石橋美年子歌集『母と暮らせば』

この夏を逝かしむ蝉の絶唱よ無頼の我の手足さびしき

白粥にクレジーソルト少しふり胃腸の休養母と暮らせば

食細き夏の昼餉は冷麦を言葉飾らずうましと母は

人生に帰途の美学はありときく欲なき母へのひとさじの粥

 

老いてゆく母とともに暮らし、

介護し、看取り、そして母の

永眠までの長い時間。

作者はやさしく、

温かいこころで精一杯に歌い続けた。

 

四六判上製カバー装 2625円•税込

 

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コメント: 3
  • #1

    小畠吉晴、ペンネーム桜田靖 (水曜日, 09 1月 2013 20:05)

     母子の暮らし、ある種の老々介護の日々を短歌に吐露したもので感激しました。長寿社会になって、若い人の誰にでも待っている未来の姿にも思えます。若い人々に鑑賞してもらいたい短歌集です。独学なのでしょうか。独自の作風が返って光るものがあり感動を覚えました。

  • #2

    於保 啓子 (水曜日, 02 10月 2013 10:51)

    母の急逝により、突然一人になった父の介護で東京と佐賀の二重生活をしている私には、この数行に触れただけでも涙があふれます。あたたかい・・・そうありたい・・・
    すぐに手に入れたいと思います。

  • #3

    小畠吉晴(桜田靖) (日曜日, 20 9月 2015 11:33)

    石橋美年子さん、お元気にお過ごしでしょうね。旅が好きだから、海外とか出かけていますか。小生も母をあの世に送って三年が過ぎました。石橋さんのように一緒に暮らす日々ではなかったので喪失感は正直なかったです。96才という長寿と言えばめでたいようですが、六年間は認知症で子供の顔の認識もなく老人病院に寝たきり、いろうという直接胃の中に栄養剤を流し込む日々、医学のいびつな進化で無理矢理長生きさせられたと、複雑な心境でお彼岸を迎えます。母にとって最期の六年は空白で、幸せだったとは思えないのです。介護保険もいっぱい使ったし、結局、老人病院の金儲けの商品だったのか、と…