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四つ目垣に翅を休める秋あかねふいにゆばりす夕焼けの空
働きし手チャルダッシュ弾きし手我慢の手硬直する手を握りしめたり
秋明菊は風に揺れいてひとりゆく夫亡きあとのわれの坂道
筑波よりのぞむ八溝山の盆地霧たなびく里を真綿に包む
雪明りにほのかにみゆる雛の面昭和をともに生きし雛たち
作者は実に自由にのびのびと歌っている。しかも歌材は豊富で変化に富んでいる。としてもだれもが経験する日常•生活の範囲を出るものではない。こういう歌の累積こそ、個性的と言えるのかもしれない。たのしい歌集である。 岩田正
四六判上製カバー装 2500円•税別