水本美恵子歌集『野鳥の道』

風の道野鳥の道にたちつくし熟れ実をこぼす一本の桑

がんによしと貰ひし硬きなた豆を毎日一つがんに食べさす

鹿なんぞ食ぶるなと言う百歳の母が食べ■る鶏肉だんど

 

後半生に突如襲ってきた乳がん、椎間板ヘルニア、脳梗塞を見据え、短歌に生命を燃焼させることを選んだ著者。

繊細でありながら奔放、緻密でありながら野心的な第二歌集。  千々和久幸 帯文より

 

四六判上製カバー装 2625円•税込