米山高仁歌集『紫煙のゆくへ』

春の空肺癌病みし父の吐く紫煙ゆるゆる立ち上がり■る

春の野に野蒜摘みゆく老いし父は肺癌の身に紫煙くゆらす

病院に駆けつけたれどはや既に父旅立ちぬかの黄昏の國

白内障を手術せし人は夏空の青さ沁み沁み吾に語りぬ

雪残る安達太良山に眼を休む茂吉歌集を膝に開きて

 

医家であった厳父の闘病中の思い出を中心として、医師としての日々の生活を詠んだ作品集である。雁部貞夫

 

四六判上製カバー装 2625円•税込