23日 3月 2013 滝沢章歌集『樹力』 北風に羽織る枯葉を剝ぎ取られ震へる山毛欅に春の足音 傷口をつくろふカルス岩のごと幾年重ねて木肌つなげしや 夕つ方水遣り終へし妻のメールに水得たごとく喉をうるほす 姫林檎、実海棠、花梨、常盤柿、姫柿、石榴の色めき深む 吾(あ)のみ知る生(あ)れし故郷のこの松を手入れすたびに山の恋しき 瑞々しい春の萌し、雄々しき落葉、そして常盤のみどり。 生きた芸術〈盆栽〉の生命力に湧くことばたち。 美しい言霊と樹霊とのコラボレーションひかる、希有なる第一歌集。 四六判上製カバー装 2625円•税込 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記