25日 5月 2015 石井ユキ歌集『海と原野』 ひと跨ぎほどの流れに添ひながら常世の花か珊瑚草さく 野分たつウトナイ沼の白鳥が真実さむしと白き息吐く 手に囲う草蜉蝣の冷たさや夏の日暮れの秋のとば口 かなしみを声あげ泣きしことなくてわが少女期の離岸流あをし 右眼を瞑り左眼で現実をとらえている。 右眼は現実の彼方のまぼろし、左眼ははるかに広い世界がはっきり見える。実と虚を見事に表現している。 山名康郎 四六版上製カバー装 2500円・税 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, い, 2015