22日 3月 2014 石川輝子歌集『水無瀬川』 不意によぎる時雨にうたれ炎なす狭間のもみじ蒼白となる 池底よりわく水あれば氷河期の浮水植物はまなうらに咲く かえで葉の翳あやなせば含羞のおもて湧きくる峡の石仏 バラ色の未来ゆめ見しわが影のいたく小さく夜の道をゆく 鮮烈な歌集『シネマ』を遺した新芸術派の石川信雄、その実妹の第一歌集。一人旅を愉しんだみずみずしい初期作品で、のびやかに各地の風土を称える。透明な感受性に注目する。(篠弘) 四六版並製カバー装 1200円•税別 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, い, 2014