんと山のポストに絵はがき落とす
照明の消えたる靴屋のショーウインドーピンクの長靴歩き出さぬか
車内灯消して行き先<回送>に終バス今日はすでに過去形
さわさわと風の呼吸が変わるころ梨より林檎が美味しくなりて
イスラムのチャドルの女吐く息も声も殺して黒衣の中に
判型:四六判上製カバー装
頁数:266頁
定価:2600円(税別)
ISBN 978-4-86629-104-8