15日 6月 2016 石川浩子『坂の彩』 星凍る空垂直に降りてきてサッカーゴールさえざえとあり 若きらは初夏の大気を切り裂いて一、二、三、四坂登りくる キッチンは春のみずうみ かの世から父来てゆらり釣糸垂れる 独り身は寂しくあるか花水木坂の上にも坂の下にも 眠る前のバニラアイスの一匙を口に溶かせり 天上は雪 坂――風景の坂、心象の坂、人間の坂。 その向こう側は誰も知らない空間。 たとえばそれが希望のみえる明るさであってもいい。 現実と虚構とのせめぎ合いが迫真のうた世界を鮮やかに彩る! 四六版上製カバー装 2500円・税別 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, い, 2016, 現代女性歌人叢書