米山高仁歌集『会津好日』

五十路越えほのかに慕ふは背高く象牙の肌の妻似のをとめ
ひむがしのオリオン座流星群厚くまなこを閉ぢて心眼に見む
世の中は諸行無常と語れども生れしからには死ぬまで生きむ
如月の夕日に雪野は紅く燃えひととき麗し滅びゆく美は
バスを待ち寒さこらへて茂吉読むけふ開戦日その日の歌を

磐梯、飯豊の名峰の伏流水が生み出す米と酒を日々味わう。
会津の医家として人々との語らいから歌を紡ぎ出し、麗しい夫人との旅を楽しむ。
これを「好日」と言わずして何と言うべきか。 雁部貞夫・帯文より

四六版上製カバー装 2600円・税別