滝下恵子歌集『葡萄むらさき』

このやうに一生(ひとよ)は畢(をは)りてゆくものか暮れ急ぐそら葡萄むらさき

もういいかい何度聞いてもこたへなく鬼となりたるままに日暮れぬ

はつ夏のさへぎるものなき須磨の海あをいちめんにすつぴんの海

風花は冬の蛍か触れむとし触れ得ぬままに消えてゆく日々

さびしさのきはみは秋の晴天の昏昏と日はふりそそぐなり

 

混沌とした身のまわり、心のまわりの風景。次々に来る病いとつきあいながら、限られた風景から珠玉のたましいを掬い取るように歌い継ぐ。加齢とはうらはら、変若水(おちみず)のように蘇生する豊かな感性としらべ。

四六判上製カバー装 2600円•税込

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コメント: 2
  • #1

    唐木花江 (火曜日, 14 11月 2017 16:21)

    風花の1首 素晴らしい 感無量‼

  • #2

    唐木花江 (水曜日, 15 11月 2017 16:46)

    感性の美しいのに 感無量です