後藤惠市歌集『さみしいうさぎ』

年末で定年なれど朝六時に巣穴を飛び出す勤勉ウサギ

今日もまた社食のラーメン啜りゐる職退きし後は何をするか

おぼろ月いつの間にやら階段の窓に貼りつき部屋を覗きぬ


作品の骨組みがしっかりしており、韻律もたしかである。

今という時代に真正面に向き合っている。

  前川佐重郎•跋より

 

四六判上製カバー装 2835円•税込