28日 11月 2011 いとう茜歌集『イエローカード』 うすあかき果肉のような月のぼり一本の矢をわれは欲るなり 夢なれどひとを殺めて逃れ来し 群肝を刺す寒の村雨 ふかぶかと吸いこまれゆく雲雀かな空にもあれよ引力の罠 無名にて死にゆくわれか夜もすがら地を穿ちいる直情の雨 人間の業と宿命の交叉する日々。ひとくれの土でさえも祖先と呼ぶことをためらわぬ作者の感性は、生きとし生けるものへの挽歌と祈りに満ちている。晋樹隆彦 四六版上製カバー装 2625円•税込 tagPlaceholderカテゴリ: 新刊歌集歌書, 日記, 好評歌集, 2011, い