六本木、いや六本松とわれら呼ぶ若く貧しき青春のヒル
集ひきて肩組み寮歌うたはむか「燦爛夢の」淡あはし夜は
わが干支の午はなにいろの夢を見る馬の目を借りのぞいてみたい
散歩好きのレノンの幻追ひたづぬセントラルパークも再びの夏
伝説の「子消し」の罪を償ふかなべてコケシは無心に祈る
〈桜狩短歌会〉に入会してからは、七十も半ばを過ぎていたせいか、多くのものを見ておこうと、あちらこちらに足を運んだ。その折々に目にしたものをなるべく自然体で詠もうと心掛けてきた。ただその底にはいつも鎮魂の想いがあった。『レクイエム』とした次第である。ーあとがきよりー
四六判上製カバー装 2300円•税別