シロフォンの音色が叩く冬の窓つたえていない言葉を思う
白桔梗かすかに揺れて思い出は水の匂いのなかにあらわる
指先で伝えていたよ受け止めていたさと風舞う高架のホーム
すれ違う人の鞄がぶつかって沈めたはずの悲しみは来る
永遠の少し手前のこのあたり同じ角度に背もたれ倒す
コミュニケーションをはかることは日常の言葉によってできるが、心に横たわる思いを伝えるための言葉は詩や歌の言葉、すなわち文学によってしか表せない。(三枝浩樹•栞文より)
自らの思いを大切に、言葉を匠につないで歌っている。著者の声は胸深く届く。そして、直感での把握によって歌の広がりを得ている。(中川佐和子•栞文より)
四六判上製カバー装 2625円•税込