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水縹の空にただよひ梢たかく辛夷は咲けり疎水堤に
センサーに音頭湿度を管理されベコニア咲けりわが歌ほろぶべし
しらじらと楊絮まひまふ白き道遠よりきたり馬は炎を吐く
麕がきて身をこすり寄る夢さめて清拭されいつ青きタオルに
『たくぶすま』は生死を分ける自己に遭遇したあとに編まれた歌集。
情緒に溺れることのない鋭敏な感情で香気ある抒情を掬いとるとともに、農業を取り巻く状況のもつ危うさを農業者としてとらえ、いかりをこめて大胆に詠っている。(仲宗角)
A5版上製カバー装 3000円•税込