木村文子歌集『予祝』

やがてくる冬への予祝身をもって地をきんいろに染めゆく公孫樹

うつ伏して眠る身近く置きし手はかすかに放つ鉛筆の香を

異形なる子ら抱きしめて木のごとく我はありたし幾百年も

シャツのすそ出ている君の肩越しに今年最初の入道雲みる

雪の日は毛糸の帽子に守られて少し小さな母が歩み来

 

A5半上製カバー装•2625円税込