佐々木寛子歌集『無糖の白』

来る日も来る日も遠い空からふってくる雪は真夏の夢にふりつぐ

初市に買いたる新車しろがねのトッポめんこいわたしの馬こ

山になり獅子になり弓になるヨガのポーズを終えて人間に戻る

胸の丈越えてふりつむこの雪を仏陀もイエスも踏みしことなし

フロマージュケーキのようになめらかな無糖の白が広がる雪野

いつかとは翅もつことば淡青の空は無数のいつかを仕舞う

 

雪が真夏の夢にふりつぐという下の句には驚いた。雪は一年中ふっているのだ。横手の人の心には。少なくとも佐々木さんの心には。雪は白。白鳥も白。雪の大変さを言いながら、白を愛しているのだ。

伊藤一彦•跋文より

 

四六版並製カバー装 2300円•税別