身内ゆみ歌集『朝星』

朝星を抱き働く夫宛てにたやすく儲かる封書が届く

一片の雲の形を追いゆけば母の笑顔となりてふくらむ

誰が身にも備わる臓器失いて身の内の洞何もて埋めん

 

水産業の夫を支え、妻として、母として、病身の兄を思う心情を、厳しく自己に引きつけながら、現実と対き合う姿が、如実に表現されている。鈴木諄三•序より

 

A5判上製カバー装 2730円•税込