當間實光歌集『大嶺崎(うふんみざち)』

沖縄を供物となして見捨ている大和(やまと)を吾は祖国と呼ばず

摩文仁野のいずちに果てしや義父よ父よ五月を待ちて咲ける月桃

妻と子と血で繋がれて囲みいる普天間基地に仏桑華咲く

ふるさとは基地となりにし大嶺崎フェンスが分かつ海と陸とに

辺野古崎基地建設のきざしあらば老寝

 

當間さんの短歌は、沖縄をテーマとする社会的視点を持つ歌から、亡き祖父、父、母親を歌った作、故郷の自然や妻への思いを託した歌など、多岐に渡る。(道浦母都子)

A5判上製カバー装 2835円•税込