米山和江歌集『徳島堰のさくら』

 

『徳島堰のさくら』より5首

 

            とくじま

世の移り寡黙にとどめし徳島の水のめぐみに田植はじまる

 

しず

寂かなる墓処にわれは妻となり背をながすごと石碑をあらう

 

 

湯上りにタオルをまとう三歳に男が見えてかなしかりけり

 

 

日に日にちからの見えて茄子苗はわれの畑の顔となりたり

    

        ひと

会果てていずれは孤りその夜を幼のように師は眠らんか

 

 

四六判上カバー装 2500円(税別)