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北風に羽織る枯葉を剝ぎ取られ震へる山毛欅に春の足音
傷口をつくろふカルス岩のごと幾年重ねて木肌つなげしや
夕つ方水遣り終へし妻のメールに水得たごとく喉をうるほす
姫林檎、実海棠、花梨、常盤柿、姫柿、石榴の色めき深む
吾(あ)のみ知る生(あ)れし故郷のこの松を手入れすたびに山の恋しき
瑞々しい春の萌し、雄々しき落葉、そして常盤のみどり。
生きた芸術〈盆栽〉の生命力に湧くことばたち。
美しい言霊と樹霊とのコラボレーションひかる、希有なる第一歌集。
四六判上製カバー装 2625円•税込