29日 5月 2014 村島典子歌集『地上には春の雨ふる』 にんげんは必ず死ぬと告げられて地球の出づる月の平原 入口は出口なるべし診察室の扉のなかは真つ青な空 青ぶだう紫ぶだう水晶のごときしづけさ死者のいきざし この島をえらびて棲みしわれの子の胎にありにし日のごとき海 花ゆれて夕暮あましこのくにを愛するものら野をわたりゆく 苦しみ、悩み、かなしむほどに歌は異形の輝きを見せる。大和吉野、近江、沖縄•渡嘉敷の風土との邂逅を経て。前登志夫にもっとも近い詩的磁場で、今なおこの世に他界を見続けている。 四六判上製カバー装 2500円•税別 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, む, 2014