自費出版のご案内

小社では、1985年(昭60)の創立以来、約一千点以上におよぶ歌集・歌書を刊行してまいりました。印税制による企画出版物も含まれていますが、おおかたは、著者負担による出版物です。

 

少ない方で150部という方もいましたが、特に部数に制約はありません。

500部の方も2000部の方もおります。

 

本は、装幀・ページ数・部数・写真の挿入等によって値段が変化しますので、特に金額の表示はしておりません。あくまで相談の上で応じていくつもりです。

 

出版された歌集歌書は、小社の月刊短歌誌「短歌往来」になるべく書評、もしくは紹介の形で宣伝しています。いつでも、気軽に電話やこのホームページを利用してご連絡ください。

 

ながらみ書房
〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町3-2-13 秋和ビル406
TEL 03-3234-2926
FAX 03-3234-3227


◉写真を含めた歌集

富澤文子歌集『コンドルの飛ぶ国へ』

ボヘミア古城彫刻の壁を写真に撮るだまし絵の技と明かされながら

夕暮れのスカイスクレーバーに雲かかりその下を行く渡りの鳥は

チチカカ湖さざ浪のたつ湖畔には龍の舳先のトトラ舟勇む

 

たのしい旅行詠。

国内は奈良とフクシマ。海外はチェコ、ハンガリー、オーストリア、マチュピチュ。

欧米各地にわたる明るく、楽しい歌集である。 草柳繁一

 

A5判上製カバー装 2000円•税込

矢部雅之歌集『友達ニ出会フノハ良イ事』

名を呼べばふりむく躯呼ばるるとふことそのものの歓びに満ち

答えなど要らぬ問ひなど問ひかけて答へむとする君を見ており

見るままに来て■る冬ぞ カブールの井戸辺に凝る暁の水

記憶の底にまぎれゆくべきこの冬を大袈裟に抱き合ひて別れき

人生の半ばのと或る朝のアフガンの青空高く消えてゆく雲

 

報道カメラマンの詠む現場!!

「友達ニ出会フノハ良イ事」はアフガニスタン攻撃の取材でアフガニスタンに行ったおりの作品である。自分で撮ったカラー写真と組み合わせた独自の校正で、歌集としては未開拓の分野に踏み込んだものである。

佐佐木幸綱•跋より

 

四六版並製 3000円•税別


◉英訳入り歌集

北村芙沙子•中川禮子•結城文訳 ウィリアムIエリオット監修『茂吉のプリズム』

『赤光』Shakkō  Red Light

 

かがまりて見つつかなしもしみじみと水湧き()居れば砂うごくかな

crouching 

I observe the sand moving

as the water

springs up

feeling its sadness deeply

 

kagamarite

mitsutsu kanashi mo

shimijimi to

mizu waki ore ba

suna ugoku kana

 

 

死にしづむ火山のうへにわが母の乳汁(ちしる)の色のみづ見ゆるかな

in a volcano,

quiet as death,

I can see the water­

its color,

my mother’s breast

 

shi ni shizumu

kazan no ue ni

waga haha no

chishiru no iro no

mizu miyuru kana

 

四六判並製カバー装 2000円•税別

電子書籍版…1000円

 

title "Prism of Mokichi"

written by Mokichi Saito

translated by Kitamura FusaKo & Yuki Aya & Reiko Nakagawa & William Elliott

 

Mokichi Saito is the most famous tanka poet in Japan. 

He was born at 100 years ago, and he made the foundation of Japanese  modern tanka poetry. 

 

We have translated into English his first poem book.

 

2160yen

e-book…¥1000

中島裕介歌集『Starving Stargazer』

ベツレヘムに導かれても東方で妻らは餓える天動説者
Staring at the star of Bethlehem, she's a starving stargazer!

共生のための矯正の、嬌声のクレゾールに包まれている
The more I dose the dog with a drug, the less my drive to dive is ... Really?

 

音と音、意味と意味、イメージとイメージの響き合いを味わえばそれでよいのではないか。そう考えたら、たちまち楽しくなってきた。 栗木京子帯文より

 

四六判変形箱入り 2000円•税別

title Starving Stargazer 

written by Yusuke Nakajima

2160yen

田中教子歌集『空の扉』

 

我よりの離婚の催促待つ夫が送って寄越す林檎の木箱

父親を忘れぬように会わせろとほとんど他人の君が言い来る

子によりて親となりゆく我の手に松ぼっくりのひらいたかたち

存在の翳りを色濃く映す、澄明な空の扉をあけて、苦悩の原罪を問う。英訳短歌と斬新なコラボレーション歌集。

四六判上製カバー装 2500円•税別


Sora no Tobira(Door to the sky)

written by Kyouko Tanaka

2700yen

結城文英訳 竹山広歌集『とこしへの川』


血だるまとなりて
縋りつく看護婦を曳きずり走る暗き廊下を

along the dark corridor

I run dragging a nurse

who clings to me-

her blood

all over

 

炎見る友に眼鏡をかしをりてぼうぼうと燃え明かるのみ

lending my glasses

to my friend watching

the flames

I just see the darkness

lit up by burning fires

 

はじめに竹山広氏に快く原爆短歌の英訳を許可していただいたことを心より感謝します。三千首ほどもある氏の短歌のなかから、もっとも生々しい原爆体験の歌が含まれている第一歌集『とこしへの川』から百首をすべて抽出することになるまで、長い時間がかかりました。結城文

四六版並製 定価2000円•税別

 

 

Title Tokosie-no-kawa (Everlasting River) 

written by Hiroshi Takeyama

translated by Aya Yuki

 

 

Hiroshi Takeyama is the famous tanka poemer in Japan.

He was bombed the atomic bomb in Hiroshima. 

And he made Tanka-poem of bomb experience. 

 

We have translated into English his first poem book.

 

 

 

 


◉バックに入れておける軽量な歌集

くぼたかずこ歌集『とんとん月を抱いて帰ろう』

鬼女なれど笑顔颯爽酒場に立つ口から棘が出ませんように

あす生きるために今夜も酒飲むの言ってくれるねおんな三十

初めてのブルーチーズは青臭きはたちの春のGIN六オンス

だぶだぶの赤いセーターふわふわと手弱女いっぴき泳いで候

 

BAR10十月がここにある。

新宿ゴールデン街のママが詠う、31文字の止まり木。

 

四六版並製カバー装1500円•税込

 

 

滝澤齊歌集『屏風絵のなき屏風歌 木愛づる歌ども』

桜みち薄紅色の風吹けば道ゆき人もなべて匂へり

雪降れば松を尋ねむ 白妙に身をけすらひて吾を待つらむ

月明し 淡雪かかる白梅に 銀の屏風となりて野は映ゆ

炎天に焼かるるものを プラタナス 木陰をくるる君がやさしさ

青葉なる桜の下にやすらへば 汗もさまりぬ いざ歩み出てむ

紅葉葉を敷き詰むる道の色深き 時雨ふりけむ夕べの園は

 

歌作りを純粋に楽しむ。『古今集』の世界に遊び、

古歌の宇宙に紛れ込みながら、

やわらかで、匂いたつ美を求めてやまない。

 

繊細な抒情が奏でる歌世界のはじまりだ。

 

四六判並製 1500円•税込

 

 


◉復刻版

石川信夫歌集『cinema』(復刻版)

春庭は白や黄の花のまつさかりわが家はもはやうしろに見えぬ

窓のそとに木や空や屋根のほんとうにあることがふと恐ろしくなる

嬰児のわれは追ひつかぬ狼におひかけられる夢ばかり見き

すばらしい詩をつくらうと窓あけてシャツも下着もいま脱ぎすてる

 

「『植物祭』と並び称された幻の歌集『シネマ』である。

前衛短歌の先駆けとして注目される新芸術派短歌。新芸術派短歌は石川信雄が牽引した。『シネマ』の大胆、自在、劇的、スリリングなイメージの展開、文語と口語が衝突して火花を散らす一首一首の情景は、新芸術派短歌運動の現場の熱気を伝えて、現在もなお新鮮である。

佐佐木幸綱 帯文より

 

四六版並製 1500円•税込

続きを読む

柳原白蓮歌集『踏絵』(復刻版)

吾は知る強き百千の恋ゆえに百千の敵は嬉しきものと

踏絵もてためさるる日の来しごとも歌反古いだき立てる火の前
天地の一大事なりわが胸の秘密の扉誰か開きね

誰か似る鳴けようたへとあやさるる緋房の籠の美しき鳥
ともすれば死ぬことなどを言ひ給ふ恋もつ人のねたましきかな
年経ては吾も名もなき墓とならむ筑紫のはての松の木のかげに

 

『踏絵』は柳原白蓮が最初に出した歌集で、若き白蓮の告白的短歌の結晶といわれ、大正4年3月に竹柏会より出版されました。

「白蓮は藤原の女なり。」で始まる序章は佐佐木信綱、装丁は竹下夢二によるものです。

このたび初版本を復刻いたしました。

 

四六判上製カバー装 1800円•税別

 

続きを読む